三省堂のWebコラム

工藤洋路&津久井貴之のEnglish Coffee Break

第46回:「英語の先生」になったきっかけ

工藤洋路、津久井貴之
東京外国語大学、群馬大学

2026年05月07日

工藤

気付けばあっという間にゴールデンウィークも終わったね。中学1年生も、少しずつ学校生活のリズムが見えてきた頃でしょうか。

 

津久井

先生方も新年度の1か月、お疲れさまでした。連休は少しゆっくり休めたでしょうか。連休明けはクラスの空気がまた少し変わる時期でもありますね。

 

工藤

今回はこれまでのCoffee Breakとは少し趣向が異なるけれど、リクエストもいただいたので、私たちが英語教員になりたいと思ったきっかけ、について話してみようかと思います。気楽にお読みください。

「先生」が身近だと、進路は詰将棋?

工藤

津久井先生は、いつ頃から英語の教員を目指してたの?

 

津久井

実は元々、国語の教員になりたいと思ってたんだよね。小学生くらいの頃から漠然と、なんとなく。

 

工藤

へぇ!国語だったんだ。『ごんぎつね』を読んで感動したとか?

 

津久井

それが理由だとかっこよかったんだけど、環境によるところが大きいかな。両親が国語と音楽の教員だったから。

 

工藤

そうなんだね。音楽の教員という選択肢はなかったの?

 

津久井

両親はむしろ音楽の方面に進ませたかったんだと思うんだよね。3歳の頃からバイオリンを習わせられていたんだけど、せっかく買ってもらったバイオリンを壊すくらい、嫌でたまらなかった!そこで両親も、「この子に音楽は向いていない」と悟ったみたい。

一方で、家で習字をする機会も多かったんだけど、それは面白かった。それで、国語の教員がいいなと思い始めたって感じかな。

 

工藤

いつ英語に変わったの?

 

津久井

高校生くらいのときに、いざ国語の教員になろう!と思ったところで、「これからの時代は英語の方がいいんじゃないのか?」と国語の教員をしていた父親に言われて。大学で頑張れば、留学もさせてもらえるかもしれないという話も聞いて、じゃあ英語の方がいいな!って。

 

工藤

津久井先生はかなり早い段階から「教員になりたい」とは思っていて、最後に教科が決まったんだね。高校・大学とかで教員以外の選択肢は出てこなかった?

 

津久井

今の子どもたちのように職業について調べる機会もたくさんはなかったから、身近に多い職業が自分の職業だと思っていたかも。当時の自分には、身近な職業といえば学校の先生か農家くらいだったけど、農家は朝が早いから無理だと思い込んでたかな。詰将棋じゃないけど、気づいたときには「僕はなるべくして教員になるんだ」と思ってた。

実習が楽しくて、最後の最後で教員志望に

津久井

工藤先生は、いつ頃から教員を目指したの?

 

工藤

大学の後半の、最後の最後だから、津久井先生と比べるとずいぶん遅いよ。小学生の頃は、地域の野球チームに入っていて、今考えれば大した実力もないのに「プロ野球選手になりたい!」とか言ってた。

中学・高校くらいで、何となく教員になるのも選択肢のひとつかなと考えるようになったけど、高校の最後まで理系だったので、なるとしても数学の教員かなと思ってた。

 

津久井

そこから東京外国語大学を目指すようになったのはどうして?

 

工藤

結局、高校3年生の1月に文転したんだよね。

 

津久井

高3の1月に文転?!一体何があったんだ!?

 

工藤

今ではあまり考えられないかもしれないけど、行事とか部活ばっかりやって全然勉強していなくて、高校3年生で部活が終わってようやく、本格的に受験勉強を始めたんだよね。国語より数学の方が得意だったから理系を選択していたけど、大学に入ってからも数学や物理を勉強するのは無理だなと思った。その後1年浪人して勉強していく中で、英語が楽しくなった。

10歳の頃に1年間アメリカで暮らしていたから、英語にはアドバンテージがあったこともあって、その経験も活かして大学に入ってからは英語を勉強しようと思うようになったよ。

 

津久井

具体的に教員を目指し始めたのはいつから?

 

工藤

数学教員だったけど、もともと教員も職業のひとつとして考えてはいたから、大学に入って教員免許を取ろうとは思っていた。でも本当に教員になろうと思ったのは、教育実習に行ってからかな。

 

津久井

教えるのが楽しいと思ったの?

 

工藤

もちろんそれもあるけど、部活や行事に関わることも含めて、学校の中にいることが楽しいと思った。

 

津久井

なるほどね。学校の中でワイワイ過ごすことが楽しいと思うか、苦手だと思うかは、教員を目指すかどうかに影響するよね。

 

工藤

根岸雅史先生の影響もあって「英語教育学」という学問も面白いと思ったから、修士課程に進学して、学びながら非常勤で英語を教え始めた。その中で、これは専任になって続けたいなと思うようになって、修士課程を終えてから専任になったよ。

 

津久井

こうして振り返ると、教員になる「きっかけ」って、必ずしも誰しもが納得するような「立派な」理由じゃなくていいんだよね。環境に背中を押されたり、たまたま楽しいと思えた瞬間があったり、そんな小さな理由でも、いろんな出会いや経験から学んで、あとからちゃんと職業につながっていくんだって改めて気づかされたなぁ。

 

※この連載は、お二人のざっくばらんなおしゃべりを企画化したものであり、工藤先生・津久井先生の公式発表ではありません。

プロフィール

工藤洋路    くどう・ようじ 東京外国語大学、「NEW CROWN」編集委員

・1976年生まれ

・東京外国語大学外国語学部・同大学院博士前期課程・後期課程 修了(学術博士)

・日本女子大学附属高等学校教諭等を経て、現在東京外国語大学大学院総合国際学研究科教授

・趣味はランニング。出張先でのランが好き。大阪城周回、博多大濠公園、神戸みなとのもり公園でのランが特に好き。

・お気に入りのカフェメニューはプリンアラモード。

プロフィール

津久井貴之    つくい・たかゆき 群馬大学、「NEW CROWN」編集委員

・1974年生まれ

・群馬大学教育学部・同大学院修了

・群馬県内の公立中高一貫校やお茶の水女子大学附属高等学校教諭等を経て 、現在群馬大学共同教育学部講師

・趣味は朝の散歩後にレトルトカレーを食べること。

・お気に入りのカフェメニューは、ホットコーヒーとモンブラン。

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