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英語で伝え合う楽しさを感じられる授業づくりを目指して

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小学校英語

川口 佐保 (東京都世田谷区内小学校)

2026年06月19日

1 はじめに

 今回紹介するのは、2025年度に勤務していた小学校での取り組みです。各学年3~4クラスあり、在籍児童685名の比較的大きな学校でした。2018年度から外国語専科教員が配置されています。外国語にも力を入れた区で、昨年度はALTが2名配置され、常勤1名(3~6年生を担当)、低学年担当1名(月2回勤務)が勤務していました。今回は、外国語専科として授業を担当していた6年生の授業について紹介いたします。

 

2 授業のながれ

(1)単元のねらい・達成のための手立て

 今回紹介する授業実践は、6年生の2学期の初めに学習したCROWN Jr.のLesson3「I went to the beach.」の単元です。ねらいは「夏休みにしたことについて伝え合う」ことなので、「夏休みにしたことを伝え合おう。【夏休みの思い出日記】」というゴールを設定しました。夏休みに自分が楽しんだことを伝える活動や友達がどんな夏休みを過ごしたのかについて聞く活動は児童にとって身近であり、関心が高いので、児童の伝え合いたいという意欲を大切にしながら、“What did you do this summer?” “I went to〜.” “I saw / ate / made / enjoyed〜. ”やこれまでの既習表現などを用いて、十分に言語材料や語彙に慣れ親しみ、友達と積極的に伝え合う活動を設定しました。その際、毎時間の友達と伝え合った内容を基に、少しずつ書く活動に取り組むようにしました。

 

単元のゴールを達成するための手立てとして、以下の二つのことを考えました。

①伝え合う活動の充実

 友達と積極的に伝え合う活動を行うために、児童一人ひとりが伝えたいことを表現できるような支援を考えました。具体的には、絵カードを活用し表現の例示を増やしたり、ALTとのデモンストレーションを適切に示したりすることです。My Dictionaryも活用しました。

 伝え合う活動を円滑に進めるためには、話し手だけでなく聞き手の存在も重要であると考えて、聞き手として、相手の話すことに対して反応することで、話し手が「伝わった!」という充実感を得られるような活動を目指しました。「相手の話すことに質問したり反応を返したりすること」については、日頃からSmall Talkを通して指導を行い、相手の話に反応するときに使えるフレーズを掲示して、いつでも確認できるようにしていました。

 

※イングリッシュルームに掲示していた反応や質問に使えるフレーズ一覧表

 

②ICTの活用

 本区は、クロームブックが児童に1人1台付与されており、外国語の学習でも活用し、オクリンクというアプリケーション(区で採用されている教育支援ソフト「ミライシード」の機能の一つ)を活用して、自分の伝えたいことを3文程度書く活動を行っていました。書いた英語の文章を基に、単元のまとめの学習として伝え合う活動を行っていましたが、オクリンク上のテンプレートに英語の文章を打ち込むことに、かなりの時間がかかってしまいます。

 そこで、本単元では、毎時間の伝え合う活動で友達に話したことを、その都度1文ずつ日記(オクリンク上で準備したテンプレート)に書き足していくことで、単元の終盤に思い出日記が完成するような学習計画を立案しました。下記のようなテンプレートを作成し、児童に配布していました。

 

 

(2)単元の指導について

 授業の初めにはChantsを聞き、授業の終わりの5分間はReflection Time(振り返り)を行っていました。また、単元を通して「伝え合うこと」を意識させました。伝え合うことをめあてとしている授業では、特に自分の話したいことを言うだけでなく、相手の話に反応したり、質問したりすることを意識するように指導し、レベルアップにつなげました。単元の終末のやり取りは次の通りです。

 

 

第1時 本単元の見通しをもつ・週末に行った場所を伝える。

 まずはSmall Talkを行い、ALTと外国語専科教員の夏休みについてのやり取りを聞くことで、本単元の導入を行いました。PanoramaやLet’s watch、Let’s Listenを聞いて夏休みについて伝える表現を確認してから、週末に行った場所を友達に伝える言語活動を行いました。

