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現在のページ 三省堂 英語ホーム > 英語教育コラム > マンスリーコラム【2003年2月】

マンスリーコラム
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コンピュータを使って教えてみよう(1)英語教育にwebを活用

 「音声認識を使ったソフトは生徒の発話を教師の代わりに聞いて発音の上手い下手を判断してくれるんですってね。」A先生からの質問です。そうです。音声認識というのはコンピュータが英語を言葉として受け取ってくれるのです。OCRを使ったことのある方ならスキャナーで取り込んだ絵をOCRにかけてワープロにかかるテキストファイルを手に入れたはずです。同じように音声をコンピュータに入れてから音声認識にかけて言葉として認識するのです。生徒が声に出した言葉を英語としてどの程度受け入れたかを文字で表し、さらに認識確率が出ます。この認識確率が高ければネイティブの発音に近いことになりますし、コンピュータに聞き間違いされていれば文字が言った言葉と違ったものになります。機械が生徒の発話を「うまい」とか「もう少し」と言ってくれることになります。「生徒が機械を相手に学習している間に机間巡視をしたり生徒の個人指導に時間を割けますね。」その通りです。機械を使うことに抵抗がある人がいるかもしれませんが、一時的に教師の仕事を肩代わりしてもらうには最適のソフトだといえます。

  実は学習用の音声認識は通常の音声認識とは少し違います。通常の音声認識は、使用者の癖に合わせてソフトが学習していきます。つまり下手な発音でも理解してくれようになります。学習用の音声認識ソフトでは、ソフトは学習しません。代わりにどのくらい上手か下手かを教えてくれます。
 A先生がさらにこんな疑問を持ちました。「音声をマイクで入力するソフトは何でも学習に利用できるかな?」最近まで音声を利用したソフトはそれほど簡単には入手できなかったのですから、判断が難しくても仕方ありません。答えはNoです。音声認識を使っていない場合、例えば画面に波形がでるタイプの学習ソフトは音声認識と違って中学生の学習に使うには無理でしょう。こういうソフトは学習者に見本との比較をするように要求してきますから、ソフトが発音について判断することはありません。

  一見、音声認識を利用しているようで実は違うこともあります。ニュークラウンの音声認識ソフトのように音声認識を使っていることがはっきりしている場合は別ですが、市販のソフトで「音声認識」と書かれていても実際は違うものもあるので不安です(三省堂の音声認識ソフトについてはhttp://tb.sanseido.co.jp/newcrown/cdrom.htmlを参照してください)。試しに"Yes, I do."が答えだとして2通りの答えをマイクを使って学習ソフトに言ってみましょう。1つは単語の間にポーズを置かずに発話する、もう1つはYesの後にポーズを入れて発話してみましょう。もちろん両方を同じような発音で発音します。この2つをどちらも同じように正解としなければ音声認識を利用していないと思います。選ぶときには注意しましょう。

  実際に使用する場合には隣の生徒との声が紛れ込まないようにしなければいけません。同じ音量でコンピュータに入ってくれば隣の人の声を答えとして認識してしまうからです。またPCの誤作動に備える必要もあります。予備の機械を準備することでこの問題は解消します。使ってみる価値はあると思います。実際に使った生徒の間ではコンピュータが発音を教えてくれる、何回でも聞いてくれる、どんどん先に進むこともできるなど評判は上々です。何回も進んで練習すれば発音の力もついていきます。コミュニケーション重視の授業には最適でしょう。

拓殖大学 見上 晃

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