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関西大学 斎藤栄二 |
4. の進め方
◆ラウンド2のねらい:「正確に読ませる」
ラウンド1を1年間継続してやらせただけでも、文章の概略を読み取る力は大幅に伸びる。しかも読むスピードもあがる。しかしながら、さらに正確に読ませたいと思った場合にはラウンド2のやり方に入る。
◆具体例:ハンドアウト2参照
(1)
( )の中に教科書本文を見ながら適当な 訳語を入れさせる。ねらいはラウンド1で読ませた英文を、更に正確に理解させるためである。制限時間は1分以内(教科書の1頁全体を対象とするときは3分以内)。
(2)
気を付けなければならないことがある。( )の数を多くしすぎると、それはすなわち英文和訳に近づいていく。英文和訳をさせることが目的ではない。目的は( )に訳語を入れさせることによって、その英文理解の時間の短縮を図り、なおかつ正確な理解を定着させることである。
(3)
これは筆者が『英文和訳から直読直解への指導』(研究社)のなかで示した「穴埋め方式」である(詳しく知りたい方はそちらの方を参照願いたい)。どこを( )にするかということについては、そのページの新出単語のところ、というのが効果的である。
(4)
例として挙げた英文は易しめのものを選んである。例文の難易度が上がると、この「穴埋め方式」はさらに力を発揮することをご理解願いたい。
(5)
ラウンド1、ラウンド2、ラウンド3のハンドアウトを一緒に綴じて渡すようなことをしてはいけない。綴じてあると最初にラウンド2を読めば内容が全部分かってしまうからである。ハンドアウトは一つの作業が終わるごとに、次のラウンドのものを渡すようにする。
ハンドアウト2
次の( )の中に適当な訳語を入れなさい。
1990年8月27日、北海道庁の(1 )で突然に電話が(2 )。宮田さんがたまたまその電話をとりました。その電話はソ連のサハリンを訪れていたある日本人旅行者からでした。その人は(3 )声で「コンスタンチンという3歳の男の子が死に直面しています。どうか助けてやってください。」と言いました。
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