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三省堂 英語ホーム > 高等学校英語 > 『三省堂高校英語教育』 > 2002年 秋号 伝統と個性について考える(2)

三省堂高校英語教育 2002年秋号
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特集「新しい教科書を用いた授業」EXCEED English Series I
Lesson 3 Tsugaru-jamisen and the Yoshida Brothers 伝統と個性について考える

埼玉県立狭山経済高等学校 飯野 厚

3.展開事例 
 題材として、第3課 Tsugaru-jamisen and the Yoshida Brothers を用いる。

 この課は津軽三味線という日本の伝統芸能、多くの若者にとっては国内異文化とも呼べる存在と吉田兄弟という若者の接点を紹介している。生徒の音楽にたいする興味・関心を利用し、国や地域固有の伝統文化が国境を越えて受け入れられる普遍性と国際性をもっている点、吉田兄弟の個性を知り、自分の生き方に照らし合わせることにも発展させたい。

(1) 本文を読む前の活動:オーラル・イントロダクション(インターアクション)
 各課最初のページは、「このように導入すべき」といった既製のプリ・リーディング活動がない。例えば本課では、Tsugaru-jamisen and the Yoshida Brothers という英語のタイトルと、吉田兄弟の2人が三味線の練習をしている光景の写真、それに4行の短い日本語の解説だけである。教師が生徒の実態に合わせて活動を考える自由度があるととらえたい。三味線に興味もなく、吉田兄弟も知らないという生徒が対象だったとき、題材に心を誘うためには、どんな活動が考えられるだろうか。単純に「吉田兄弟について読みましょう」という代わりに、教師のオーラル・イントロダクションで切り込みたい。

 オーラル・イントロダクションのコツは、これから読む英文そのものの内容を話してしまわず、登場する事象に関する背景情報、解説、本課本文中のキーワードなどを与えることである。show & tell の技法で視聴覚的補助教材を用いて、学習者を聞くことにひきつけながら、内容にもひきつけることがねらいである。表現の中に、対話形式や教師の個人的なエピソードなどを盛り込むと更に効果的である。漫然と聞かせるだけにとどまらず、メモをとらせたり、発問を与えておくと集中力が高まる。以下に例を示す。

(注:以下は一例である。内容に関しては教師用指導書の第2分冊『題材資料』編を参照。別の導入例は教師用指導書第1分冊『解説と指導』編、及び指導用 CD/テープに収録されているので、参照されたい。)
 Have you ever played any musical instrument? I have only played the Japanese drum and the pipe when I was in an elementary school marching band. Please listen to this music for the moment (playing the music of the Yoshida Brothers).
 What kind of instrument did you listen to? Yes, Shamisen. As a matter of fact, this is called Tsugaru-jamisen, which is originated in Tsugaru region in Aomori Prefecture. Do you think Tsugaru-jamisen sounds old or out of fashion or what?
For me it sounded new and exciting because I have never listened to Tsugaru-jamisen so closely. And I felt the sound has a kind of meaning. Do you know who plays this? Now look at this picture (showing a multiplied picture of the Yoshidas). Who are these two guys? Yes, the Yoshida Brothers. Now let’s learn about them.

(2) 1時限1セクションの扱い方
 表(次ページ | |)を参照されたい。
 メインレッスンの扱い方は、全文を一気に読む活動を繰り返し行う案なども提唱されているが、小論ではスタンダードな形式である1セクション1時限の例を紹介する。指導内容と教科書が具現化している活動、補助教材で補っている活動、それ以外に考えられる活動を表に示した。

 表(次ページ | |)で、教科書でできる活動の欄が空欄となっている指導箇所は、授業の場において教師に任されている部分ととらえてよい。もちろん、最右列のような高校現場の実情に応じた独自の活動を、教科書および副教材が提供する既製の活動も含めた選択肢の中から、適宜取捨して実行することとなろう。また、予習や復習の取り入れ方も同様である。

(3) 大切にしたい読解後の活動と家庭学習
 吉田兄弟に関して1セクションごとに授業で扱った部分を家に帰ってもう一度読み返させたい。漫然と読み返すのではなく、センスグループ毎に音読してみる、センスグループ毎に和訳を言ってみる、文型の判断をしてみる、要約文を書いてみる、教科書のレッスンの最後にある It’s Up to You を利用して、感想や考えを一文で書いてみる(言ってみる)など様々な課題が考えられる。

 たとえば吉田兄弟についての第1セクションに関する質問文を1つ作るように指示した場合、生徒たちは質問作りを課題としてより深く読みこむことになる。質問を作るからには答えることが必要になるので、作ってきた質問をペアで出し合う、答え合うという復習の確認で次の授業が始まる。こうした「読み返し」あるいは「復習読み」が次の時間の予習となり、循環的な授業展開が実現する。

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