難関理系向け「化学」参考書のベストセラー。教科書の一字一句に理論的な解説をつくした、もっとも詳しい参考書。『化学T・Uの新研究』の内容を全面的に見直し、大幅な増ページ(48ページ)を行った。論述・二次対策に役立つ「サイエンスボックス」も43テーマ増やし202テーマとした。新課程版。(「化学基礎」収録)2色刷。
●「化学の新研究」が東京大学新聞の「おすすめ参考書(化学)」 2冊のうちの1冊に取り上げられました(2014年9月9日号)。
【紹介文】 「深い知識や現象の反応機構が書かれ、読むうちに化学への 理解が深まります。演習と平行して読む、あるいは辞書として 使うのも良いでしょう」
  
|
*「サンプルページ」は画像ファイルで別画面に表示します。 |

卜部 吉庸先生のほかの著書
理系大学受験 化学の新演習
センター試験・理系大学受験 化学の新標準演習
センター試験攻略 化学基礎の総演習

●著者紹介
卜部
吉庸 (うらべ よしのぶ)
[略歴]
1956(昭和31)年 奈良県生まれ。
京都教育大学 特修理学科卒業。
奈良県立二階堂高等学校、奈良高等学校、畝傍高等学校を経て、現在、橿原高等学校教諭。
[著書]
『化学の新演習』 (三省堂)『化学の新標準演習』 (三省堂)『センター試験攻略 化学基礎の総演習』(三省堂)ほか

●はじめに
大学入試センター試験の導入以後、「大学入試の二次試験は確実に難しくなっており、もはや、教科書や市販の参考書ではとても対応しきれない。」という生徒たちの声をよく耳にします。一般に難関とされている大学の入試では、高校での学習範囲をかなり超えた大学教養レベルの問題が、平気で出題されます。そのような大学をめざして、日夜勉学に精励している高校生や受験生諸君の知的要求を満たし、その志望をかなえさせるために書かれたのが本書なのです。
現在の高校教科書や既存の参考書には、多くの化学事象に対する網羅的な説明は一応なされていますが、さらにもう一歩突っ込んだ「なぜそうなるのか?」という生徒たちの素朴な疑問にはほとんど答えられてはいません。著者は、長年自作のプリント等を使って授業を行ってきましたが、生徒たちの熱心な要望を受け、奮起して執筆に着手した次第です。
本書の特徴は、教科書本文の一字一句を徹底的に詳しく研究・解説したことであり、ふつうの参考書の1.5倍ぐらいのページ数を備えています。また、あくまでも内容重視の方針を貫き、まとめ・覚え方・整理などの欄は極力省き、その分のページ数はすべて解説にあてましたので、内容の深まりは他の参考書の2倍以上はあると思います。そのため本書を使って真剣に勉強すれば、知らず知らずのうちに化学全体に対する深い知識が身につき、きっと所期の目的が達成されることは無論のこと、さらに、諸君が大学へ進学したとき、本書が高校の化学と大学の化学との架け橋の役割を果たしていることに気がつかれることでしょう。
本書は『化学IB・Uの新研究』『化学I・Uの新研究』を経て、今般の新教育課程実施に伴い、『化学の新研究』として新たに発行するものです。これまで多くの貴重なご意見、ご教示をいただいた受験生、先生方に深くお礼申し上げます。
また本書は受験生だけでなく、化学を本格的に学んでいる専門学校生や理科の教職をめざしている学生諸君、さらに日頃から教科指導に頭を痛めておられる多くの高校化学の先生方の指導書代わりとしても役立つことを確信しております。
最後に、本書を十分に活用し所期の目的を達成されることを心より祈念するとともに、これまで同様、多くの方々のご支援とご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。
2013年2月
卜部吉庸


