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三省堂 英語ホーム > 高等学校英語 > 『三省堂高校英語教育』 > 2002年 秋号 伝統と個性について考える(4)

三省堂高校英語教育 2002年秋号
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特集「新しい教科書を用いた授業」EXCEED English Series I
Lesson 3 Tsugaru-jamisen and the Yoshida Brothers 伝統と個性について考える

埼玉県立狭山経済高等学校 飯野 厚

4.授業を通してリスニング力の育成
 いよいよ大学入試センター試験にリスニング問題が導入される方針が固まりつつあるようである。リスニング力の育成にはどのような指導技術が有効なのだろうか。

 聞き取りの苦手な生徒の多くは、音の解析(decoding)に力を使い果たしてしまい、頭の中で音が文字に変換されているだけで、意味や絵としてイメージができていない状況に陥ることがままあるようだ。音と絵(意味)の間にある decoding というパイプを通りやすくするため、有効な指導法としては、音読、そしてディクテーションである。いずれも注意深く音声に耳を傾けることを前提とした活動である。音読においては、コーラス読みはもとより、センスグループ(チャンク)ごとのリピーティング(CD/テープにモデル音声あり)、テキストを見ながらモデルの音を聞いたそばから発声するパラレルリーディング(自然な速度での収録モデル音声を利用)、モデルの音を聞いたそばから発声するシャドーイングなどまで含む。ディクテーションに関して、『EXCEED English Series I』では It’s Up to You や Listen & Write のコーナーで重点を置いており、適宜とりいれられたい。

 なお、リスニングの上達の秘訣はなんといっても、分かりたいという強い動機(目的)をもって聞き続ける経験である。『EXCEED English Series I』には英文を聞いて T-F で答える問題が全レッスンの内容理解確認コーナー Check It Out に付されている。これ以外に、本課本文とは別仕立てで Listen & Speak も設けられている。題材そのものの力に加え、生徒の興味・関心や問題意識に火をつけ、聞き取りたいと思わせるような授業展開が題材を生かす鍵となる。

5.むすびに
 外国語学習という膨大な時間と労力を要する作業には、心の内面からわき上がる強い動機付けと、自主性が不可欠である。『EXCEED English Series I』や補助教材を利用して、それぞれの活動が外国語学習のどの部分を強化しているのかを意識的に教示し、主体的な学習を支援するとともに、題材の強さを生かし、高校生の外国語学習への動機づけが高まり、人間的な伸張が図られることを期待している。

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