教科書Q&A

全体

  • NEW CROWNの編修方針(理念)は何ですか。
     英語教育を通して、確かな学力、国際社会に対応できる資質・能力と、豊かな人間性を育成することです。

    NEW CROWN が育てる4つの力
    ことばを使う力
     ことばを使うことは、思いを伝えること。ことばを使って理解し、表現し、伝え合いながら、実際のコミュニケーションで活用できる確かな英語力を育成します。

    他とかかわる力
     かかわることは、互いを認め合うこと。さまざまな人や文化などに触れながら、社会の多様性を理解し、かかわっていく力と、豊かな心を育成します。

    考える力
     考えることは、自分と向き合うこと。さまざまな活動を通して、目的や場面、状況に応じてコミュニケーションを図る力と、論理的・批判的に考える力を育成します。

    学びに向かう力
     学ぶことは、自分の可能性を広げること。多様な学び方を経験しながら、学ぶことを楽しむ心と、主体的・協働的に学ぶ力を育成します。
  • 表紙のコンセプトは何ですか。
     3年間の中学校生活で、さまざまな人や文化と出会い、新しい世界や社会を探求しながら学び、無限の可能性を秘めた未来へとはばたいてほしいという願いをこめました。

教科書の難易度・分量

  • 各学年の配当時数はどのようになっていますか。
     第1学年は97時間、第2学年は95時間、第3学年は93時間です。年間140時間の70%程度で終えられるようになっています。
  • 語彙はどのように選定していますか。
     CEFR-J(A1・A2)の語彙リスト、主要辞書のコーパス、中学校英語教科書、小学校英語教科書、学習者コーパスなどを分析して、掲載すべき語彙を精選し、小学校で学習したとみなす語彙(600~700語)と、中学校で学習する語彙(1,600~1,800語)を設定しています。
     また、学習指導要領では、生徒の発達段階に合わせて、理解に留める受容レベルの語彙と、活用を目指す発信レベルの語彙とを見極めながら指導することが求められています。NEW CROWNでは、小学校と中学校で学ぶ語彙に、発信語彙コーパスをかけ合わせ、小学校で学ぶ語彙のうち374語を、中学校で学ぶ語彙のうち622語を、中学生にとっての発信語彙として設定しています。
  • 語彙指導について工夫していることはありますか。
     側注のNew Wordsでは、中学校で学ぶ発信語彙(622語)を太字で示したり、小学校で学んだ発信語彙(374語)をNew Wordsの下に太字で示したりして、発信を目指すものと受容に留めるものとを分けて提示することで、軽重をつけながら語彙を学べるようになっています。なお、小学校で学んだ発信語彙(374語)は、すべて教科書の本文中で扱っています。
  • 文法事項や文構造の扱いについて工夫していることはありますか。
     2・3年のLesson 1を復習レッスンとすることで、1年と2年、2年と3年をスムーズにつなぎ、新しい学年の学習を始めることができるようになっています。特に3年では、Lesson 2で「現在完了進行形」の学習に入る前に、2年の最後に学んだ「現在完了形」をふり返ることで、使用場面や、意味と形の違いなどを比較しながら、理解を図ることができます。
  • 言語活動について工夫していることはありますか。
     従来の教科書で扱っている全ての言語活動について、配当時間や配置・配列、取り組みのプロセス等を見直し、新しい教科書で扱う言語活動を精選しました。また、各レッスンの目標となる言語活動(Goal Activity)は、レッスンごとに「発信」または「受容」の領域を選択し、それぞれに合わせて、レッスンを目標からバックワードでデザインすることで、Goal Activityに向かって段階的に学びを進めることができるようになっています。

教科書の構成

  • 新しい教科書はどのような構成になっていますか。
     従来のように練習と活用の段階を分けるのではなく、レッスンの序盤から言語活動(≒活用の段階)を取り入れ、両者を同時進行的に行うことで、練習と活用の相互作用によって、効果的に学ぶことができます。また、レッスンごとに「発信」または「受容」の領域を選択し、目標となる言語活動(Goal Activity)を設定しました。それぞれの領域に合わせたレッスン構成とすることで、とびらからゴールに向かって段階的に学びを進めることができるようになっています。
     これにより、新しいNEW CROWNでは、「まず使ってみる、そしてもっとうまくいくように練習する」とか、「習ったらすぐに使ってみる、使ってみてうまくいかなかったら練習する」というような、フレキシブルな学習スタイルを実現することができるようになっています。
  • PartのScene 1とScene 2はどのように扱えばよいですか。
     Scene 1, 2は、それぞれ目的や場面、状況などが明示されており、単元の学習のゴールとなる言語活動(Goal Activity)に向けた一連のストーリーになっています。また、Scene 1, 2で使われている語句・表現や文章構成などもGoal Activityで活用できるようになっています。