●筆者のひとこと
「学問に王道なし」とよくいわれます。受験生にとって化学の王道とは、まず教科書の内容を完全にマスターすることでしよう。しかし教科書には、化学の"骨"となる必要最小眼のことしか書いてありません。本書は、これに"肉"となる説明を丁寧につけたもので、読んでいくうちに、その内容にどんどん引き込まれていくから不思議です。
人間にとって、勉強は孤独で苦しいものです。それを乗り越え、本当の実力をつけるためには、良書に出会い、それをじっくりと腰を据えて読み込む必要があると思います。「眼光、紙背に徹す」という諺があります。これは紙の裏まで見通すほどの眼力で書物を読めば、きっとその深い意味がわかるようになるという意味です。また、「しっかりとした土台には立派な家が建つ」という言葉もあります。これらのことをしっかりと心に刻み、自分のためになる本当の勉強を続けていって下さい。読者諸君の御健闘を心より祈ります。
●学習する方々へ
●化学は、地球上に存在する様々な物質の性質と変化を理解し、その本質を明らかにしようとする学問である。現在では、私たちの牛活に必要な物質のうち、食糧以外のほとんどの物質は、人工的に合成することが可能となり、私たちの生活は格段に豊かになった。
●20世紀に入り、化学は物理学のみならず他の自然科学と密接な関係をもちながら発展してきた。とくに、物質に関する様々な研究の成果が、不可能と思われていた生命の本質的な営みの解明をも可能にし、化学は生物学・薬学・医学の発展にも大きな貢献を果たしてきた。
●反面、"地球"という物質系の中で、人間の行う生産活動は資源の浪費、環境の汚染などの新たな問題を引き起こした。21世紀を生きる私たちにとって、これまでの豊かな生活を維持しながら持続的な発展を続けていくことは容易なことではない。
●今後、このエネルギーの有効利用と地球環境の保全という課題を解決するためには、どうしても化学の知識と技術が不可欠であり、他の自然科学との関連を深めた、新しい化学の役割はますます重要になっている。
●このように、化学を学ぼうとする諸君たちへの期待はまことに大きいものがあり、本書によって、化学への正しいアプローチの方法を学び、化学に対する真の理解を深めてほしい。

第1編 物質の構造
第1章 物質の構成と化学結合
1−1 物質の構成
1−2 原子とイオン
1−3 化学結合
第2章 物質量と化学反応式
1−4 原子量・分子量と物質量
1−5 化学反応の量的関係
第2編 物質の状態
第1章 物質の状態変化
2−1 粒子の熱運動と拡散
2−2 物質の三態と状態変化
2−3 液体の蒸気圧と沸騰
第2章 気体の性質
2−4 気体の性質
2−5 混合気体と蒸気圧
2−6 理想気体と実在気体
第3章 溶液の性質
2−7 溶解のしくみ
2−8 固体の溶解度
2−9 気体の溶解度
2−10 溶液の濃度
2−11 希薄溶液の性質
2−12 浸透圧
2−13 コロイド溶液
第3編 物質の変化
第1章 化学反応と熱
3−1 化学反応と熱
3−2 へスの法則と結合エネルギー
第2章 反応の速さと平衡
3−3 化学反応の速さ
3−4 化学平衡
第3章 酸と塩基
3−5 酸と塩基
3−6 中和反応と塩
第4章 酸化還元反応
3−7 酸化還元反応
3−8 電池と電気分解
第4編 無機物質の性質
第1章 非金属元素の性質
4−1 水素と希ガス
4−2 ハロゲンとその化合物
4−3 酸素・硫黄とその化合物
4−4 窒素・リンとその化合物
4−5 炭素・ケイ素とその化合物
4−6 気体の製法と性質
第2章 典型金属元素の性質
4−7 アルカリ金属とその化合物
4−8 アルカリ土類金属とその化合物
4−9 アルミニウムとその化合物
4−10 亜鉛・水銀とその化合物
4−11 スズ・鉛とその化合物
第3章 遷移元素の性質
4−12 遷移元素の特徴
4−13 錯イオンと錯塩
4−14 鉄とその化合物
4−15 銅とその化合物
4−16 銀とその化合物
4−17 クロム・マンガンとその化合物
4−18 金属イオンの分離・確認
第5編 有機物質の性質
第1章 有機化合物の特徴と分類
5−1 有機化合物の特徴
5−2 有機化合物の分類
5−3 有機化合物の構造決定
第2章 脂肪族炭化水素
5−4 アルカンとシクロアルカン
5−5 アルケン
5−6 アルキン
5−7 石油と天然ガスと石炭
第3章 脂肪族化合物
5−8 アルコールとエーテル
5−9 アルデヒドとケトン
5−10 カルボン酸
5−11 エステル
5−12 油脂
5−13 セッケンと合成洗剤
第4章 芳香族化合物
5−14 芳香族炭化水素
5−15 フェノール類
5−16 芳香族カルボン酸
5−17 芳香族アミン
5−18 有機化合物の分離
第6編 高分子化合物
第1章 天然高分子化合物
6−1 高分子化合物の分類と特徴
6−2 単糖類と二糖類
6−3 多糖類
6−4 アミノ酸
6−5 タンパク質
6−6 核酸
6−7 脂質
第2章 合成高分子化合物
6−8 合成繊維
6−9 合成樹脂
6−10 ゴム
6−11 イオン交換樹脂
6−12 機能性高分子
|