日々の外国語の授業でお悩みのことはありませんか。明日の授業が楽しくなる指導のヒントや、教科書の効果的な使い方などをご紹介します。
増渕真紀子 明星大学
2026年06月01日

前回(No. 2 パノラマの効果的な指導①)紹介した対話的なインプット活動で準備をしたあと、いよいよパノラマリスニングに挑戦します。子どもたちは教師との対話を通して、どのイラストに注目すればよいかがわかっているため、より言語材料に集中することができます。今回は、パノラマリスニングのあとにおすすめの、帯活動としても活用できる語彙学習の活動をご紹介します。
リスニングを終えた子どもたちは、音声を聞いて内容が理解でき、語彙の意味もある程度わかる状態になっています。しかし、「わかること(受容語彙)」と「コミュニケーションの中で言えること(発信語彙)」は異なります。「あの単語を言いたいのにとっさに出てこない」という経験は大人でもよくあります。この「とっさに」英語が言えるようになるには、英語に触れる一定の時間が必要です。しかし、限られた小学校英語の授業時間の中では、その時間を十分に確保することは難しいのです。
発話したい語彙をとっさに言えるようにするには、fluency(流暢さ)を向上させるための訓練が重要になります。この訓練にパノラマが大活躍します。方法としては、制限時間内(1分程度)で、児童はパノラマの中から英語で言える語を声に出して発音していき、その語数を記録します。毎時間この活動をすることで、発音できる語彙がだんだんと増えていき、「言える単語が増えた」という児童の自信につながります。活動のために準備するものは教科書とタイマーだけなので、とても簡単におこなえます。
「とっさに」英語が言えるようになるための方法はシンプルで、タイムプレッシャーが与えられた環境で語彙をどんどん発話することです。最初は既習語彙ばかりになるかもしれませんが、学習が進むにつれて、単元の新出語彙も言えるようになります。学習した語彙が増え、児童自身が達成感を得られることも、この活動の効果だといえます。
増渕真紀子 ますぶち・まきこ
・明星大学非常勤講師。TESOL修士。元小学校外国語専科講師。
・東京大学大学院教育学研究科博士課程にて、第二言語習得に基づいた Young learnersのための Focus on Form指導法の効果について研究している。
・J-SHINE小学校英語上級指導者の資格を所有し、2021年よりInstagram、YouTubeでまき先生として小学校英語の授業アイデアや教材、教授法をシェアしている。

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