     Scene 1では、既習の言語材料を使った聞く活動を行います。無理のない十分なインプットから基本文を導入し、Exerciseの練習活動へとつなげます。また、Scene 2のストーリーへとスムーズにつながるように、題材や場面、状況の橋渡しをします。

     Scene 2では、Scene 1からつながるストーリーの展開や結末を、楽しみながら聞いたり、読んだりします。また、英文の概要や要点を捉えるListen & Readや、英文の内容を自分のことに結びつけて考え、表現するThink about Yourselfの活動につなげます。
  • Side Storyはどのように扱えばよいですか。
     Side Storyでは、PartのScene 1, 2で展開されたストーリーのこぼれ話や補完的なエピソードを取り上げています。Partとは場面が異なるサイドストーリーの展開や結末を楽しみながら聞いたり、読んだりします。また、自然な流れの会話から基本表現を取り上げ、Exerciseの練習活動へとつなげます。
  • Small Talk Plusはどのように扱えばよいですか。
     Small Talk Plusでは、各レッスンの題材に関連したテーマについて、ペアで対話を行いながら、会話を継続したり、深めたりするためのストラテジーやスキルを体系的に学ぶことができます。
  • Goal Activityはどのように扱えばよいですか。
     Goal Activityには、活動のメインが発信領域(書くこと/話すこと)のものと、受容領域(読むこと)のものがあります。それぞれの領域に合わせてレッスンを構成することで、Goal Activityで必要な「題材や場面設定」「語句や表現」「文章構成や展開」を段階的に学んだ上で、Goal Activityに取り組むことができるようになっています。

     発信領域のGoal Activityでは、構成を意識して文を組み立て、自分の考えや意見を書いたり、音声やデリバリーを工夫し、相手に伝わるように発表したりします。

     受容領域のGoal Activityでは、「説明文」「意見文」「物語文」の3つのジャンルの英文を読んで、その概要や要点を捉えます。また、読んだ内容を自分に結びつけて考え、書いたり、話したりします。

  • Projectはどのように扱えばよいですか。
     Projectは、第1学年に3回、第2学年に3回、第3学年に3回を配置しています。さまざまな領域や技能を統合した活動に取り組み、事実や自分の考えを整理して、話したり、書いたりします。
  • 2・3年のLesson 1はどのように扱えばよいですか。
     1年の初めに小学校と中学校の学びをつなぐ単元があるように、1年と2年、2年と3年をつなぐ単元を設けることで、よりスムーズに新しい学年の学習を進めることができます。特に3年においては、Lesson 2 で「現在完了進行形」の学習に入る前に、2年の最後に学んだ「現在完了形」を確認することで、意味や使用場面、形の違いに着目させながら、理解を図ることができます。

言語活動

  • リスニングはどのような配置・配列になっていますか。
     メインレッスンにPart(Scene 1、Exercise Listen、Listen & Read)を、サブレッスンにTake Action! Listenをそれぞれ設けています。

    Part:
     Scene 1では、LessonやPartで展開されるストーリーを楽しみながら聞いたり、英文の中からターゲットとなる基本文を取り出して明示的な理解へとつなげたりします。
     Exercise Listenでは、文脈のある短い会話や説明を聞いて、基本文の意味や形が理解できているかどうかを確認します。
     Listen & Readでは、Scene 2の英文を聞いたり、読んだりして、その要点や概要を捉えます。

