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『NEW CROWN BOOK 1 Lesson 7』(平成28年度版)─ 一人一台タブレットPCを活用した授業実践

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中学校英語

宮崎 洋人 (高崎市立倉渕中学校)

2021年03月15日

はじめに

 本単元は生徒がこれまで学習した英語を用いて自分の得意なことを紹介できるようになることを目指した実践である。本校では少人数校の特色を生かし、T1、T2、ALTの3人でのTTによる授業が普段から行われている。「群馬県英語4技能スキルアップ事業」の研究協力校として「聞く」「話す」「読む」「書く」の4技能をバランス良く育成するための学習活動について考え、単元計画を工夫してきた。また、産学官ICT連携事業の協力校としてタブレットPCを一人一台使える環境にあったため、英語科におけるタブレットPCの活用方法についても追究した。具体的には、思考ツールを活用した生徒の紹介内容の整理と、生徒同士がお互いの学習活動の成果を共有し合い、フィードバックしながら再構成していく2つの点を意識した。

 

単元計画(全13時間、本時は11時間目★)

① 試しの活動として自分の得意なことを紹介する英文を書く。
② GET Part 1の内容理解を通して助動詞canの肯定文の使用場面とのつながりや働きに気付く。
③ GET Part 2の内容理解を通して助動詞canの疑問文や否定文の使用場面とのつながりや働きに気付く。
④ ドリル的な言い換え練習を通して、助動詞canを用いた英文の特徴や決まりに関する事項を理解する。
⑤ USE Readを読み、限られた時間で必要な情報や概要、要点を捉え、内容に関する質問に答える。
⑥ 助動詞canを用いた英文の特徴や決まりに関する事項について、気付いたことをまとめる。
⑦ USE Speakを活用して会話をつなげる際に有効な表現を確認し、ある話題について英語で伝え合う。
⑧ 『Bridge』(文部科学省)の12・13を聞いたり読んだりして必要な情報や概要、要点を捉え、考えや感想を話して伝え合う。
⑨ 得意なことについて事実や自分の考え、気持ちなどを整理して紹介する際に有効な表現を確認する。
⑩ 思考ツールを用いて、自分の得意なことについて事実や考え、気持ちなどを整理し、紹介する英文を書く。
⑪★生徒同士でお互いの紹介文のよさを共有し、紹介文をよりよいものにする活動に取り組む。
⑫ 自分の得意なことについて、クラスメイトと伝え合う活動に取り組む。
⑬ ALTに自分の得意なことについて紹介したり、質問に答えたりする。(パフォーマンステスト)

本時の主な展開

(1) Small Talk
 本時では、『Bridge』の13で扱った「Super Robot」についての内容を発展させた活動を行った。まず、教師が生徒たちにそれぞれ考えたロボットについて、「できること」「できないこと」を含む情報を話して伝え、生徒に大まかな内容を考えさせた。続いて、タブレットPCを用いてそれぞれのロボットの紹介文を生徒に送信し、読んで詳細を理解するとともに、どのロボットが一番欲しいかについて、ペアで会話をさせた。ペアでの会話は、縦ペア・横ペア・ななめペアと3回実践させるとともに、相手を変える際に生徒が使っていた表現を教師が全体でフィードバックすることで、回数を重ねるごとに会話の内容に深まりをもたせ、より長いやりとりができるようにした。最後には、それぞれのロボットを選んだ代表生徒と提案した教師が英語で会話をして、全体で学んだことを共有できる場を設けた。以下は、ロボットの紹介文の例である。

 

  This is my special robot.  The name is  “期末の刃”.  It’s a study-check robot.  It supports your work or study for an hour.  It can make delicious rice balls.  If you work or study hard, it shows a special skill, “全集中・壱の型・おにぎり”.  And you can eat those rice balls.  You can work or study hard.
  But, please be careful.  It can use a sword well, too.  If you sleep or leave the seat, it shows another special skill, “全集中・弐の型・鬼切り”.  The sword can’t cut anything, but it’s very hard.  So, you can’t escape for an hour.

 
(2) 得意なことを紹介する英文をフィードバックする活動
 生徒たちは前時までに自分の得意なことを紹介する英文をワークシートに書き、タブレットPCのアプリ『ロイロノート・スクール』(株式会社LoiLo、以下「ロイロノート」)を活用して教師に提出をした。「ロイロノート」には思考ツールの機能が含まれており、生徒たちはその機能を活用して事実や考え、気持ちなどを整理してから英文を書いた。
 本時では、まず、お互いの英文を読み合い、内容面の工夫と表現上の工夫について考える時間をとった。近くの生徒同士で共有した後、学級全体でそのよさを確認し合った。その結果、「For exampleなどを用いて具体例を交えるとイメージしやすい」「andやbutなど接続詞を使うと読む人にわかりやすい」「firstやsecondなどがあるとまとまりがあって理解しやすい」などの意見が挙がった。その後、自分の英文に赤ペンで改善したいことを書き加え、再構成をした。
 以下の図は生徒が、「ロイロノート」の思考ツールを活用して作成した構想と、再構成を経て清書した紹介文である。(清書の用紙は『さくさくライティング 1』(浜島書店)の巻末の清書用紙を使用)

 

【生徒Aさんの構想と紹介文】

 

 

【生徒Bさんの構想と紹介文】

 

 

本単元におけるタブレットPCの活用

 本単元でタブレットPCを活用したのは、以下の通りである。

 

1時間目 試しの活動として書いた自分の得意なことを紹介する英文を写真に撮り、「ロイロノート」で教師に提出する。→教師は生徒の実態を把握するとともに、内容面のフィードバックを行う。
10時間目 思考ツールを用いて、自分の得意なことについて事実や考え、気持ちなどを整理する。それを基に、自分の得意なことを紹介する英文を写真に撮り、「ロイロノート」で教師に提出する。
11時間目 生徒たちがお互いの書いた英文を読み合い、内容面の工夫と表現上の工夫を共有する。そして、共有したことを踏まえて、自身の英文を赤ペンで加筆修正する。
12時間目 生徒同士がお互いにタブレットPCを使って発表の様子を撮影し、改善点を見つけて修正する。また、発表の音声を録音し、「ロイロノート」で教師に提出する。
→教師は発音や音の連結、強勢、イントネーションなどのフィードバックを行う。

 

 今後もより効果的な実践を求めて、日々研鑽していきたい。

 

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プロフィール

宮崎 洋人    みやざき・ひろと (高崎市立倉渕中学校)

高崎市立倉渕中学校教諭。平成16年度より群馬県で公立中学校教師として勤務を開始。平成30年4月より現職。勤務校では研修主任、英語主任、道徳教育推進教師等の分掌を務める。勤務校では「群馬の中学生英語4技能スキルアップ事業」の研究協力校の指定を受け、3年連続で県内の教師を対象に公開授業を行ってきた。

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