小林 哲也 (須坂市立小山小学校)
2022年03月15日
1.はじめに
長野県須坂市では2021年の1月より児童一人一人がタブレット端末を用いて学習をすることが可能となりました。また、同年4月には児童の端末に学習者用デジタル教材がインストールされ、学習者もデジタル教材を使える環境が整いました。しかしながら、導入当初は明確な使い方が見えておらずどのように扱ったらよいのか頭を悩ませていました。デジタル教材でできることは紹介しつつも使うかどうかは子ども任せになっている状況でした。そこで、まずは自分自身で操作してみて、使えそうだと思ったものを試しに取り入れて授業を行うという流れで活用の機会を作っていきました。その中で効果的だった6年生の活動をいくつか紹介させていただきます。同じく悩まれている先生方の授業作りの一助となれば幸いです。
2.パノラマを使った活動①
学習者用のデジタル教材では、画面をタッチすると英語の音声を聞くことができたり、ペン機能を使って印をつけたり書き込めたりします。Crown Jr.の特徴の一つであるパノラマは多くの子どもたちにとって楽しみの一つですが、特に単元のはじめは、どんなパノラマなのかワクワクしています。そのワクワクをさらに高めるために、単元の最初の時間にはタブレット端末でパノラマのページを開かせ、自分が気になるイラスト部分を確認したり、音声を聞かせたりします。子どもたちは、繰り返し音声を聞いたりイラストを拡大したりしながら、細部まで目を凝らして見ています。あらかじめ気になった部分に関して自分で確認しておくことで、パノラマトークを聞く際には予測しながら聞いています。
また、聞く際には聞こえた言葉に丸印をつけさせるようにしています。書き込む際のペンの色が数色あるので、聞くたびに色を変えることで今回新しく聞こえた言葉が何か分かり、自分の成長を確かめながら学習することができます。最近では、丸印をつけるだけでなく、聞こえた言葉をカタカナや英語を使ってメモをする児童も増えてきました。教師側としても、どの児童がどんな言葉を聞けているのかを確認できるため、児童の学びの度合いを知ることができます。年間を通して継続することで、聞く力が向上していることを教師だけでなく児童自身も実感できるようです。
3. パノラマを使った活動②
6年生のLesson4のパノラマは、動物園の中に、特徴のある様々な動物や人が描かれています。ものの様子や状態を表す表現を学ぶこのレッスンでは、単元末の子ども同士のやりとりでもパノラマを活用してみました。パノラマの一部を表示し、「あなたは動物園のガイドと初めて動物園に来たお客さんです。2人になったつもりで、動物園のおすすめの動物についてやりとりをしよう。」という課題を設定しました。
子どもたちの様子を見ていると、パノラマの写真を拡大したり、時折音声を流したりしながらやり取りを行っている様子が見られました。実際に子どもたちが話した内容を追ってみると、
A: No.1 animal?
B: No.1 animal is gorilla.
A: O.K. Why?
B: Strong! Head is big.
A: Oh! Head is big! Nice! ※一部抜粋して紹介
などと、紹介する動物を拡大して見せたり、ジェスチャーを取り入れたりしながら、2人の人物になりきってやりとりをしている様子が見られました。
このように、パノラマは具体的な目的・場面・状況が設定されているので、音声を聞くだけでなく、それを生かしながらやり取りなどの活動を設定することも可能だと思います。
4. コンテンツ機能の利用
最後に、コンテンツ機能を使った活動を紹介します。学習者用デジタル教材の中には、「コンテンツ」と呼ばれる、教科書紙面にも掲載されている活動をデジタル化したものが用意されています。先ほどと同じ、6年生のLesson4で実際に行った活動を紹介します。写真①のように、教科書では「①自分の身の回りのもので、次の言葉から思いつく物を書こう。」と指示されており、教科書を参考にしながら選んで書き写せるような活動が掲載されています。学習者用のコンテンツ機能を使うと、写真②のように画面上から自分で単語を選び、音声を確認したり移動させたりしながら繰り返し活動を行うことができます。個人ワーク、ペアワーク、全体での活動のように範囲を広げながら活動することを考えていたので有効的でした。いろいろな人と交流した後に、自分が選んだ物を教科書に書き写すようにしましたが、文字が4線上に書き表されていたので書き写す上でも効果的だったように思います。
写真①
写真②
5. 終わりに
外国語の授業では、聞きながらインプットをしていく機会がたくさんあります。受け身になりがちな聞く活動でも、聞く目的があると児童は主体的になることができると思います。さらには、自分の成長を実感することが出来れば、聞くことが一層楽しくなると思います。今回紹介させていただいたように、自分で興味のある言葉を聞いてみたり印をつけたり、メモしたりしながら聞いたりする場面では、タブレット端末が大活躍します。また、まだまだ有効的に活用できない場面も多いですが、コンテンツの機能を上手く活用することで子どもの学習が一層深まると思います。失敗したり思うようにいかなかったりすることも多々ありますが、試していきながらより良い活用法を探っていきたいと思います。
小林 哲也 こばやし・てつや (須坂市立小山小学校)
平成24年度より長野県公立小学校教諭として勤務を開始。平成29年度から在外派遣教員としてソウル日本人学校での勤務を経験。令和2年度より、小山小学校を本務校とし、兼務校3校(須坂小学校、日滝小学校、旭ヶ丘小学校)を合わせて市内4校に英語専科として勤務している。着任以前は専科の経験なし。専科としての取り組みの成果と課題について、令和2年度小学校英語教育学会にて実践発表。
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