    Take Action! Listen:
     第1学年に5回、第2学年に5回、第3学年に5回を配置。さまざまなジャンルのオーセンティックな英文を聞いて、目的や場面、状況に応じて、「聞き手が必要な情報」「話の全体的な内容(概要)」「話し手が伝えたいこと(要点)」を聞き取ります。
  • スピーキングはどのような配置・配列になっていますか。
     メインレッスンにPart(Small Talk、Exercise Talk / Speak、Think about Yourself)、Small Talk Plus、Goal Activity(Speak)を、サブレッスンにTake Action! Talkをそれぞれ設けています。
    Part:
     Small Talkでは、Part のテーマや題材に関連した身近な事柄について、持っている知識や、既習の言語材料を使ってペアで即興のやり取りを行います。
     Exercise Talk / Speakでは、Listenで聞いた文を参考に、基本文を活用してペアやグループでやり取りしたり、発表したりします。
     Think about Yourselfでは、Scene 1, 2の内容について感じたことや、自分に結びつけて考えたことを、2~3文で話したり、書いたりします。

    Small Talk Plus:
     レッスンの題材に関連したテーマについて、ペアで対話を行いながら、会話を継続したり、深めたりするためのストラテジーやスキルを体系的に学びます。

    Goal Activity(Speak):
     「話すこと[発表]」の領域に対応した、レッスンの目標となる言語活動です。音声やデリバリーなどの伝え方を工夫し、自分の考えや意見を、相手に伝わるように発表します。

    Take Action! Talk:
     第1学年に4回、第2学年に4回、第3学年に4回を配置。会話の場面と言語の働きを意識しながら即興でやり取りし、道案内などの特定の場面で目的を達成したり、簡単な話し合いを行って議論を深めたりします。
  • リーディングはどのような配置・配列になっていますか。
     メインレッスンにPart(Scene 2、Listen & Read)、Goal Activity(Read)を、サブレッスンにTake Action! Read、Reading Lessonをそれぞれ設けています。

    Part:
     Scene 2では、Scene 1 からつながるストーリーの展開や結末を楽しみながら聞いたり、英文を読んだりします。 Listen & Readでは、Scene 2の英文を聞いたり、読んだりして、その要点や概要を捉えます。

    Goal Activity(Read):
     「読むこと」の領域に対応した、レッスンの目標となる言語活動です。「説明文」「意見文」「物語文」の3つのジャンルの英文を読んで、その概要や要点を捉えます。

    Take Action! Read:
     第1学年に3回、第2学年に2回、第3学年に2回を配置。さまざまなジャンルやテキストタイプの英文から、条件や要望をもとに、必要な情報を読み取ります。 Reading Lesson:
     第1学年に2回、第2学年に3回、第3学年に3回を配置。文学作品や、社会的な話題の説明文などを読んで、ことばや文化への関心を高めたり、社会的な課題について考えたりします。
  • ライティングはどのような配置・配列になっていますか。
     メインレッスンにPart(Exercise Write、Think about Yourself)、Goal Activity(Write)を設けています。

    Part:
     Exercise Writeでは、TalkやSpeakでやり取りしたり、発表したりしたことを書き留めます。
     Think about Yourselfでは、Scene 1, 2の内容について感じたことや、自分に結びつけて考えたことを、2~3文で話したり、書いたりします。

    Goal Activity(Write):
     「書くこと」の領域に対応した、レッスンの目標となる言語活動です。構成を意識して内容を整理したり、「型」を参考に文章を組み立てたりして、自分の考えや意見を書きます。

小中連携

  • 小学校で学習した言語材料はどのように扱っていますか。
    語彙
    小学校で学習したとみなす語彙(600~700語)は、小学校外国語活動教材『Let’s Try!』、小学校英語教科書などを分析して、精選しました。そのうち、すべての中学生にとって、活用を目指す発信レベルの語彙は教科書の本文中で扱い、側注のNew Wordsに別枠で取り上げています。それ以外の語彙については、巻末資料「いろいろな単語」に掲載しています。

