三省堂 発行書籍
生徒の間違いを減らす 英語指導法 ―インテイク・リーディングのすすめ

生徒にどんなに自己表現をさせようとしても、書く文章が間違いだらけでは話にならない。生徒の間違いを減らすために、導入した英文を体の中に染み込ませる方法「インテイク・リーディング」を提案する。

  • 齋藤榮二
  • 2011年 9月 10日 発行
  • 定価 2,000円+税
  • 四六判   216頁  ISBNコード 978-4-385-36559-6

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著者紹介

齋藤榮二 (さいとう・えいじ)

福島県生まれ。1972 年,ハワイ大学大学院修士課程終了(英語教授法専攻)。小学校,中学校,高等学校教諭,福島県教育センター,桜の聖母短期大学教授,京都教育大学教授,関西大学外国語教育学研究機構大学院研究科長,同外国語教育連環センター長を経て,現在,京都外国語大学特任教授,関西大学英語教育連環センター特別顧問,京都教育大学名誉教授。
著書に『自己表現力をつける英語の授業』(三省堂 2008),『基礎学力をつける英語の授業』(三省堂 2003),『ローレル総合英語』(三省堂 2000),『より良い英語授業を目指して』(共著,大修館書店 2000),『英語授業成功への実践』(大修館書店 1998),『英語授業レベルアップの基礎』(大修館書店 1996),『英文和訳から直読直解への指導』(研究社1996),『インプット理論の授業』(共著,三省堂 1988),『新しい読みの指導』(共著,三省堂 1996),『三省堂ファースト英和辞典』(共著,1986),他多数。文部科学省指定「英語指導力開発ワークショップ授業」講師(2005,2006)。文部科学省指定「資質の高い教員養成を目指す高度実践的な取り組み支援(教員養成GO)」講師(2005,2006)。

目次

目次

第1章 今,英語教育はどのような方向に向かっているのか
  1. 新しい学習指導要領のもとで私たちはどういう授業をしていけばよいのか
  2.これからの授業の方向はどうなるのか
  3.これからの授業の具体的な方向を考える
第2章 生徒はどのような間違いをするのか
  1.よく見られる典型的な間違い
  2.間違いを分類してみる
第3章 Intake Reading の前にしておくこと
  1.Intake Reading の前にしておくべきこと
  2.一文一問一答方式とCaption Method
  3.指名論
第4章 Intake Reading はこうして行う
  1.全部まとめて面倒をみよう
  2.Intake Reading をやらせてみると次のようなことが起こる
  3.Input,Intake,Output の3つのステップについて
第5章 Intake Reading 実践編 ―日常の授業の中で行う―
  1.Intake Reading は難しい?
  2.分割せよ
  3.grammaticality を育てよ
  4.モジュールの考え方
  5.ショートテストの実施
  6.ショートテストの後も大切
  7.ショートテストはdictation ではダメか
  8. モジュールに分割して日常的にIntake Readingを実施しよう
第6章 Intake Reading 応用編
  1.意味理解編
  2.英文正確さ編
  3.いよいよゲーム化
第7章 Intake Reading を実践してみた結果,どういうことがわかったか
  1.読み手の責任が問われた
  2.「教科書を食いつくせ」という心構えの必要なこと
  3.Intake Reading は生徒の英語の力のバロメーターを示すことがわかった
  4.レディーメイドをオーダーメイドにすること
  5.Intake Reading を実施された先生方の声を聞いてみよう
  6.楽しければそれでいいのか
  7.知的プレッシャーをかける
  8.それぞれの音読指導の目的
  9.豊かな説明を目指して
  10.大文字からピリオドまで
  11.同じ文を繰り返したほうが効果的
  12.Intake Reading とshadowing はどこが違うのか
  13.再度,grammaticality について
第8章 基礎学力最強の勉強法
  1.はじめに
  2.Read and Look up
  3.第1路線と第2路線
  4.暗写
第9章 脳の働き
  1.脳と知的プレッシャー
  2.脳の活動
第10章 教師もIntake Reading で力を伸ばせ
  1.英語教師の宿命
  2.Intake Reading を教師の英語力を伸ばすために利用しようと考えたきっかけ
  3.Intake Reading 余暇時間利用法
  4.私の路上 Intake Reading 振り返りの記

