工藤洋路、津久井貴之
東京外国語大学、群馬大学
2026年03月04日
津久井
前回、「知的レベルと英語力のギャップ」の話をしたけど、同じ教室にいる生徒同士の英語力にもギャップってあると思うんだよね。
工藤
そうだね、リーディングだと、素材の難易度自体は変えられないから、読める生徒は読めるし、読めない生徒は読めなくて、差が如実に表れるよね。
津久井
そう。でも、スピーキングなら、英語力に差があったとしても、それぞれの生徒が参加しやすいかなと思うので、今日はその話をしてみたいな。
スピーキングなら差が埋めやすい
工藤
スピーキングの場合は、テキストのレベルが固定されているリーディングやリスニングと違って、生徒ひとりひとりが自分の経験や考えを英語で言うことでクラスに貢献できるよね。「こんな経験ある?」って問いかけに自分なりに答えられれば、英語力が低い子でも新しい視点を提供できるもんね。
津久井
そうそう。中1レベルの話し方だったとしても、「自分だったらこうする」と一生懸命話してくれれば、先生がうまく誘導して、全員が参加できる。先生が生徒の間に入る、まさに「橋渡し」役になれればいいね!
話したがらない生徒への対応
工藤
一方で、何にも話したがらない生徒も出てくる可能性はあるよね。ペーパーのテストはできるけど、発言はしない、っていう生徒。
津久井
いるいる。そういう場合、英語の授業だけで背負い込もうとしないことが大事かなって思うよ。多くの場合、そういう生徒は国語でも発言していなかったり、ホームルームでも他の生徒と関わろうとしていなかったり、って可能性がある。
工藤
トピックを変えれば話しやすくなる生徒であればトピックを変えてあげればいいし、次のレッスンに進んで話題が変われば話すようになるかもしれない。でも、モチベーションそのものが低かったり、授業で自分の意見を言うことに意義を感じていなかったりする場合には、根っこのところから耕していく必要があるから、時間はかかるよね。
津久井
そうだね。だけど、そういう生徒がいるからといって、英語の授業で話す活動をやめたり、活動をやらない言い訳にしたりしないことが大切だと思う。全体の前で話しにくい子には最初はノートや端末への書き込みの提出も認めるなどの逃げ道を用意してあげる個別支援が大事で、個別に合わせて全体を変えるのはよくないと思うよ。
工藤
英語力は高いけど自分の考えは言いたくない、っていう生徒なら、要約とかリテリングの活動の場面で活躍してもらうこともできるよね。自分の考えを言わなくていいから、心理的な負担が下がるかもしれない。授業の中で生徒に合わせてうまく組み合わせて実施することが大切だね。
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※この連載は、お二人のざっくばらんなおしゃべりを企画化したものであり、工藤先生・津久井先生の公式発表ではありません。 |
工藤洋路 くどう・ようじ 東京外国語大学、「NEW CROWN」編集委員
・1976年生まれ
・東京外国語大学外国語学部・同大学院博士前期課程・後期課程 修了(学術博士)
・日本女子大学附属高等学校教諭等を経て、現在東京外国語大学大学院総合国際学研究科教授
・趣味はランニング。出張先でのランが好き。大阪城周回、博多大濠公園、神戸みなとのもり公園でのランが特に好き。
・お気に入りのカフェメニューはプリンアラモード。
津久井貴之 つくい・たかゆき 群馬大学、「NEW CROWN」編集委員
・1974年生まれ
・群馬大学教育学部・同大学院修了
・群馬県内の公立中高一貫校やお茶の水女子大学附属高等学校教諭等を経て 、現在群馬大学共同教育学部講師
・趣味は朝の散歩後にレトルトカレーを食べること。
・お気に入りのカフェメニューは、ホットコーヒーとモンブラン。

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