    表現(文法事項)
    小学校で学んだ表現は、1年冒頭のStarterとLesson 1~4の中で、ふり返りながら学習することができるようになっています。ただし、1年Lesson 4の I went to .... や Where do you want to go? については、小学校と同じような活動に取り組む程度にとどめ、1年Lesson 7で一般動詞の過去形を、2年Lesson 3でto不定詞を、それぞれ改めて学ぶことができるようになっています。
  • 小学校との連携について、工夫していることはありますか。
     小学校での学びを生かし、中学校での学びへとスムーズにつなげられるように、1年冒頭StarterとMy Dictionary、Lesson 1~4を小中連携パートとして位置づけています。ここでは、小学校と同じように、身近なことや日常的な話題について、英語を聞いたり、話したりすることから始め、小学校で学んだことをていねいにふり返ります。また、聞いたり、話したりしたことに関連する英文を読んだり、自分のことについて英語で書いたりすることで、段階的に中学校での学びにつなげられるようになっています。
  • StarterやMy Dictionaryはどのように扱えばよいですか。
     Starterでは、前半の1〜4で、ゲーム要素のある活動に取り組みながら、小学校で学んだ語句や表現を思い起こしたり、後半の5〜6で、小学校で学んだ英語の文字の読み方と書き方をふり返ったりします。これらの活動への取り組みの様子を観察することで、小学校での学びがどの程度身についているか、確認することができます。
     My Dictionaryは、小学校で学んだ語句や表現を収録した絵辞典になっています。Starterだけでなく、Lesson 1以降も継続的に活用することで、1年間を通して小学校で学んだ語句や表現の定着を図ることができます。

デジタル

  • デジタル教科書・教材のラインナップはどのようになっていますか。
     生徒用として「学習者用デジタル教科書」と「学習者用デジタル教材」を、教師用として「指導用デジタル教科書(教材)」をそれぞれご用意しています。
  • 教科書のQRコードでは、どのようなコンテンツが提供されていますか。
     QRコードから、次のようなコンテンツを活用することで、生徒一人一人の学習状況や興味や関心に応じて、個別最適な学びをサポートしています。
     ◯本文:音声、テキスト、写真やイラストなど
     ◯動画:題材の関連資料、文法解説、本文のアニメーションなど
     ◯練習:基本文のドリル、語句や表現、発音のチェックなど
     ◯資料:発音図鑑、英和辞典など
  • QRコードから使えるコンテンツは、学習者用デジタル教科書でも使えますか。
     はい。学習者用デジタル教科書では、紙面に付されたアイコンを使うことで、必要なコンテンツにすばやくアクセスし、活用することができます。

カリキュラム

  • どのように評価しますか。
     中学卒業時や学年ごとのCan-Doリストをもとに、Lessonごとに目標を設定し、目標を達成するために必要な言語材料と言語活動を配置するというように、教科書の構成や内容をバックワードでデザインしています。Lessonでは、目標となる言語活動(Goal Activity)に向かって段階的に学びを進め、「知識及び技能」と「思考力・判断力・表現力」を同時進行で育成できるようなっているため、学習のどのプロセスにおいても、「知識・技能」と「思考・判断・表現」の評価を行うことができます。
     しかし、Lessonを通して2つの観点を同じ比重で評価するわけではありません。文法事項などの言語材料の習得や小さめの言語活動に取り組むPartの評価では、「知識・技能」の比重が高く、「思考・判断・表現」の比重は低くなります。一方、言語の機能を活用して活動を行うSmall Talk Plusや、大きめの言語活動に取り組むGoal Activityの評価では、「知識・技能」の比重は低く、「思考・判断・表現」の比重が高くなります。
     Lesson外に配置されている、Take Action!、Reading Lesson、Projectの評価も、Goal Activityと同様に、「知識・技能」の比重が低く、「思考・判断・表現」の比重が高くなります。
  • 教科書に対応したCan-Doリストはありますか。
     Can-Doリストは、各学年の教科書巻末に掲載しています。また、年間指導計画用資料や、パート別の目標と評価基準例、ふり返りシート、定期テストに使えるリスニングやリーディングの素材などは、教師用指導書や「ことまな学校サポートサイト」でご提供します。
  • 二学期制に対応していますか。
     長期休暇は1年間に3回ありますので、その休暇を目安にそれぞれの単元を振り分けています。また、評価についても、単元での学習に合わせてパフォーマンステストを行うことができるようになっていますので、二学期制であっても問題なく取り組んでいただけます。
  • ラウンド制で指導することはできますか。
     ラウンド制の指導では、1年間の授業の中で、切り口を変えながら、1冊の教科書を5回くり返します。新しい教科書では、Scene 1, 2を設定したことで、教科書本文のストーリーがこれまで以上に味わい深く、豊かになっています。そのため、教科書本文を5回くり返すラウンド制の指導とも相性がよく、最後まで楽しみながら学ぶことができます。
  • ALTとのTeam Teachingにどのように対応していますか。
     教師用指導書に、教科書の言語材料を使ったアクティビティーワークシートを収録しています。英語での指示例が示されているため、ALT とのTeam Teaching にもご活用いただけます。また、教科書の言語活動であれば、Take Action! やSmall Talk Plus は各1 時間配当のため、Team Teaching の授業に取り入れやすくなっています。なお、『Teacher’s Book』(朱書)には、日本語の指示文を英訳したものを掲載しています。
  • 「個別最適な学び」には、どのように対応していますか。
     生徒が自分のペースで学習できるコンテンツを、QR コードや学習者用デジタル教科書で提供します。また、授業で学んだ文法事項を復習するときに使えるLanguage Focus、語彙や音読などの「学び方」を提案するFor Self-study など、学びをサポートする資料ページを充実させています。
  • 「協働的な学び」には、どのように対応していますか。
     Partでは、Small Talk、Exercise、Think about Yourselfと、ペアで伝え合う活動を基本とすることで、協働的に学習を進める土台作りができるようにしました。また、Goal ActivityやProject には、文章を書いてペアで交換し、感想を言ったり、アドバイスをしたりするようなステップを設けました。こうすることで、相手が書いた文章のよい点を見習ったり、留意点に気づくように促したりすることができます。
  • 自律的な学習者を育てるための工夫はありますか。
     巻末資料のCan-Doリストでは学年の学びについて、各単元のとびらではLessonでの学びについて、それぞれ見通しを立てることができます。特にLessonは、Goalに向かって段階的に学んでいく構成になっているので、生徒が自ら考えながら学習を進めことができるようになっています。
     また、わからないことを調べたり、学習をより深めたりできるように、教科書の巻末資料や、学習者用デジタル教科書など、一人一人の学び方に合わせたサポートを提供しています。