まえがき

先生方に贈ることば ―「まえがき」にかえて―
「ああしまった。生徒のためにこのことをもっと早くからやっていればよかった」
あなたがそういう反省をすることが時に応じてあるとすればあなたは大丈夫
まだ進歩の可能性がある
健闘を期待する
  I am go to school. I was tennis club.
  I don’t good student. My family at three.
  Osaka is takoyaki. Doutonbori(道頓堀) and Namba(難波) are dating.
 上に挙げたような文が,次々と生徒によって書かれています。私が中学校で英語を教え始めたのは40 年も前のことですが,その時にもこういう間違い英語の文が,生徒の中から次々と出てきました。そして40 年たった今でも状況はあまり変わりません。毎日,毎週,毎月,毎年,日本中の英語のクラスの中からこういう英文は出続けています。
  実践的コミュニケーション能力,なかんずく「自己表現力」という建物を建てようとしても,その土台となる生徒の英文が上で挙げたようなグラグラしたものでは,その上にしっかりとした建物を建てることはできません。
 「この状況をどうにかしませんか。このことにストップをかけませんか」と呼びかけてみても,あまりにもこういう状態が普通のため,聞く耳を持つ先生方はそれほど多くはありません。
 なんとかしませんか。私の危機感は年々高まっています。
 「しっかりとした,自己表現力をつけるための土台を作る強力な方法を,皆さんに贈ります。」
 そのためにこの本を書きました。
教師の思い込み
 生徒は文法の規則を知っているから「正しい文を書いたり,正しく話したり」出来るのではないのです。それも大事ですが,それだけではありません。教育の現場では,何十年にもわたって文法の授業を展開してきました。その結果,私たちの生徒は正しく英文を書いたり,話したりできているのでしょうか。実際はどうでしょう。残念ながら,そうなってはいない。ではどうすればいいのか。
「生徒は,英語の正しい文を脳に沈めることを日常的な訓練として練習した結果,正しい文を書いたり話したり出来る道を歩き始めるのです。」
その強力な方法がIntake Reading (インテイク・リーディング)です。
 「文法の説明は不要だ」などと言う気はありませんが,それだけで英語の力がつくということはあり得ません。正しい文章を書ける生徒を育てるための教え方の方法論を,私としては本書を通して全力をあげて皆さんに提供する努力をします。
 今まで何冊も,英語教育に関する本を書いてきました。ただ,1つの教え方の方法を提案することのみのために,本1冊の最初のページから最後のページまで使ったということは,私にとっても初めての経験です。私のささやかな心意気を知っていただければありがたいと思います。
 最近になってみると,私は自分の著書を通して,全国の英語の先生方と対話をしているような実感を少しずつ持ち始めています。これは「英語の先生方に話しかける」という私の書き方のスタイルにもよりますが,別の言い方をすれば,英語教育についても長編小説を書いているような気分を感じることがあります。
 その第1章は『英語を好きにさせる授業』(大修館書店)であり,第2章は『英文和訳から直読直解への指導』(研究社),第3章が『英語授業レベルアップの基礎』(大修館書店),第4章が『英語授業成功への実践』(大修館書店),第5章が『基礎学力をつける英語の授業』(三省堂),第6章が『自己表現力をつける英語の授業』(三省堂)です。そして,第7章が本書『生徒の間違いを減らす英語指導法 インテイク・リーディングのすすめ』(三省堂)です。それぞれ単著ですが,時間がある時にどれからでも目を通していただければ,私の考えている英語教育の全体像がわかっていただけるかと思います。

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