
望月 敬幸 (静岡大学/静岡市立観山中学校)
2026年02月17日
1.この授業について
本単元(令和7年度版「現代の国語 2」第8単元)では、教材文に登場するオランウータン・ペンギン・エゾシカの三つの「例示」が、筆者の「主張」をどのように支えているのかを読み取り、その構造を自分の表現に生かすことをねらいとする。
生徒は、筆者が示した「楽しみと学びの場としての動物園を開園したい」という主張と例示の関係を理解したうえで、自分自身が新しい動物園を開園する立場に立ち、好きな動物をどのように展示するかを考える。
この学習は、主として、指導要領「読むこと ア」に示されている
・各段落や場面が文章全体の中で果たす役割を捉える
・具体例と主張との関係を考えながら内容を把握する
という資質・能力の育成を目指したものである。
2.評価規準
【知識・技能】
①意見と根拠、具体と抽象など、情報と情報の関係について理解する。(⑵ア)
【思考・判断・表現】
②文章全体と部分との関係に注意しながら、主張と例示の関係や登場人物の設定の仕方を捉える。(Cア)
③文章を読んで理解したことや考えたことを、自分の知識や経験と結び付け、考えを広げたり深めたりする。(Cオ)
【主体的に学習に取り組む態度】
④自分が選んだ動物の展示方法について考えたり、友だちに説明したりする活動を通して、例示が主張を支える効果について考えを深めている。
3.単元の流れ(※( )内は評価規準)
第1時(①②)
・単元の流れと目標の確認
〈資料A〉
・教師による範読
・難語句の確認
・初発の感想を書く
第2時(①②)
・文章全体の構成を捉える
・動物園の四つの役割について、筆者の考えを理解する
第3時(②)
・三つの事例の内容を理解し、それぞれの活動の意味を考える
・筆者の主張を読み取り、三つの例示が主張をどのように支えているかを理解する
第4・5時(②③④)
・自分の好きな動物を選び、動物園でどのように展示するかを考え、友だちに説明する
〈資料B-1・B-2〉〈資料C〉
・友だちとの説明・対話を通して、例示と主張の関係について考えを広げたり深めたりする
〈資料D〉
第6時(①②③)
・目標(評価規準)に基づいて単元全体を振り返る
〈資料E〉
4.資料について
〈資料A〉
単元導入時に使用する資料。リード文、目標(評価規準)、単元の流れを示す。
資料B-1、B-2〉
〈B-1〉は、動物を選び展示方法を考えるワークシート。
完成後、〈B-2〉の「寄付金集めの旅」を行う。生徒は〈B-2〉の後半(⑵以降)を1対1で説明し、寄付金を集める。1人から最大100万円、10人に説明して800万円集まれば開園できるという設定である。
〈B-1〉
〈B-2〉
〈資料C〉
生徒の作品例。クワガタ、クラゲ、カモノハシ、レッサーパンダなど、多様な動物が選ばれていた。
〈資料D〉
単元のはじめと終わりに感想を書かせ、学びの変容を生徒・授業者双方が確認できるようにしている。評価規準「主体的に学習に取り組む態度」にも関わる。
〈資料E〉
単元の最終振り返り。目標(評価規準)に照らして自分の学びを振り返り、「目標の実現を目指して学習してきた」という自覚を促す。
5.終わりに
本単元は、必要な力を育成することはもちろん、生徒も教師も楽しみながら学べる授業を目指して構成した。実践してみると、単元構成やワークシートの工夫など、改善の余地はまだ多くあると感じたが、今後も「楽しくて力がつく授業」を追求していきたい。
望月 敬幸 もちづき・たかゆき (静岡大学 非常勤講師/静岡市立観山中学校 非常勤講師)
中学校の国語科教師として長年教壇に立ってきた。現在は、中学校での授業で得たエッセンスを大学生に提供し、大学生から得た学びのヒントを中学生に還元することに努めている。

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