サポート

  • 指導書以外に、サポートはありますか。
     「教師用指導書」または「指導者用デジタル教科書(教材)」をご採用いただいた学校向けに、専用ウェブサイト「ことまな学校サポートサイト」をご用意しています。サポートサイトでは、デジタル教科書のアップデートのご案内に加えて、指導書付属データや、授業で活用できる素材をダウンロードすることができます。学校ごとに問い合わせフォームを用意してありますので、お気軽にお問い合わせください。
  • 移行措置資料はありますか。
     2024年秋頃にホームページにアップする予定です。

評価

  • 1つの単元で、すべての領域を評価する必要はありますか?
     NEW CROWNのレッスンには、「話すこと[発表]」「書くこと」「読むこと」いずれかのGoal Activity(単元の目標となる言語活動)が設定されていて、思考・判断・表現の評価はGoal Activityに準じた言語活動を通して行います。1単元につき1領域の思考・判断・表現の評価を行う設計ですので、Take Action! で評価する「聞くこと」などとあわせて、すべての領域の評価が揃うのは学期末になります。知識・技能の評価も、指導の直後にすぐ評価するのではなく、定期テストで総括評価するなど、総じて評価しすぎにならないよう留意しましょう。
  • 「流暢さ」はどの観点で評価するのでしょうか?
     「流暢さ」は「正確さ」と同様に、知識・技能になるでしょう。ただ、「流暢さ」をどう定義するかは問題です。発話の速度や不自然な沈黙の有無だと捉えられることがよくありますが、他にも文法、語彙、発音の適切さなど、話者間の理解しやすさに寄与するさまざまな要素が関わる、総合的な概念といえます。これらの「流暢さ」を指導目標とすることには意義がありますが、評価の際は、不自然な長い沈黙を避ける工夫をするなど、話者として協働的な様子を評価するのがよいでしょう。
  • 5つすべての領域で「知識・技能」をテストするのは大変です。何かよい方法はありますか?
     語彙や文法の知識は、必ずしも特定の技能に限定されるわけではありません。一方で、「技能」を切り離さず「生きて働く知識・技能」としてすべての領域で評価する方がよいというのも確かです。例えば、語彙や文法は、筆記テストの「聞くこと」「読むこと」「書くこと」のどの問題の中でも評価できます。音声であれば、授業中の音読活動を通して、長期的に観察・評価することができます。その場合、生徒が音読する中、先生が巡回しながら個々の発音の特徴を分析・指導し、評価します。
  • 語彙の知識は、単語テストで十分でしょうか?
     英語のつづりと意味を問う単語テストだけでは、音声知識や文中での使われ方など、「生きて働く」ための語彙知識を評価できているとは言えません。知識の不活性化問題(知っているけれど使えない)を招かぬよう、実際に発表させたり、聞かせたりしながら評価することが適切です。音声の評価は、音読活動を通して行うほか、パフォーマンステストの際に「思考・判断・表現」とあわせて「知識・技能」として評価することもできます。
  • 文法事項の「知識・技能」の定着が不十分な中で、言語活動を評価することに抵抗があります。
     文法エラーが多い発話ばかりのパフォーマンステストを経験すると教師も落胆するものですが、エラーだらけのパフォーマンスを「学習の結果」ではなく「学習のスタート」だと考えましょう。習いたての文法を使い始めたばかりです。大切なのは、エラーに気づいて、修正してリトライする機会を指導に組み込むことです。また、発話できない生徒には、タスクのレベルを下げると、発話できるようになる可能性があります。
