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「読み方を学ぼう」×「学びの道しるべ」×「言語活動」 ~直実の立場で手紙を書こう~

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中学校国語

大塚 康広 (岡山県津山市立北陵中学校)

2021年03月22日

1.【物語の転換点】×【道しるべ】×【言語活動】~教科書のポテンシャルを引き出す~

 教科書には「読み方を学ぼう」と「学びの道しるべ」が教材の特質に応じて掲載されている。私は、この2つの内容を生かした単元づくりを心がけている。

 「読み方を学ぼう」については特に2つの点において、価値があると考える。1つ目は、身に付ける学力が分かりにくいとされる国語科において、具体的に身に付ける学力の視点を提示しようとしていることである。そのため、単元における視点が明確に提示でき、教師は生徒と学習の方向を共有できる。2つ目は、「読み方を学ぼう」を学習の視点として設定することにより、心情や情報を読み取るだけというワンパターンな授業展開が改善され、「読み方を学ぼう」にフォーカスしたバリエーションのある年間計画が構築できる点である。

 「学びの道しるべ」は、教材の本質を読み取るための重要な問になっているため、大切に扱いたい。しかし、ストレートに問うと生徒にとってモチベーションのある問にはならない。そこで、単元に位置付けた「言語活動」の中に「学びの道しるべ」の問を入れることで、生徒にとって必然性とモチベーションの高い問の解決にしたいと考えている。

2.単元の展開(題材「平家物語」)

①単元の目標を確認する
 身に付けたい力は、教科書に提示されている「場面や状況を捉え、登場人物の考え方について自分の考えをもつ」であると示す。その際、「読み方を学ぼう」【物語の転換点】という物語を読む時の読み方を参考にすることを伝える。

 
②現代語訳を読む
 現代語訳と古文を対応させながら、読む。その際、音読や書き写しなどを行う。

 
③「敦盛の最期」における【物語の転換点】を捉える。
 【物語の転換点】とは、「思いがけない方向に、物語の筋が向きを変える箇所」であるので、展開の予想をさせ、実際の展開を確認させる。

 
④「学びの道しるべ」に取り組む。
 「学びの道しるべ」の課題は、熊谷次郎直実の行動や心情を捉える3つの課題から成り立っている。まず、ノートに自分で考え、次に交流をさせ、最後に全体で発表させる。
※本教材の場合【物語の転換点】と「学びの道しるべ」は関連付けられている。

 
⑤「言語活動」手紙を書く。
・手紙は熊谷次郎直実から、その息子に宛てて書かせる。その際、「学びの道しるべ」の課題である熊谷次郎直実の3つの行動や心情を書き込むことを条件とする。
・手紙には、「学びの道しるべ」の3つの課題に対する答えの箇所にサイドラインを引かせる。
※手紙を書くことによって、【物語の転換点】と「学びの道しるべ」が生徒の思考の中で結びつき、熊谷次郎直実の思いや考えについて、自分の理解や想像を加えながら表現できる。

 
⑥手紙の交流をする。
 手紙を互いに読み合うことで、熊谷次郎直実の思いや考えについて理解を深める。

 
⑦単元の振り返りをする。

 

(授業の様子)

3.生徒の感想

 生徒の振り返りには「古典は本当に苦手でしたが、手紙を書くことで、転換点での直実の気持ちがやっとわかりました」「『学びの道しるべ』の段階ではピンときませんでしたが、手紙を書いたら問の答えに納得できました」などがあり、言語活動の中で、【物語の転換点】「学びの道しるべ」が生きてきた様子がうかがえた。

 

(生徒が書いた手紙)

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プロフィール

大塚 康広    おおつか・やすひろ (岡山県津山市立北陵中学校)

岡山県立津山中学校教諭(執筆時は岡山県津山市立北陵中学校に勤務)、岡山県NIEコーディネーター。岡山県総合教育センター指導主事の際に培った学習指導の内容を実践の中で高めている。今後、新聞を活用した授業などを更に実践いこうとしている。

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「読み方を学ぼう」×「学びの道しるべ」×「言語活動」 ~直実の立場で手紙を書こう~

2021年03月22日
大塚 康広

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