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三省堂高校英語教育 2004年春号
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特集2 「新指導要領実施のライティング」

『CROWN English Writing』――“伝えたい思い”を大切にしたライティング用教科書――

湘南国際女子短期大学 松原好次

『CROWN English Writing』の特徴

本書の特徴は下記の3点にあります。

(1)「書く」ための場面設定に工夫がこらされている
 Part 1各レッスンのIntroduction(英文)には、「英語で書いている途中で、適切な表現が見つからず先に進めない状況」が提示されています。生徒たちはG-file(文法項目の説明)に記されたヒントを参考に、適切な表現を空欄に書き入れることになります。例えば環境・リサイクルがテーマのLesson 5では、「最近、隣に住むようになったフィリピン出身の女性から、ごみの出し方がよくわからないので、要点を英語で書いてください」と頼まれる場面が設定されます。ごみの分別に関する記述のあとに、「回収に遅れないよう、朝8時までに出してください」という注意事項を書き加える場合、どのように表現したらよいかを生徒たちは考えることになります。

 Part 2各レッスンのIntroductionには、そのレッスンのテーマをスムーズに導入するためのクイズが提示されています。また、Your taskには「英語で書く」状況の設定とともに、書く内容に関する課題の提示が行われます。生徒たちは、どのような内容のことを書いて伝えたらよいか、この段階で把握します。例えばLesson 9では、日本国内の旅行情報を求めている留学生に、お薦めの場所と薦める理由を書くことになります。目標とすべき文章(Sample)を読むことによって、課題の形式と内容が生徒たちの頭の中に固まってくるはずです。国内の有名な観光地を選ぶ生徒もいるでしょうし、身近な場所を選ぶ生徒も出てくるかもしれません。いずれにしても、「書きたい」「伝えたい」という思いを掘り起こすように工夫されています。

 Part 3各レッスンのIntroductionは、そのレッスンのテーマをクイズ形式で導入します。次にYour taskでは「英語で書く」状況とともに、書く内容についての課題を提示します。例えばLesson 2(日本文化の紹介がテーマ)では、日本に来て間もないALTに、日本の文化などを紹介する説明文を書くことになります。

(2)「書く」ための細かい手立てが考えられている
 Part 1各レッスンの末尾に置かれたHave a try! で、生徒たちは自己表現文を書くように誘導されます。例えばLesson 1の例文(Kanako and I have been friends for almost ten years. We met at elementary school for the first time.)の下線部分の聞き取りをしたのち、次の自己表現文を書くことになります。
(____ and I ____________. We met ____________.)

 Part 2の目標は前述のとおりワン・パラグラフです。まとまった内容の文章を書かせることは難しいことですが、本書はパラグラフを書くためのきめ細かい手立てを設定することによって40〜100字程度の英文が書けるように生徒を導いていきます。各レッスンの紙面構成は、最初の見開き2ページがテーマと機能・概念表現の提示になっています。例えばLesson 8は「一葉の生涯」というテーマのもと、「時の流れに沿って書く」のに必要な機能・概念表現の定着をEx-file(練習問題)を通して図ります。次の見開き2ページでは、Your taskで「書く」課題を確認し、Sampleの文章を読んで重要表現の具体的な使い方を把握したのち、Before you writeの項に移ります。まず問題形式のGetting ideasで様々な人の意見や考えに触れます。次にPlanningではSampleとGetting ideasを参考にして、構想をまとめる作業に進みます。Sample→Getting ideas→Planningの順を追うことによって、Your taskで出された課題が書けるように工夫されているのです。

 Part 3の目標は複数のパラグラフです。例えば前述のLesson 2では、日本の文化について説明文を書く課題が出されるわけですが、英語で書くとなると容易ではありません。そこで本書の場合、修学旅行に同行したALTについてのエピソードをIntroductionで導入したのち、旅館についてのSample文を提示してあります。更に、日本特有の事物などについての説明文を与えたのち、Planningで各自のトピックを決定するように求めます。その際、マッピングなどの方法を使って、アイデアの発展がスムーズにいくように段階的に導いていきます。

(3)Writingと他技能との連係が図られている
 Part 1のHave a try!(前述)では、各レッスンのポイントにあたる部分を聞き取ったあと、その例文を参考にした自己表現活動につながるように考えられています。

 Part 2のIntroductionは主にListeningを使ったクイズから始まります。例えば「目的地までの行き方を書く」ことがねらいのLesson 4では、録音された音声の指示に従って地図に目的地までの道順を書き入れることになります。Your taskとSampleの英文は、ReadingからWritingへの架け橋になるように構成されています。更に、各レッスン末尾にはAfter you writeというコーナーが置かれ、WritingとPublic SpeakingやRevisingとの連係が図られるようになっています。ちなみに、Lesson 4の場合、自分の家から学校までの道順を書いて、クラスの前で説明する活動に発展していきます。

 Part 3のIntroductionやGetting ideasにもListeningが多用されているため、「書く」ための情報収集源としてReadingとともにListeningが不可欠であることを生徒たちは実感することになります。After you writeのコーナーでは、WritingがPublic Speakingに結びつけられます。例えばLesson 1では、「今、私が思うこと」というテーマでスピーチ原稿を書き、クラスで発表することになります。

 以上のように、各パートでWritingと他技能の連係が図られるわけですが、随所に設けられているListen up! というコラムでもListeningとWritingの統合が図られています。またBrush up!というコラムは、Revisingの観点から冠詞の用法、自動詞と他動詞の違い、日英語の意味のズレなどに注意を促す問題を扱っています。

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