  • パフォーマンステストはいつ行えばよいのでしょうか?
     単元末の言語活動が「書くこと」「話すこと」の場合は、単元を終えたタイミングでパフォーマンステストを行うことができます。その活動の目標に基づいて、類似のタスクを作成します。時間がかかる「やり取り」のテストは、生徒に十分なフィードバックをすれば、学期に一度程度で十分です。複数回できるようであれば、フィードバックを指導に生かすために、学期のはじめに実施するのもよいかもしれません。
  • パフォーマンステストは「内容面」を評価すると言いますが、具体的に何を評価したらよいのでしょうか?
     評価タスクを完遂するための「条件」を「内容面」と考えてください。つまり、「どんな場所やイベントか」「そこでできることは何か」を伝えられたか否かを「内容面」と捉えて評価します。目的や場面、状況に対して適切であれば、それ以上の内容の「質」を評価することはありません。なお、授業で調査活動などをさせて、その結果の発表を評価する場合はその限りではありません。
  • パフォーマンステストでは、単元で取り組んだことを評価するので、Cがつくことがほとんどないのですが、それでよいのでしょうか?
     指導の結果が生徒のパフォーマンスに成果として表れ、全員がB評価以上なのであれば、すばらしいことです。観点別絶対評価では、A,B, Cに一定数を割り振る必要はありません。ただし、大半の生徒がA評価になる場合は、指導目標や内容、B評価の基準(=評価規準)を見直すべきかもしれません。具体的には、評価の基本構成は変更せずに、話させたり、書かせたりする話題やテーマのレベルを少し難しいものにするなどが考えられます。
  • パフォーマンステストで「思考・判断・表現」の評価がCの生徒を、限られた時間の中でどのように支援すればよいでしょうか?

     「思考・判断・表現」の評価が「C、努力を要する」の場合は、

    • ①テスト結果を見直し、満たせなかった評価条件について、内容を修正させてリトライさせることが考えられます。
    • ②「知識・技能」が不十分で「思考・判断・表現」の条件を満たせない(課題が難しく英語力が追いつかない)場合は、身近な話題に変更するなど、課題のレベルを下げることも考えられます。

     いずれにせよ、「失敗」で終わらせない指導・支援のしくみを作りたいですね。

  • すでに「自己調整」できている生徒とそうでない生徒では、調整力の伸び幅が異なります。この2人の違いをどう評価したらよいでしょうか?
     「自己調整」は、生徒のふり返りの分析と教師の学習行動の観察を、評価基準に基づいて評価するので、各自の伸び幅の差は原則的に無関係です。主体性が著しく高まった生徒を高く評価したくなりますが、あくまで基準に基づき評価します。大半の生徒が基準を満たすようになれば、より高度な自己調整能力の育成を目指し、学習目標の設定、学習状況のモ=ターと調幣、成果のふり返りができるように支援することが考えられます。
  • 「主体的に学習に取り組む態度」は、「思考・判断・表現」と一体的に評価すると言われていますが、具体的にどのように「一体的」に評価するのでしょうか?
     パフオーマンステストは「思考・判断・表現」を評価しますが、その課題を完遂できれば、必要な「粘り強さ」「自己調整」があり、主体的学習ができたと解釈します。ただ、自己調整しても課題を完遂できない場合もありますが、その際は「ふり返り」の記述と生徒の行動観察を加味し、「思考・判断・表現」がCでも、主体性はBとすることができます。

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