工藤洋路、津久井貴之
東京外国語大学、群馬大学
2026年08月07日
津久井
ついに、ルービックキューブを自力で完成させられるようになった!
工藤
すごい!津久井先生がルービックキューブを始めて、1か月半くらい?
津久井
うん、そうだね。100%自力で完成させられる確率はまだ4割くらいなんだけど、最後までヒント無しで完成させられると、「やったー!」って、本当に嬉しい。
工藤
いくつになっても、新しいことを始めるのっていいよね。今は夏休みで少し時間に余裕のある先生たちも多いだろうから、ぜひみんなでルービックキューブを始めましょう!
…って、もちろんルービックキューブでなくてもいいんだけど、せっかくの夏休み!少しでも夏休みの過ごし方の参考になるような話ができたらいいなと思うよ。
新しいことを始めると、新しい気づきがある
津久井
自分が高校の英語教員をやっていた頃、「教師がモデルを示して、生徒はモデルに沿ってやってみる」というのが習得を早める方法かな、と思っていたんだよね。だからオーラルイントロダクションを一生懸命やってたってのもある。
だけど最近は、「まずやってみて、分からないことがあったときに確認したり調べたりして、またやってみる」っていうやり方がいいって言うよね。それを、ルービックキューブを始めて実感した!
工藤
なるほどね。
津久井
必ずしも英語とルービックキューブの学び方はイコールではないかもしれないけどね。ルービックキューブは、「このようなムーブがあります。これに従えば完成させられます。」というようなメソッドがあるんだよね。それを全部学んでからやってみるよりは、まずはあるステップまで進んでみて、分からないことがあったときにやり方を調べる方が、説明を理解して吸収するスピードが速いことに気づいた。久しぶりに新しいことを始めてみたことで、それを実感したね。
工藤
そうだよね。普段はなかなか時間がなくて、頭の中ではやりたいと思っていても新しいことを始められないってことも多いもんね。自分なりのルービックキューブみたいなものを探してやってみるといいんじゃないかなと思うよ。
津久井先生がルービックキューブを始めたって聞いたときにいいなと思ったのは、いつでもできる手軽さ。自分はジョギングが好きだけど、ジョギングをしようと思うと、靴を履いて外に出ないといけない。ジョギングはずっとやっていることだから、自分にとっては大した苦労ではないけど、新しく何かを始めるときには、できるだけ気軽にできる方がいいよね。
知らない言語を学ぶと、初級学習者の気持ちがわかる
工藤
語学の学習も、部屋の中ですぐに始めることができるよね。電車に乗っていても音を聞くことはできるし。新しいこととして、英語以外の外国語をちょっと学んでみるのもいいなと思うよ。
津久井
そうだね。英語だけやっていると、「聞いても意味がほとんど分からない」という感覚はもう先生には理解できないかもね。だけど、実際の教室では、分からない言語でワー!っと話されているという感覚の生徒もいるかもしれない。
工藤
そうだよね。文法や単語があまり分からない状態で文を見ると、こんなにも意味が入ってこないのか!ってことも実体験できると思う。初級学習者の気持ちを知るためには、これまでに学んだことがない外国語を学んでみるのが一番手っ取り早いかも。
津久井
たしかに。最近は海外にルーツを持つ生徒も増えてきてるっていう話を聞くから、もしどの外国語を学ぶか迷ったら、自分が住んでいる地域に多いのはどこから来た人だろう?っていうのを調べてみて、その言語を学んでみるのもいいかもね。
あまりやりすぎると仕事の延長になってしまうかもしれないけど、例えばポルトガル語を学んでみたら、ブラジル人の生徒が何かをしてくれたときにサラっとポルトガル語でお礼が言えるかもしれない。
工藤
まずはちょっとやってみて、もし興味を持ったらずっと学ぶ趣味にもなるかもしれないよね。
あとは、東京外国語大学の学生は英語以外にもいろいろな言語を専攻しているから、「専攻語を初めて学ぶ人に対して、専攻語でオーラルイントロダクションをやってください」という課題を出したことがあるよ。そうすると、「ターゲットランゲージだけで説明するのは難しいから、視覚教材が必要だ」とか、「中学1年生に英語を教えるってこういうことか」とか、学生たちにも発見があったみたい。やっぱり、新しいことをやってみると、何かに気づけると思うな。
どうしても学校のことがやりたければ、公務用端末で生徒の成長を振り返ろう
工藤
授業準備っぽくなってはしまうけど、普段あまりやらないこととして、たくさんたまっているであろう生徒のスピーキングやライティングの成果物をまとめて見てみるのもいいと思うな。
津久井
それはありだね!こんなに話させたり書かせたりして端末を活用しているのに、なかなか普段の授業後に全てを確認することはできないもんね。学校のことを何かやりたいって人は、絶対端末で生徒の取り組みを振り返るのがいいと思う。
工藤
おすすめは、4月の最初の成果物と直近の成果物の見比べ。タスクはもちろん異なると思うけど、例えばスピーキングだったら、「何となく発音がよくなってるな」とか「1~2文増えてるな」とか「自信をもって話せるようになってるな」とか、そういうことがわかると思う。
津久井
伸び悩んでいる、と先生が思っていた生徒でも、「こんなところが伸びてるな」という気づきになるかもしれないし、逆によくできるなと思っている生徒があまり変化していなかったら、「実は伸びてない」ということにも気づけるかもしれない。
夏頃になると、「この子はこういう子」というイメージが良くも悪くも固まってきてしまうから、振り返るにはいいタイミングだね。
工藤
普段は目の前のテストの結果だけで評価をするけど、3か月前と比べてどうかを確認することで、秋からどう指導していくかという大きな目標が見えてくると思うな。
津久井
ちょっとわざとらしいかもしれないけど、「こんなところがこんなに伸びてるじゃん!」、って具体的に示してあげると、生徒はきっと喜ぶよね。
工藤
そんなことをやってもらいつつ、でも、先生方にはしっかり休んでもらうのがいいんじゃないかな。
津久井
そうだね。自分も意識しないといけないなと思うけど、休むときには本当にオフにする、というのも大事だよね。
工藤・津久井
みなさん、よい夏休みをお過ごしください!
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※この連載は、お二人のざっくばらんなおしゃべりを企画化したものであり、工藤先生・津久井先生の公式発表ではありません。 |
工藤洋路 くどう・ようじ 東京外国語大学、「NEW CROWN」編集委員
・1976年生まれ
・東京外国語大学外国語学部・同大学院博士前期課程・後期課程 修了(学術博士)
・日本女子大学附属高等学校教諭等を経て、現在東京外国語大学大学院総合国際学研究科教授
・趣味はランニング。出張先でのランが好き。大阪城周回、博多大濠公園、神戸みなとのもり公園でのランが特に好き。
・お気に入りのカフェメニューはプリンアラモード。
津久井貴之 つくい・たかゆき 群馬大学、「NEW CROWN」編集委員
・1974年生まれ
・群馬大学教育学部・同大学院修了
・群馬県内の公立中高一貫校やお茶の水女子大学附属高等学校教諭等を経て 、現在群馬大学共同教育学部講師
・趣味は朝の散歩後にレトルトカレーを食べること。
・お気に入りのカフェメニューは、ホットコーヒーとモンブラン。

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