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| @ | A: Mommy! I want to eat lunch! I'm hungry. I'm hungry! B: Oh.... OK. I will go shopping to supermarket soon. C: Are there any supermarket in Alaska? |
| A | A: The people call us "Nanook." B: What it mean? C: Its means the king of the ice. |
| B | A: Look! Mr. Hoshino bring some hot cocoa. B: I want something hot to drink. C: I'm very cold. |
| C | A: Look! That's a nice cameraman. His name is Hoshino Michio. B: Oh, really? What a surprise to meet you here! C: Let's pose for a picture! Hi, Cheese. |
@では,「アラスカにスーパーなんてあるの?」というオチがつけられていて,笑いを誘います。Aでは,Section 3の内容が盛り込まれていて,授業で読んだことがアウトプットにつながっていることが窺えます。B,Cには,星野道夫さんが登場していて,生徒が本文との関連を意識しながらも,creativityを発揮しています。私は,これらの作品(もちろん吹き出しに手書きのままのもの)を何点か印刷して生徒に配り,“Which do you like best? Talk in your group and choose the best one. You need to give a reason why you chose it.”と投げかけます。
上の@〜Cをご覧になってお気づきの通り,これらの作品には文法等の誤りが含まれています。しかし,私はあえてその誤りを指摘することはせずに,このようなグループワークをさせました。すると,生徒の関心は自ずと,表現の正確さではなく,対話の内容,とくにoriginalityやcreativityといった「おもしろさ」に向けられていきます。このように,生徒が自分のアイデアを自由に表現し,それをまわりの生徒が評価するという活動が,これからの英語指導には重要な役割を果たすのではないでしょうか。
昨年の3年生に対してですが,次のようなことを行いました。THE DAILY YOMIURIの“Featuring Translations”に「写真家・星野道夫さんの死 妻は受け入れた」(読売新聞2006年4月23日付)の翻訳が掲載されているのを見つけました。当時,3年生に新聞記事を読ませることを実践していたので,“Do you remember Hoshino Michio?” “Do you know he was killed?” “Who do you think killed Mr. Hoshino?” “Where do you think he was killed?” “Do you know if he had a family?”などと質問を投げかけ,簡単なbrainstormingをしてからその記事を読ませました。一文ずつを日本語訳するなどという,野暮なことはしません。brainstormingで自分が考えたことが当たっているかどうかを確認させ,さらに星野氏の夫人の思いを読みとらせました。全文の意味は,読売新聞の日本語記事があるのですから,それを配布すればすべて解決です。
本校では2年生から3年生にかけてparagraph writingやessay writingを行っています。この記事を読んだあとも,“What I've learned from the article about Mr. Hoshino and his wife.”というタイトルで書いた作品をグループ内で回し読みをしました。また,数点を印刷して配ったりして,読者を意識したライティングに取り組ませています。このように,1年次に読んだレッスンが3年次になってまた使える,ということもあるのです。‘Life in Alaska’はこれからも生徒の心に残り続けるレッスンの一つであることを期待したいと思います。
最後に,考査問題について触れます。本校ではオーラルコミュニケーションはもちろん,英語 Iでも定期考査の時にリスニングテストを行っています。以下は,今年度1学期の中間考査で,実際に出題したリスニングテストのスクリプトです。
英語の授業で,アキ(Aki)さんが将来の夢についてスピーチをしたあとに,他の生徒が質問をします。その英文を聞いて答えなさい。
I want to be a photographer like Hoshino Michio in the future. He is my favorite photographer. Look at this book. It has a lot of pictures he took in Alaska. Aren't they beautiful? When I saw them for the first time, they really changed me. I was so moved that I couldn't express my feelings. From these pictures we can learn that beautiful nature is very important to us.
| Satty : | What else do Mr. Hoshino's pictures teach you? | |
| Aki : | They teach me what to do first. | |
| Satty : | What do you mean? | |
| Aki : | To become a good photographer, the first thing you have to do is love nature. I learned that from Mr. Hoshino's pictures. | |
| Satty : | Oh, I see. | |
| Katherine : | I know Mr. Hoshino was killed by a bear. | |
| Aki : | Yes. He was killed in Russia in 1996. A bear attacked him when he was in his tent. That is a sad story. | |
| Katherine : | Living with nature is sometimes dangerous. Do you still want to be a photographer? | |
| Aki : | Yes. I believe we will be able to communicate with wild animals if we live with the nature. I'll never change my mind. |
教科書の内容と関連していながら,全く同じ英文ではない,しかも新しい情報を含んだものを,考査では読ませたり聞かせたりして,必要な情報を読みとったり聞きとったりするスキルを見るべきだと思います。このような問題を作成するにはかなりの時間と労力を要しますが,生徒に“Be creative!”と奨励している以上,私たちもその姿勢を示さなければなりません。
EXCEEDは確かにやさしめの教科書かもしれません。だからこそ,生徒も教師もcreativityを発揮し,「楽しい」授業を可能にしてくれる教科書だと思います。
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山内 悟 (やまうち さとる)
1987年〜 福井県立羽水高等学校 教諭
1996年〜 福井県立勝山高等学校 教諭
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| 英語教育リレーコラム第9回 |
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