三省堂 発行書籍
国語教育実践の基底

国語教育実践の基底

国語(科)教育の「実践者」として、また「研究者」として、その「橋渡し」に取り組んできた筆者が、子どもたちの学びに寄り添いながら、これからのことばの教育の歩む道を具体的に示した一冊。講演記録「ことばは心のかたち」を付す。

  • 三浦和尚
  • 2016年 12月 25日 発行
  • 定価 2,750円(本体2,500円+税10%)
  • A5判  240頁  ISBNコード 978-4-385-36257-1

著者紹介

三浦和尚 (みうら・かずなお)

1952年 広島市生まれ。
1974年 広島大学教育学部卒業。広島大学教育学部附属福山中・高等学校教諭。
1983年 広島大学附属中・高等学校教諭。
1991年 愛媛大学教育学部助教授(国語教育学)。1996 年、同教授。
1997年 愛媛大学教育学部附属幼稚園長。2001年3 月まで。
2003年 愛媛大学教育学部附属小学校長。2007年3 月まで。
2012年 愛媛大学教育学部長。2016年3 月まで。
2015年 愛媛大学副学長(附属学校担当)。

○所属学会等
全国大学国語教育学会、日本国語教育学会、日本教師教育学会、日本近代文学会、日本俳句教育研究会(会長)等。

○著書
『高等学校国語科学習指導研究』(溪水社 1992)、『中学校国語科学習指導の展開─表現活動を中心に─』(三省堂 1993)、『「話す・聞く」の実践学』(三省堂 2002)、『「読む」ことの再構築』(三省堂 2002)、『国語教室の実践知─確かな学びを支える25 のキーワード』(三省堂 2006)等。

目次

まえがき

Ⅰ 実践力としての教育話法
1 子どものことばを育てる教師のことば
2 学習指導能力としての教師の話し方の自覚
3 指導法としての教師の話しことば―「応答」を中心に―
4 豊かな教室コミュニケーションの成立

Ⅱ 教材研究へのアプローチ
1 梅崎春生における「かるみ」―『蜆』の分析をもとに―
2 これからの中学国語教科書―可塑性のある学習材集として―
3 学習材としての『坊っちゃん』『吾輩は猫である』
4 読むことの学習指導の方法改善に向けて

Ⅲ 国語科授業実践方法の基底
(学習指導上の諸課題)
1 生活全体でことばを育てる
2 子どもの物語としての「見通し・振り返り」
3 学習記録機能の強化と記録の活用
4 学習の個別化あるいは段階化の工夫

(「話すこと・聞くこと」をめぐって)
5 話すこと・聞くことの評価
6 「聞くこと」の学びは<どのように>可能か
7 「聞く」における「技術」と「能力」

(読むことの学習の意味)
8 国語科の授業としての「読むこと」の意味は何か
9 文学(「こころ」)を教室で読むことの意味

(「書くこと」をめぐって)
10 俳句の創作教育のあり方
11 書く意欲を引き出す指導技法 書く意欲から態度の育成へ
12 記述力を高めるために
13 作文の処理・評価に関する工夫
14 読書感想文を書く

[付] ○講演記録「ことばは心のかたち」

あとがき
初出一覧

「まえがき」より

・もとより「論考」というよりは「自身の経験値の集積」というべきものも多く、「学」「論」としてまとめていいものかどうかの疑いはあろうが、私なりの国語科授業に対する思いとしては、その区別はあまり意味をなしてはいない。

・国語教育の実践のために、どのような具体的な工夫や意識が必要なのか。結果として論考を取捨選択してみれば、「実践の基底」に何があるのか、必要なのかを私なりに考察したものになっているように思われる。

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