 

第2時 夏休みに行った場所を伝え合う。

 Let’s PlayでQuiz “Who am I?”を行い、ゲーム感覚でターゲットフレーズ(I went to~.)の練習を行いました。その後、Let’s Talkで夏休みに行った場所を伝え合い、伝え合ったことを夏休み日記の下書きメモに書き加えました。(単元を通して、クロームブックのアプリケーション上に【夏休み日記の下書きメモ】のテンプレートを作成し、そこに話したことを書き留めていく形をとりました。)

 

第3時 夏休みに食べたものを伝え合う。

 Let’s watch・Let’s Listenを聞いてターゲットフレーズ(I saw~. I ate~.など)を確認してから、夏休みに食べたものを伝え合う活動を行い、その後伝え合ったことを【夏休み日記の下書きメモ】に追加しました。言語活動では、次の3点に留意しました。

①夏らしい食べ物の絵カードを想定して作成しておき、必要に応じて黒板に掲示。My Dictionaryも活用する。

②食べたものを伝えるだけではなく、相手に質問したり、話に反応したりするデモンストレーションも見せる。

③相手に質問したり反応したりできていた児童をペア活動1の間に見つけておく。そしてペア活動1の後に、代表児童の実際のやり取りの様子をクラスのみんなで見て、児童による良いやり取りを全体で共有する。それを踏まえて、ペア活動2を行う。

 

 

※やり取りの例

★What did you do this summer?

☆I went to Osaka. I ate takoyaki.

★That’s nice!

☆What did you do this summer?

★I went to Karuizawa. I ate shaved ice.

☆I see.

 

第4時 夏休みにしたことを伝え合う。

 Let’s Playでは、通学路で見たものを伝え合い、ゲーム感覚でターゲットフレーズ(I saw~.)の練習を行いました。その後、Let’s Talkで夏休みにしたことを伝え合い、それを夏休み日記の下書きメモに書き加えました。(I saw~. I ate~. I made~.)

 

第5時 夏休みに楽しんだことを伝える。

 Let’s watch・Let’s Listenを聞いてターゲットフレーズ(I enjoyed~)を確認してから、夏休みに楽しんだことを伝え合う活動を行いました。

 

第6時 夏休みに楽しんだことを伝え合う。

 夏休みに楽しんだことを伝え合い、その後伝え合ったことを【夏休み日記の下書きメモ】に追加しました。第5時で伝えることは行っていたので、自分が話したいことを言うだけではなく、相手の話に反応したり、質問したりすることを意識させて取り組みました。

 

第7時 夏休みの思い出日記を完成させる。

 単元を通して書き溜めてきた【夏休み日記の下書きメモ】を基に、夏休みの思い出日記を完成させました。完成したら、日記を見せ合いながら友達に伝え合いました。後日【夏休みの日記】は印刷して、教室に掲示しました。

 

第8時 夏休みの思い出をALTの先生に伝える。

 パフォーマンステストとして、自分の夏休みについて、英語でALTの先生に伝えました。

 

3 おわりに

 夏休みという身近な話題だったため、こどもたちが興味をもって取り組めました。またオクリンクを活用することで、話す活動を書く活動にもつなげることができ、完成した【夏休みの思い出日記】を掲示することで、こどもたちの頑張りを可視化することもできました。英語で伝える楽しさを感じられる授業づくりを続けて、こどもたちと「できた!わかった!もっとやりたい!」を実現していきたいと思います。

 

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プロフィール

川口 佐保    かわぐち・さほ (東京都世田谷区内小学校 教諭)

東京都の小学校で担任・外国語専科教員として勤務。大田区内の小学校で外国語専科になり、3年生~6年生の指導を行う。現在は世田谷区内の小学校で5年生の担任として勤務し、教科担任制で学年の外国語の授業を担当している。

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