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三省堂 英語ホーム > 高等学校英語 > 『三省堂高校英語教育』 > 2002年 秋号 題材と一人一人の生徒をつなぐもの(1)

三省堂高校英語教育 2002年秋号
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特集「新しい教科書を用いた授業」VISTA English Series I
Lesson 4 Wind--A‘New’Power 題材と一人一人の生徒をつなぐもの

東京都立豊島高等学校
   福田正治

はじめに
 今回の学習指導要領改定の目玉は「実践的コミュニケーション能力の育成」です。そこで『VISTA English Series I』では、言語材料の提示に際しては、多様な「言語の使用場面と働き」の明確化と、「コミュニケーションのための4技能の統合」を意識して、生徒を情報の授受の主体として位置づけることを重視しました。テキストのシチュエーションを明確にすると同時に、それに基づいて生徒にコミュニケーション活動を行わせる場合にも、生徒に、何を、なぜ、いかに述べるのかという主体的意識を持たせるというねらいです。

 しかしながら、というか、だからこそ、依然として授業の成否を握る2本の柱は、題材(読むに値するメッセージ性)と、文法・文型(きちんと学びやすく配置されている)である、という点を再確認もしました。

 現場で教師は雑多な校務に追われ、多忙な毎日を送っています。職員室ではもう少し落ち着いて教材研究に取り組めたらどんなにいいだろうか、教室ではコミュニケーション活動がいかに成り立ちにくいか、と困難に満ちた状況と日々苦闘しておいでの先生方が大勢いらっしゃる。そんな先生方の一助になればと今回、教師用指導書を充実させました。

 本稿では、Lesson 4 Wind−A ‘New’ Power の授業展開の一例をお示ししますが、その際、今回5分冊+1CD-ROM に充実した教師用指導書、及び、新たなコンセプトで内容を一新した生徒用ワークブックなどの内容紹介とご利用方法なども併せてお示しします。1時限ごとの授業展開は指導書第3分冊『授業案集』に詳しく掲げてあるので、ここでは本課数時限分をまとめて、授業の組み立て要素をご紹介します。

 意義ある題材と文法の基礎を重視し、コミュニケーションの担い手として生徒に主体性を持たせて展開される授業の構成要素は、@題材に対する興味を呼び覚まし、予備知識を与え問題意識を喚起する導入、A本文を情報の発信者の意図をくみ取りながら理解する、つまり、何が言われているかだけでなく、なぜ、いかに言われているかをくみ取ろうとする主体的本文理解、B文型・文法を、運用力はもちろん、正しい言語直感に導かれるような認識レベルでの文法力の修得を促して、コミュニケーション能力の基礎とする活動、C読み取った内容について自分なりの意見や考えを持ち、獲得した文法知識を運用して、主体性をもって展開するコミュニケーション活動、以上の4大項目です。

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