筆者が教員研修に携わった経験をもとに、教師が行う教育相談とは何かを具体的に記述することを心掛けた。内容は大きく二つに分けることができる。第1部から第5部までは、「教育相談とはなにか」「教師が行う教育相談」の特徴、「各問題行動の知識」、そして、他者を理解するための基礎である「教師自身の自己理解」について、教育相談の基本的事柄を記述した。第6部から第8部は、教育相談の姿勢を教育活動に生かすとはどういうことか、「事例研究」、「グループエンカウンター」等々を含め、教師のかかわりを具体的に記述した。また、本書の特徴は、見開き2ページが一項目で、読者の興味関心のあるところから読んでいただけること、本文の核心を表現したイラストにある。教師を目指す学生や教師になって間もない若い方々だけでなく、教師が行う教育相談を再確認したいと思っておいでの先生方にも利用していただけると幸いである。(本書「はじめに」より抜粋)
1947年 神奈川県横須賀市生まれ。
1971年 東京教育大学教育学部卒業。
1973年 南カリフォルニア大学音声言語学特別コース修了。
1976年 南カリフォルニア大学教育学部大学院修士課程修了。
1977年 東京都立調布養護学校教諭。横浜国立大学教育学部、社会事業大学、国立特殊教育総合研究所で非常勤講師。
1987年 東京都立教育研究所/多摩教育研究所指導主事(教育相談・障害児教育)。
1995年 東京都立教育研究所統括指導主事(教育相談担当)。
1997年 東京女子体育大学・同短期大学助教授(教育相談・心身障害児教育・学生相談カウンセラー)。
2004年 東京女子体育大学・同短期大学教授。現在に至る。
第1部 なぜ「教育相談」なのか
第2部 教師が行う教育相談
第3部 教育相談の基本の考え方
第4部 子ども理解のための基礎知識
第5部 子ども理解に先立つ教師の自己理解
第6部 教育相談の考えを生かした指導
第7部 事例研究
第8部 人間関係を育てるかかわり
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