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「CROWN Logic and Expression Ⅱ Lesson 1」を活用した授業実践

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高等学校英語

松井 海聖 (湘南学院高等学校)

2026年06月25日

1 はじめに

 本単元は、星野道夫が20歳のときにアラスカ州シシュマレフ市の市長へ送った手紙を題材に、希望・願望・依頼・許可の表現を学ぶものである。本実践では、単なる依頼表現の習得にとどまらず、「主体的に行動する姿勢(proactive mindset)」について考えさせることを大きなねらいとした。生徒にはオリジナルのワークシートを配付し、教員は同内容を整理したPowerPointを投影しながら授業を進めた。手元で書き込みながら思考を整理させることと、画面上で全体構造を示す提示を組み合わせることで、思考の流れを意識させることを重視した。

 

2 単元のねらい

①依頼・要請・許可の表現(would like to / I would appreciate it if ~ / Would you mind if ~ など)を実践的に使えるようにする。

②手紙の構成(Opening / Body / Closing)を理解し、論理的な文章構成を身につける。

③理由を明確にして自分の考えを英語で述べる力を養う。

④星野道夫の行動から「主体性(proactive mindset)」について考えさせる。

 

3 授業実践例【4時間構成】

【第1時】導入と本文理解

 教科書P.5のThink & Talkにおいて、「12歳の頃の夢」「今の夢」「海外に住むならどこか」といった問いを提示した。PowerPointで質問を示し、生徒はワークシートにメモを書きながらペアで対話を行った。正確さよりも発話量を重視し、would like to や I hope の表現を自然に用いるよう促した。

 その後、星野道夫の手紙を扱い、T/F問題やアウトライン整理を実施した。Opening / Body / Closing の構造をスライドで示し、依頼表現がどこに用いられているかを確認した。

 

【第2時】グラフ読解と依頼メール作成準備

 教科書P.7のDataにある20代の海外渡航者数の推移を示すグラフを扱った。PowerPointでグラフを投影し、まずDictationを行った。その後、「なぜ女性の渡航者が多くなったのか」と問いかけ、理由を考えさせた。

 グラフ読解では、事実を英語で表現するだけでなく、その背景理由まで考察させることで、「根拠に基づいて意見を述べる力」の育成を図った。本活動は、後半の人物評価ディスカッションへの足場として位置づけている。

 続いて、第3時につながる活動として依頼メール作成の準備を行った。「会ってみたい著名人」をテーマに、①自己紹介②依頼内容③理由④結語の順で構成することを、PowerPointのモデル文を用いて確認した。

 

【第3時】依頼メール作成

 「会ってみたい著名人」をテーマに依頼メールを作成した。いきなり完成文を書かせるのではなく、まずワークシートに構成メモを書かせ、その後パラグラフ化させた。段階を踏むことで、生徒は論理構成を意識しながら文章を書くことができた。

 Would it be possible to ~ や I would appreciate it if ~ など、丁寧さの度合いにも触れながら指導を行った。完成後はペアで読み合い、「自分が依頼される立場なら応じたいか」という観点でコメントさせたことで、理由の具体性や説得力に目を向ける姿勢が見られた。多くの生徒が構成を意識した文章を書くことができ、段階的に構造を示したことが論理的な文章作成につながったと考えられる。

 

【第4時】ディスカッションとまとめ

 “Was Hoshino proactive?” をテーマにグループで意見交換を行った。スライドで議論表現を示し、型を活用させながら発話を促した。意見のみで終わらせず、必ず理由を述べるよう指導したが、その場で意見を英語で組み立てることに難しさが見られ、発言はやや限定的であった。

 最後に、星野の人物像について80~100語でまとめを書かせたが、理由を具体化することに苦労する生徒も多かった。今後は、意見形成を支える語彙や接続表現の指導をさらに充実させる必要があると感じている。

 4時間の活動を通して、生徒は依頼表現を使う力だけでなく、「主体的に行動すること」の意味を英語で考える機会を得ることができた。

 

 

4 おわりに

 本単元で使用したPowerPoint資料およびワークシートは、教科書付属データとして提供されているものである。本文理解からグラフ読解、モデル提示、表現活動までが一連の流れとして整理されており、授業構成を視覚的に示しながら進めることができる点は非常に有効であった。

 特に、構造を明示したスライドは生徒の理解を助け、思考の整理やアウトプット活動への円滑な移行につながった。授業準備の負担軽減という点でも実用的であり、ICTを活用した授業展開において、使いやすく効果的な教材であると感じている。

 

【パワーポイントの一例】

 

【ワークシート例】

 

 

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プロフィール

松井 海聖    まつい・かいせい (湘南学院高等学校)

湘南学院高等学校英語科教諭。日本大学文理学部教育学科卒業。大学在学中にワーキングホリデー制度を利用してカナダ・バンクーバーに滞在し、現地のカフェでバリスタとして勤務した。帰国後、湘南学院高等学校に着任し、現在4年目を迎える。2025年度より英語科リーダーとして、英検指導を中心に実践的な英語運用能力の育成に取り組んでいる。

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