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発達段階に応じた活動を探る─小学生だからこそできる活動

三浦邦子(文京区立誠之小学校)

☆ ☆ ☆ 小学生だからこそできる活動 ☆ ☆ ☆

 小学校児童の柔軟な耳や、活動への意欲的な取り組みを生かした英語活動のあり方について述べたい。

(1)英語に『触れ、慣れ、親しむ』ための、聞く・話すコミュニケーション活動

 学年によって発達段階に大きな差がある小学校の6年間で、「楽しく・易しく・繰り返し」ながら、スパイラルに様々な英語の表現に出合うことができるような指導を行っていきたい。たくさん聞き、歌い、話すことで、英語のリズムやイントネーションにも慣れさせることができる。

 「文字(Alphabet)は、導入すべきか否か・・・」という議論は、切実である。しかし、小、中の連携が明確でない点や、すべての小学校で英語活動が行われているとは言えない現段階では、文字の読み書きを導入するには問題点が多い。そこで、単語程度の文字を絵とともに積極的に目に触れるように提示することで、文字への興味を失わせないで、次なる段階への意欲につなげていくことができればと考える。
また、あえて文法的な説明はしないで、活動の中で自然に慣れさせる配慮もしていきたい。例えば、単複形の違いなどでは、視覚に訴える絵の数量に配慮するなどしながら、聞く耳を慣れさせることが大切であろう。

 活動への意欲をそぎかねない発音練習や、「覚えた?今日習ったことは、忘れないでね!」などの働きかけをしないことは、大切なポイントであろう。英語活動のみで、第二言語の完全な習得をめざすのは、容易ではない。小学校の英語活動のめざすところは、英語というもう一つのコミュニケーション手段を使った、人とのかかわり合いの楽しさ、素晴らしさを体験する活動ととらえていきたい。

(2)担任が行うからこその「英語活動」

 ほぼ全教科を担当し、児童と密着した毎日を過ごしている担任は、児童の反応や意欲を見取り、臨機応変な働きかけをすることができる。英語教育に関しては、特別な訓練を受けていない小学校教師がほとんどである。しかし、自分自身も英語でのコミュニケーションを楽しみ、児童の実態にあった活動内容や見通しをもって指導する意欲と実行力さえあれば、必ず有意義な英語活動を行うことはできる。日々の生活の中でのちょっとした英語のやり取りや、教科の学習の中での簡単な英語の働きかけなどができるのは、担任の強みである。また、ALTとの活動では指導を任せきりにせず、児童の様子に応じてALTの持ち味を生かすようなリードの言葉やアクションをするよう心がけることも、担任としての大切な役割であろう。

(3)『より知的で楽しくなる』ような低・中・高学年なりの教材研究を!

 身体的にも、知的興味・関心でも学年によって大きな差のある小学校段階で、発達に応じた工夫をすることは、指導要領で指導内容が示されていない英語活動の今の状況では、優先すべき課題であろう。

 ここでは、"Brown Bear, Brown Bear, What Do You See? "という絵本を取り上げ、同じ題材で低学年から高学年までが楽しむことができる活動を紹介してみたい。この本は、動物・色・問いと答えなどを織り交ぜて学習できる優れた教材である。読み聞かせだけで終わらないで、いろいろなアクティビティにつなげると、さらに各学年の実態に応じた広がりのある活動にすることができる。ここでは動物のカードを使ったアクティビティを紹介する。

《低学年の活動》
 まだまだ英語に慣れていなくて、1人で言うことに不安を感じがちな低学年では、センテンスを全員で言うようにすると、安心して繰り返し声に出す活動ができる。

<活動例> フルーツバスケットの要領で、カードをもって腰掛けている児童全員が "Brown Bear, Brown Bear, what do you see?" のようにオニに尋ねる。オニの答えが "I see a red bird looking at me!" なら、red birdのカードをもっている児童は "Red bird!" と言いながら席を替わる。1人で言わなければならないオニが不安そうなときには担任が手助けをしたり、 "I see children looking at me!" で全員が席を移動するルールにしたりすると、より盛り上がる。

《中学年の活動》
英語の言い方にも慣れ、人とかかわり合って活動することへの関心が増し、行動が活発になる中学年の児童は、少人数のグループで、自信をもって言いたいことを話す活動を好む。名前を入れた問いかけは、より中学年らしい仲間意識を高める活動になる。

<活動例> 神経衰弱のような4〜5人グループで行うゲーム。 "Your turn! Taro, Taro, what do you see?" と聞かれたTaroは、カードを1枚めくり、 "I see a blue horse looking at me!" と答える。次のHanakoも、同じ問いにカードを1枚めくって答え、Taroのカードと同じなら "I got it!" でもらい、違っていたら "Oh, no!" と言って次の人に "Your turn! ..." と続ける。

《高学年の活動》
 知的興味が高まり主体性が強くなる高学年の児童は、英語に対しても必然性のあるやり取りを好む。使うセンテンスや単語の数を増やし、ペアで聞き合う次のような場面は、目的意識をもち、進んで相手とかかわることができる活動となる。

<活動例> ペアの相手(Takeshi)と少し離れたところに、絵本よりも多くの動物カードを用意し、 "Takeshi, Takeshi! What do you see?" と尋ねる。Takeshiは双眼鏡(紙コップ製)で見て "I see a blue elephant looking at me!" のように答える。相手は、そうと思われるカードをとって "Is this a blue elephant?" と聞き、合っていたら "Yes, it is. You did a good job! " "Thank you!" で交替、違っていたら "No, it isn't." でやり直す。(時間内にたくさんのカードを集めたペアが勝ち。)
相手と距離を隔ててやり取りさせるのは、英語に限らず自分を表現することに消極的になりがちな高学年の児童に、声をしっかり出させるための工夫である。

 どのゲームも、やめるタイミングがつかめないくらい夢中になる活動である。しかし、ゲームに集中するあまり、英語でのやり取りがおろそかになってしまってはコミュニケーションの意味がない。やり取りの仕方をきちんと納得させてからゲームを始めさせたい。

 このように、各学年や実態に応じて活動を工夫し、コミュニケーションの楽しさをより多く体験させることは、さらに小学校での英語活動を充実させていくことにつながるものと確信している。

三浦 邦子(みうら くにこ)

文京区立誠之小学校教諭。文部科学省研究開発学校の同校で、JTEとして研究と実践に携わり、現在は担任の立場で英語活動をすすめる。英語活動研修会講師。時として出張授業も多数こなす。『KIDS CROWN』(三省堂)ほか、各種英語活動用教材の企画、執筆の経験も豊富。

英語教育リレーコラム第3回
発達段階に応じた活動を探る
発達段階に応じた活動を探る─小学生だからこそできる活動 三浦邦子 (2005年7月12日更新)
発達段階に応じた活動を探る─中学校で行うべき活動とは 竹内 理 (2005年8月5日更新)
発達段階に応じた活動を探る─教師の目で見た高校生と彼らの活動のサポート 福田正治 (2005年9月13日更新)

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