国語の研究会情報一覧

国語研究会

国語
8月

日本文学協会国語教育部会

日時 2018年8月11日(土)~12日(日)
主催 日本文学協会国語教育部会
会場
法政大学第二中・高等学校
(神奈川県川崎市中原区木月大町6-1)
内容

■11日(土)
〈全体会〉13:00~17:00
  開会挨拶(山下宏明)
  基調報告(古守やす子)
  問題提起(須貝千里)
  実践提案(山中勇夫「白いぼうし」の実践・坂本まゆみ「少年の日の思い出」の

       実践
       山下航正「夢十夜」「第六夜」の実践)

■12日(日)09:00~17:00
〈小・中・高校ごとの分科会〉09:00~12:00
  1日目の実践提案の振り返りと補足を受けての討議
  (小学校分科会では庄司たづ子「ごんぎつね」の実践も含めて討議)
〈全体会〉13:00~17:00
  午前の各分科会の報告および討議、まとめ(田中実)
  講演(講師 山田有策)

  閉会挨拶(横山信幸)


かけがえのない子どもたちひとりひとりの〈いのち〉を育てる国語教室を、どのように創っていったらよいのでしょうか。
今年のテーマは「第三項がひらく文学教育―読むことの〈価値〉の創造」です。読むことの基盤となるのは、対象を捉えるとはどういうことなのかという言語観です。1980年代の言語論的転回によって、これまでの主体と客体の二項で捉え、正しさを追求する読みは転換を迫られました。それから三十数年経ちましたが、依然として正解があるとされたり、正解がないとされたりというような微温的価値相対主義が、問題とされない事態が続いているのではないでしょうか。この矛盾し、混迷する状況の中で、私たちは国語教育研究と文学研究との相互乗り入れによって、自らの読みを更新し続け、深い学びを追究する実践を積み重ねてきました。読むという行為は、生き方や倫理を問うこと、〈いのち〉を支える営みです。
第三項論は、言語論的転回が必然的にもたらす価値相対主義を乗り越え、読むことの〈価値〉を創造する原理として、文学教育をひらくものです。主体と客体の二項で対象を捉えるのではなく、主体と、主体が捉えた客体と客体そのもの、三項で捉える世界観認識です。主体によって捉えられた客体は、あくまで主体の捉えたものであり、客体の〈向こう〉に、だれにも到達できない客体そのものを想定します。それぞれが捉えた客体は、それぞれの主体に応じて現象した〈わたしのなかの他者〉です。客体そのもの、すなわち「了解不能の《他者》」はだれにも捉えられません。それぞれが捉えた客体は、客体そのものの〈影〉が、主体に現象させたものです。第三項論に立って、捉えられない「了解不能の≪他者≫」に向かって読みを追究していくことは、読みの実践、授業に求心力を生み出します。
次期学習指導要領が告示されました。高等学校学習指導要領においては国語科の目標として「他者との関わり」が提起され、「文学国語」の指導事項には「語り手」という言葉が登場しています。こうした動向は、小学校、中学校の学習指導要領にも潜在している事態です。「予測困難な時代」を切り拓くために、「資質・能力」の問題が提起されていますが、この問題を第三項論という原理に立って、抜本的に捉え直す必要があります。多くの方々の参加を願ってやみません。

定員 200
参加費 全日参加4,000円(学生は2,000円)/一日参加2,000円(学生は1,000円)
お申し込み方法
当日申し込み
お問い合わせ先
日本文学協会
〒170-0005 豊島区南大塚2-17-10
FAX 03-3941-2740
e-mail bungaku1946(A)piano.ocn.ne.jp
※メールでお問合せの際、(A)を@に書き換えて頂けるようお願い致します。

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