平井 孝記 (福生市立福生第一小学校)
2022年10月24日
福生市立福生第一小学校では、外国語の授業を「福生一小スタイル」として、
という流れを基本に行っています。学習内容や単元によって、メニューを取捨選択し、児童の実態に応じた指導を心掛けています。その中で、「4.ウォームアップ」と「6.アクティビティ①」で主に指導者用デジタル教科書(教材)を用いて学習を進めています。本稿では、主に教師が指導者用デジタル教科書(教材)を用いての活用についての報告をします。
2.指導者用デジタル教科書(教材)を活用した授業
Panoramaは「福生一小スタイル」の「4.ウォームアップ」で扱うことが多いです。授業で毎回行う帯の活動として、新しい単語を聞いて覚えたり、様々な英文を聞いたりします。ゲーム形式で行うことで、児童が楽しみながら外国語に親しむことができるよう意識して取り組んでいきたいです。
【Panoramaを用いたポインティングゲーム】
教師は、指導者用デジタル教科書(教材)のPanoramaを拡大してスクリーンに写し、Panorama Dialogの音声を聞かせます。児童は、教科書を開き、聞こえてきた言葉に合うイラストを指さします。その際、教師が意図的に違うところを指さすと、児童は「~という単語が聞こえてきたから違う。」と発言し、聞き取れた音声を自然と声に出そうとします。
答え合わせでは、PanoramaのSpotlight機能を用いて、場面を限定して示すことで、苦手さを感じている児童も見るべきイラストを焦点化して音声を聞き取ることができます。他にも、Panoramaは単語ごとに音声を聞くことも可能なので、意味の分からなかったものは、全体で確認し、リピートすることで習熟を図ることができます。また、ポインティングゲームをペアで行い、競争させることもあります。すると、児童は音声に集中し、少しでも単語を聞き取ろうとします。以上のように、Panoramaの機能を用いて、ゲーム性を取り入れながら学習を進めていくと、児童の発言を促したり、集中して単語を聞き取ろうとする姿勢を高めたりすることができます。
【Panoramaを用いたメモリーゲーム】
教師は、指導者用デジタル教科書(教材)のPanoramaを拡大してスクリーンに写します。児童も学習者用デジタル教科書のPanoramaを開きます。このメモリーゲームは、Panoramaに出てくる単語を習得していくことを目的に行っている活動です。Panoramaは単語ごとに音声を聞き取ることができるため、児童は気になる単語をタップして音声を聞いていきます。児童が一通り単語を聞き、全体でも単語の意味や正しい発音を確認した後、メモリーゲームを行います。
メモリーゲームはペアで行います。まず、どちらかの児童がPanoramaにある単語を指さしながら一つ言います。次にもう一方の児童は、前に友達が言った単語を指さししながら言い、次に自分が選んだ単語を同じく指さしをしながら言います。これをどちらかが間違えるまで何度も続けていくゲームです。Panoramaは、単語が分からなかった時に、タップすることで音声を確認できるので、単語の発音と意味を覚えることが苦手な児童も単語を確認しながらゲームに参加することができます。また、メモリーゲームという形で単語学習を行うことで、児童は一生懸命に単語を覚えようとし、1回でも多くメモリーゲームを続けようとするため、楽しみながら単語の練習をすることができます。
以下が実際のゲームな流れです。(CROWN Jr.6 STEP Lesson2 We have Children`s Day in May. より)
A:playground
B:playground, fireworks
A:playground, fireworks, community center
B:playground, fireworks, community center, sea
A:playground, fireworks, community center, sea…
【Listen&Talkを用いた予測して聞く活動】
リスニングの活動は、単調になりやすいため、児童の集中力を高めるためにも、どのようなことを話すのかをイラストから予測して聞く活動を行っています。教師は、指導者用デジタル教科書(教材)のListen&TalkのSpotlightを拡大してスクリーンに写し音声を聞かせます。Spotlightの『 A 』はPanorama Dialogでも聞いたことがある文章なので、多くの児童がどのようなことを言っているのかを聞き取ることができます。
次に、『 B 』のイラストの聞き取りを行います。その際に、ただ聞き取りを行うのではなく、どのようなことを言いそうかを予測させ、英語やカタカナを使って教科書の空いているスペースに考えを書かせます。それにより、児童は、実際にどのようなことを言うのか、予想と合っているのかを集中して聞きとろうとします。また、『 A 』には、単元を通して使いたいキーセンテンスが英語で書かれているため、そこから児童は予測することも可能です。答え合わせでは、Spotlightのテキスト表示機能を用いて確認します。他にも聞けた単語やフレーズがないかを確認し、ペン機能を用いて指導者用デジタル教科書に記入していくことで、得意な児童は発表することができ、苦手な児童はそこで確認することができます。
3.終わりに
外国語の授業では、児童が楽しみながら英語に親しむことができるよう、ゲーム性を取り入れた活動を多く行うことを意識しています。その中で、デジタル教科書を用いることによって、分からない言葉をすぐに確認することができたり、学びが深まったりすることができると感じます。まだまだデジタル教科書を使うことに挑戦している段階なため、今後も様々な場面で活用していくことで児童のよりよい学びへとつなげていきたいと考えています。
平井 孝記 ひらい・こうき (福生市立福生第一小学校)
外国語の授業では、児童が楽しみながら英語に親しむことができるよう、ゲーム性を取り入れた活動を多く行うことを意識しています。その中で、デジタル教科書を用いることによって、分からない言葉をすぐに確認することができたり、学びが深まったりすることができると感じます。まだまだデジタル教科書を使うことに挑戦している段階なため、今後も様々な場面で活用していくことで児童のよりよい学びへとつなげていきたいと考えています。
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