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現在のページ 三省堂 英語ホーム > 英語教育コラム > 英語教育リレーコラム > [2] 「中学校の英語教育への提言」(高校)

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中学校の英語教育への提言 ──何を期待するか(2)

林 正太(東京学芸大学附属高等学校)

 

大切にしたいこと
── それは音読と暗唱、そして教材をふくらませることより定着させること ──


 高等学校で英語を教える立場になって6年。中学の英語教育に望むことがある。そのいくつかを述べてみたいと思う。

[音読と暗唱の意義]

 音読と暗唱は、内容が聞いている人にわかるように読むこと、あるいは言うことが基本。音読は読解・聴解と同様に、表現の論理を英語の論理のつながりのまま読み取る活動を伴っているから、リーディングの能力を高めていく。音読さらには暗唱が、スピーキングの能力の養成に関わっていく。音読は文字と音声を結びつけた活動であるから、ライティングの能力の養成に影響してくる。音読や暗唱は、自分の声をモニターするから、リスニングの能力を高めていく。音読や暗唱は、聞かせる相手を意識するから、コミュニケーション能力をも育てていく。

 このように音声は学習の基本であり、中学校の入門期だけでなく、どの段階でも有効な外国語学習の鉄則である。また、文体感覚を感得する学習としても極めて有効である。また、声を出して英語の文や文章を読んでみると、意味がわからないところでは必ずつかえてしまう。逆に声を出して読んでいてつかえた箇所は、内容がつかめていないところと言えるだろう。まずは音読こそが教材を定着させる得策である。

 「読書百遍、意おのずから通ず。」と言われていたことがよみがえってくる。この百遍とは熟読という意味であるが、古くからの勉強方法では音読がおこなわれてきた。声を出すことで、黙読では見逃してしまう過ちを自分の耳がチェックしてくれる。したがって、音読には自分の注意力を強化する働きもある。

[書くことの意義]

 「読むことは人を豊かにし、話し合うことは人を機敏にし、書くことは人を確かにする。」これらの技能の組み合わせは、確実な力をつける三種の神器であると思う。よく教材を読み(音読し暗唱し)、書く力をつけ、人とコミュニケーションを図っていく。これが言語を習得していくための鉄則であるとつくづく思う。教材を文化的背景を中心にふくらませることも、題材理解を深め、国際理解につながっていく側面は確かにある。しかしそのことに気をとられ、題材の定着のトレーニングを生徒任せの自宅学習に知らず知らずのうちに頼っていた時期を、今は少々苦々しく思っている。

[読み方の確認]

 英語の文を速く読み取るには、前提として次のような読み方を常に心がける必要がある。

A: Being / able / to / read / by / phrases / instead / of / by / single / words /
increases / your / reading / speed.
B: Being able to read / by phrases / instead of by single words /
increases your reading speed.

 Aは単語を一語ずつ読んでいるが、Bはセンスグループ(意味のまとまり)ごとに読んでいる。Aは一度読んだ箇所にまた戻ることがあるが、Bはポイントからポイントへ一定のリズムで読み進む。センスグループごとに読むための約束を知ることが、読む楽しさにつながると思って指導している。

 中学教師から高校教師になって数年が過ぎ去っている。こころに留めていることを視覚化してみた。「小学校には『人』を通しての教育があり、中学校には『生活』を通しての教育があり、高校には『教科』を通しての教育がある。」と、生徒と接していて思う。

林 正太(はやし しょうた)

東京都区立中学(品川区、新宿区)で中学教師として出発し、その後、東京学芸大学附属竹早中学に勤務。在職中に海外教育施設パナマ日本人学校に勤務。帰国後、再び竹早中学校に在籍する傍ら、東京学芸大学の非常勤講師として国際理解教育の講義を3年間担当。その後、現在の附属高校に勤務。英語教育の中でおこなう開発教育を主なテーマとしてJICAの教師派遣でフィリピンとサモアに研修視察の経験にも恵まれ現在に至る。

英語教育リレーコラム第2回
中学校の英語教育への提言─何を期待するか
中学校の英語教育への提言 ─何を期待するか(1) 佐藤 令子 (2005年4月11日更新)
中学校の英語教育への提言 ─何を期待するか(2) 林 正太  (2005年5月9日更新)
中学校の英語教育への提言 ─何を期待するか(3) 重松 靖  (2005年6月6日更新)

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