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三省堂 英語ホーム > 高等学校英語 > 『三省堂高校英語教育』 > 2004年 夏号 授業実践レポート 1(2)

三省堂高校英語教育 2004年春号
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授業実践レポート 1

新課程教科書『CROWN I』を使って 題材を生かして、生徒に興味と感動を


都立日比谷高等学校 宮崎 幸子

各課の内容の関連性

 『CROWNT』の内容解説資料には「20世紀を様々な角度から振り返り、どのような時代であったかを学び、考えることで21世紀を担う生徒の生きる力を養う」題材を選んだとある。実際に授業を進めていく中で、各課がそれぞれに独立した内容を持っていながら、さらに教科書全体として一つの大きなテーマを持っていることに気が付いた。それは、「人(若者)が大切にしなければならないことは何か」ということである。そのテーマを環境や平和、民族、文化の問題という切り口で構成しているのではないかと思えたのである。

 例えば環境問題については、一見Lesson 6だけが扱っているように見えるが、実はLesson 3で森林伐採に触れている。また、Lesson 2で扱った星野道夫の活動を追っていくと、動物を通じて環境保護を訴えており、しかも、星野道夫とジェーン・グドールは直接のつながりがあることもわかった。さらに、『CROWN PLUS』Lesson 6 Life on Earthではジェームス・ラブロックのガイア理論を取り上げているが、これにも上記2人は関わっていた。このような関連性は、生徒が教科書で扱った内容を個々のものとしてでなく、一つの大きな、しかも身近な問題として捉えることができる要因になっている。春に学んだ題材を秋、冬と繰り返し思い起こさせることで、その内容が生徒に定着していくのを感じることができた。

補足資料

 授業で生徒に興味関心を持たせ、教科書の内容を深めていくには様々な情報が有効であり、それは必要なものだと考えている。

 口頭による情報提供はその最も基本的な方法である。英文の内容理解を助けるもの、課全体の内容をさらに広げるためのもの等、情報は多様である。Lesson 6では、ジェーン・グドールについて、彼女と他の動物学者の研究方法との相違、彼女の生き方等、人物そのものにも触れ、その上で意見、感想を求めた。少々本文の内容とは離れてしまったが、時にはそのような広がりもよいと思う。一つの題材を扱ってもその感想は生徒それぞれに異なるものだ。

 以下に学年で統一して取り組んだものを紹介する。

(1)配付資料
 どの課でも必ず提供したのは印刷物である。実際には『CROWNT』の資料集を参考に私達自身が作成したものを配付した。

  例えばLesson 1 Different Languages, Different Worldsでは、世界で読まれているJapanese mangaの一部を実際に掲載した。Lesson 8 Good Ol' Charlie Brownでも、実際の漫画を資料とした。教科書本文を土台にして、 “Peanuts” 最終回を紹介し、さらにpilotやwriterとしてのSnoopyや他の主要な登場人物が主体となっている漫画を掲載した。その中には当時生徒にHome Readerとして読ませていた “Huckleberry Finn” を土台にしたものも加えて英語学習全体に関連を持たせた。

■ジェーン・グドールと星野道夫
 教科書のLESSON 2で読んだ自然写真家の星野道夫さんのことを憶えていますか?
アラスカの写真で有名な星野さんですが、その作品には少数ではありますが、アフリカをテーマにしたものもあります。実は星野さんは、ジェーン・グドールに会いにアフリカのゴンベの森を訪ねており、それらは、その時に撮られたものなのです。
アラスカとアフリカ、日本人とイギリス人といったように、一見、接点のないように見えますが、二人の間には交流がありました。自然を愛する気持ちは勿論ですが、生まれた土地を離れて、別の土地で生きていく、という部分でも共感できるものがあったのではないでしょうか。
また、グドールは、 “Reason for Hope” (邦題「森の旅人」)という自伝を出版していますが、その1ページ目にある彼女のポートレートは星野さんが撮影したものとなっています。

【参考文献】
『アフリカ旅日記 ゴンベの森へ』  星野 道夫 (メディア・ファクトリー)

 

(2)書籍の紹介
 本文関連の書籍紹介は生徒の関心を広げるのに役立つ情報である。そこで、学校の図書館に相談し、授業関連コーナーを作ってもらった。例えば、Lesson 2 When I Was Sixteenについては、学校にある関連書籍の他、先生方の個人所有の本なども持ち寄っていただき、図書館の入り口付近に素敵な一角が誕生した。加えて幸運だったのは、授業でこの課を進めている時に、銀座のデパートで「星野道夫展」が開催されたことである。早速とんでいきポスターなどいくつか資料を入手してきた。もちろん、担当教員が展示を見てきたことにより、教科書に描かれている星野道夫がその後の人生で、どのようなことを考え、またどのようなことに感動したのかを、より熱く生徒に語ることができたことも大きかったと思っている。

(3)ビデオの活用
 関連ビデオも生徒の興味を増すのに有効である。Lesson 6 Living with Chimpanzeesでは、National Geographicのビデオを使って、ジェーン・グドールとチンパンジーの実際の映像を見せた。さらにこのビデオでは、チンパンジーの生態の中に人間の本質に近いものを見せることができた。Lesson 6の内容が単なるチンパンジーの保護を訴えているのではないこと、チンパンジーを研究し保護することで人間とは何なのかを探求しているのだということを生徒に少し伝えられたのではないかと思う。

 さらにこのLesson 6については、前年に“Roots & Shoots” の日本支部the Jane Goodall Instituteが神奈川県藤沢市に設置されており、その関連資料を直接入手することもできた。生徒にとって、“Roots & Shoots” が身近に感じられたのではないかと思う。

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