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Oral Communication I


拓殖大学 長尾素子
2.授業展開
各レッスンは、KEY EXPRESSIONS、LISTENING、COMMUNICATION、CHALLENGE の4部構成になっています。各セクションは段階的になっており、セクションが進むごとに発展的な活動ができるようになっています。あるセクションで行き詰まった場合は1つ前のセクション、または
KEY EXPRESSIONS に戻って復習することで簡単につまづきを取り除くことができます。
以下は具体的な教科書の内容と授業展開例です。
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導入
指導書の各レッスンに導入例をつけています。これから学ぶレッスンがどのようなトピックなのか、生徒に関心をもたせる工夫をすることが望ましいでしょう。例えば、レッスン1では、初めて会ったクラスメートとどのような会話をしたか、生徒に思い出させそれを英語ではどのように表現するのだろうか、といった導入方法が考えられるでしょう。また、日本語と英語では初対面の相手に訊ねてもよいこと、いけないことなどのコミュニケーション・ルールにも違いがあることなどを考えさせてもよいでしょう。各レッスンには、文化の違いを述べたひとくちコラムがありますから、それを利用してもかまいません。
(2) KEY EXPRESSIONS
各レッスンのトピックに関連した基本表現が KEY EXPRESSIONS として3〜4組最初に提示されています。授業展開する中で、何度も出てくる表現なので、無理なく自然に覚えられるように工夫されています。ここでは、何度か繰り返し練習し、文全体の意味をつかんでおくことが大切です。音声教材を使用して、スローからナチュラルスピードで言えるようになるとよいでしょう。
CHECK
は、KEY EXPRESSIONS が聞き取れるか、意味がわかっているか、聞かれたことの答えがわかっているかを確認するためのものです。ここで間違えた場合は、KEY
EXPRESSIONS の表現を何度も復習することが大切です。POINTS と SOUNDS では、KEY EXPRESSIONS の表現を使って、文法と発音などの知識を身に付けます。オーラル・コミュニケーションに必要な最低限の知識であり、あまり高度な文法事項や音声は扱っていません。
(3) LISTENING
このセクションでは、KEY EXPRESSIONS の表現を使って表や図の中から的確な答えを見つける作業をさせます。実際の会話では、まず相手は何を聞いているのかを理解し、その次に的確な答えを準備する必要があります。その練習をこのセクションで行います。
まず、WARM-UP
では、次の LISTENING に出てくる語彙に慣れるために、音声で聞こえてきた語句の番号を選んで表に書き込みます。LISTENING 活動をスムーズに効果的に行うための準備なので、語句の意味と音をしっかり学ばせることが大切です。指導書には、語句の解説をつけています。例えば、rock
music を説明する際には、単に「ロック音楽という意味だ」と伝えるより、「rock music の rock には揺れ動くという意味があり、身体を揺り動かすようなリズムのある音楽ということから
rock music というんだよ」などと、解説例を利用して説明に膨らみを持たせることができます。使用例や別の言い方、文化的な違いなどにも言及しています。
WARM-UP で語句に慣れたら、次の LISTENING では KEY EXPRESSIONS
を用いた対話文を聞いて正しい答えを見つける練習をします。スロー、ナチュラルの2種類のスピードの音声を用意しているので、生徒のレベルに合わせて使用して下さい。また、補充音声(ナチュラルスピードのみ)もありますので、別のクラスでは異なる音声を使用したり、小テストを行ったりすることも可能です。標準音声、補充音声1・2の計3種類、及びレッスンテスト用の音声、と豊富に音声教材を用意しましたので、飽きることなく授業展開が可能です。

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