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三省堂 英語ホーム > 高等学校英語 > 『三省堂高校英語教育』 > 2004年 夏号 授業実践レポート 2(2)

三省堂高校英語教育 2004年春号
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授業実践レポート 2

新課程教科書『EXCEED I』を使って 心に残る教材の選択を目指して

大阪府立羽曳野高等学校 藤原和美

3. アンケート結果の考察

 この1年間、初めて英語Tの授業を英語で進めることに取り組んだ。これまで、オーラルコミュニケーションなどの授業はオールイングリッシュで進めてきたことはあるが、英語Tを英語で行うのは全く初めての試みだった。しかし、この試みも、結果としては、いわば「英語でのレクチャー」にとどまってしまったように思われる。授業中の活動では和訳も大きな役割を担ってしまったが、私自身にとっては授業改革のための大きな一歩ではあったと思う。アンケート結果を、このような授業実践を踏まえながら考察したい。

(1)Lesson 5について
 最も印象に残っていると答えた生徒が多かったのは、Lesson 5の地雷を扱ったものであった。その理由としては、「世界平和のことだから」、「足がなくても走り続けるなんてすごいと思ったから」、「地雷の被害にあっている人がたくさんいるとわかったから」、「頑張っている人の姿が描かれたものに興味がある上、世界についての現場があげられていたから」、「写真がすごかったから」、「なんかいい言葉が本文中にあったから」などがあった。本校では「総合的な学習の時間」で国際理解を深めるプログラムを実施していたこともあり、世界、特に開発途上国の現状について身近に感じ、それを自分たちの問題として考えてもらいたいという強い想いがあった。地雷問題についても、決して遠いどこかの出来事ではなく、実際目の前にある深刻な問題として捉えてもらいたかった。生徒たちは、このレッスンを読むまで地雷についてはほとんど知らないというのが現状であったが、現在では多くの生徒の心にこの問題の深刻さを残すことができた。教科書に挙げられた、多種類の地雷を見て驚き、地雷を撤去している写真を見てその撤去の実際を確認でき、本文にあった地雷を作るためにかかる費用と地雷を撤去するためにかかる費用の比較に生徒たちは大きな関心を示していた。また、義足のランナーとして活躍するクリス・ムーン氏の “It's easy to give up, but if you hold on to your dreams, you can achieve any goal.”という言葉にも生徒たちは励まされていたようだった。「総合的な学習の時間」での学習内容、教科書の内容、視聴覚資料などが重なって、生徒たちにもっとも印象を残せたのではないかと思われる。地雷に関する感想が理由として多く挙げられていたことも特徴であった。

(2)Lesson 7について
 ここでは、『星の王子さま』のあらすじを追いながら著者サンテグジュペリがこの絵本を通じて伝えたい想いについて読んだ。印象に残っている理由では、「絵本の話でおもしろかったから」、「星の王子さまの話で興味があったから」、「物語だったから」、「星の王子さまは知っているが、内容を知らなかったから」、「星の王子さまの物語を知っていたから」などがあった。親しみやすい挿絵を交えながら、『星の王子さま』のあらすじをおって読むのは、内容を知らない生徒にも知っている生徒にも好評だったように思われる。また、サンテグジュペリのメッセージである「目に見えないものを思うことの大切さ」は、大人になりつつある生徒たちに、今もこれからも心に留めておいてもらいたいものであったが、この部分を読んでいるときにはどのクラスもシーンとなり、まるでサンテグジュペリの世界に引き込まれていたようだった。このレッスンが印象に残った理由として「なんとなく」と答えてくれた生徒の中に、このことが心に残っていることを願う。

(3)Reading 1について
 Reading 1の『赤毛のアン』では、マリラのブローチがなくなる事件を通じてアンとマリラの絆を深めるシーンを読んだ。このレッスンを印象に残るものとして選んだのは、「一番勉強をしたから」、「アンのことがよくわかったから」、「わかりやすい物語だったから」、「難しかったから」、「おもしろかったから」、「アンがよくわからない性格だったから」、「映画を見たから」だと答えていた。生徒が答えているように、この英文は文学的要素があり、難しく、長かった。難しいゆえに、授業も遅々として進まず苦労した。また、アンの生育歴やマリラとの関係を知ることがこの物語を読む上で重要なことであったため、この説明に多くの時間を割いてしまったこともなかなか進まない原因となった。しかし、だからこそ生徒の心に残ったのならば、私にとっても印象的だ。取り組んでいるときは苦労があっても、多少難しい英文に取り組ませることは意味のあることなのかもしれない。

(4)Lesson 3について
 このレッスンでは、津軽三味線の吉田兄弟の生い立ちや活動について読み、「吉田兄弟が印象が強かったから」、「吉田兄弟を知っていたから」、「一番身近な感じがしてよく勉強したから」、「身近なもので前から知っている話が英語になってて興味があった」、「ビデオをみたから」、「津軽三味線が好きだから」などが印象に残った理由として挙げられていた。このような結果になったのは、吉田兄弟が生徒たちの年齢に近く、そのためより一層彼らや教科書の内容を身近に感じてくれたことが大きな要因としてあったと思われる。ビデオを通して、津軽三味線の演奏や吉田兄弟を見て、英文もスラスラと生徒たちに受け入れられたようで、授業もとてもスムーズに進んだ印象が残っている。

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