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三省堂高校英語教育 2004年春号
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特集1 「新指導要領実施のリーディング」

『CROWN English Reading』の目指すもの

慶應義塾大学 霜崎 實

楽しむためのリーディング

 自ら進んで英文を読む「自律的な読み手」を養成するためには、英文を読むことに喜び、楽しみを経験することが最も早道であろう。そのことを念頭に、フィクションとして取り上げた6編は、ちょっと笑える話を配置した。“The Pillow”, “All Those Noughts”, “The Hitchhiker”, “Revenge” など自然と笑いが込み上げてくるかもしれない。にやっと笑うことで、英語がわかったという感覚を経験して欲しいと願ってのことである。クイズ形式のClipboardも結構楽しめるだろう。本文で扱った内容を別の角度から発展させたものだが、気楽に英文を読みながら問題を解くことで、楽しみながら英文を読んでいただきたいと考えている。

リーディング・スキルの活用

 リーディング・スキルとは、一般的に、skimmingやscanningなどのスキルのみならず、パラグラフ構造(トピック・センテンスと説明文)、文章の種類(narration, description, argumentation, など)や構成(space order, time order, comparison, cause and effect, など)についての理解に基づいたスキルを指すことが多い。CROWN Readingでも、こうしたリーディング・スキルの重要性を認識し、構成について工夫を凝らした。まず、リーディングにとって重要な背景知識の活性化のために、Pre-reading Activityの “Facts about ...” でそのレッスンで扱うテーマについての「事実」を与え、加えて “Take a Moment to Think” で、問題を自分の身に引き寄せるための質問を用意した。さらに、Post-reading Activityのひとつ “Making Sense of It” で、本文のトピック、主旨、構成、事例、評価などを考えさせるセクションを設けたのもその意味である。

 ただし、いわゆるリーディング・スキル万能論に筆者は与しない。スキルを教えることがリーディング指導の目的と化して、題材内容の理解が軽視されるようなことがあるとすれば、本末転倒だと考えるからである。リーディング・スキルはより効果的な読みのためのスキルであり、ある程度の運用能力(語彙、文法、語用論的知識を含む)が前提となる。無闇に速読を導入しようとしても、初歩的なレベルにある学習者は混乱するばかりであろう。よちよち歩きの幼児に早足で歩く訓練をしようとするのは、そもそも無理な注文である。運転免許取立てのドライバーをF1レースに参加させようとするのは、無謀である。英語T、英語Uを終えた平均的な英語学習者を想定したときに、あくまでもリーディング・スキルは補助的なものと位置づけ、精読を中心に十分な体力づくりをすることが先決であると考える。要は学習者のレベルに合わせたリーディング指導を行うことが重要であるということである。

おわりに――教材の利用の仕方

 今回のCROWN Readingの効果的な利用の仕方についてのキーワードは、「選択」ということである。文部科学省の学習指導要領の一部改正により、生徒の実態に応じて選択できる教材をある程度盛り込むことが可能になったが、CROWN Readingはそれに対応して、授業でどうしても扱って欲しい部分と、選択的に扱うことが可能な部分を切り分け、後者については、OPTIONと明示することとした。具体的には、Clipboardの後半部分、そしてLesson 12: “I Have a Dream” とRapid Reading 3: “Reflections” がそれにあたる。ここでは、できるだけ編集を施さない形でauthenticな題材を提示しており、かなり高度な英文も含まれている。

 授業での扱いとしては、理想的には、Part 1からPart 3にいたるすべてのレッスンを扱うことが望ましいが、学校の事情により、Part 1とPart 2のレッスンを集中的に扱い、Part 3および、OPTION項目は削除することも可能である。この教科書は、おそらくその内容の充実度においては比類を見ないものであるから、それを選択的に使用するということが肝要である。おそらく全体の三分の二の分量をカバーするだけでも、平均的なリーディング教科書の1冊分に十分相当する内容を扱ったことになるだろう。拙速を避け、じっくりと必要な部分を選択して活用するという利用方法を是非お勧めしたい。いずれにしても、今回の進化したCROWN Readingを通じて、学習者の英語リーディング能力が飛躍的に向上することが、編者一同の切なる願いである。

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