3.豊富な指導用資料と教材類
紙幅の関係で概略的ではあるが、以上に述べてきたことが『VISTAT・U』の実態(より正確には「実態の一部」)だが、正直申し上げて『VISTAT・U』が取り上げている題材内容と言語材料とを新しく提示された「学習指導要領」に従って展開するには、従来のような
Teacher's Manual(教師用指導書)だけを参考にしていただくだけでは執筆者および編集部が『VISTAT・U』を編集するにあたって込めた意図が使用される先生方に充分伝えられないのではないかという危惧から、今回からは教師用指導書5分冊に
CD-ROM を加え、さらにより充実した生徒用『ワークブック』を作成した。
(1) 第1分冊は先に触れたように『解説と指導』編で、教師用指導書のなかでは最も重要な分冊である。その構成は
@課のねらい、A題材解説、B Oral Introduction、C本文解説、Dコミュニケーション活動、E補充問題となっている。
@ 課のねらいでは「題材」として、該当題材を取り上げた意図や、それを学ぶ意義の学習全体に占める位置づけを明示してある。また該当レッスンで生徒に学習させるべき言語材料とその配当時数および発展・関連事項を示した。新しい学習指導要領で要求されている「言語の使用場面」、「言語の働き」についても課のねらいの一貫として記してある。
A 題材解説では「題材の内容」をより詳細かつ具体的に解説すると同時に、教授者側の教材研究に資すると思われる参考資料一覧を掲載した。
B Oral Introduction
は『VISTAT・U』を使用される学校でそれを行うかどうかを判断していただくためテキスト本体には掲載せず、ここに2種類掲載することにした。2種類というのは70語程度の
Basic な A 案と、100語程度の Advanced な B 案である。これを使用するかどうかは教授者の判断にお任せしたい。また
ALT との Team-Teaching をされる場合を想定し、Dialog Introduction の例も設けてある。これらは後述する第4分冊の『ALT用指導書』にも同じものを収録している。
C 本文解説は従来のようにテキスト全文の訳例、語句・表現などの解説、Say
It!、Study It!、Practice!、Check Your Understanding! などの解説や解答例を詳細に示してある。
D コミュニケーション活動は目下のところ現場で最も扱いにくいと言われている項目のようだが、その扱いづらさを多少なりとも削減できればと考えて設けたものである。コピーすれば、そのままワークシートとして利用できるようになっている。
E 補充問題は Practice!
だけでは該当レッスンの言語材料を充分身につけさせたとは思えないような場合やショートテスト代わりに用いられるように、発音、アクセント、語形、文法問題や基礎的な英文和訳・和文英訳などの問題を満載してあるので適宜ご利用いただけるようになっている。
(2) 第2分冊は第1分冊で扱った「題材解説」だけでは不十分な場合を考え、教授者の事前の教材準備をより深くしていただくことを目的に作成した。写真、資料などを豊富に取り込み、コピー、印刷をすれば生徒に配布できるようにもしてあるのでご活用いただければ幸いである。
(3) 第3分冊は授業案集で「定型授業案」と「自由展開型授業案」とをすぐ利用できるように詳細に示してある。
(4) 第4分冊は ALT のための指導書であり、また
ALT と共同作業をする際の授業案を示してある。
(5) 第5分冊の Teacher's
Book は語彙、語法、文法、音声説明、板書例、背景知識、解答など授業に必要な情報を教科書の紙面と重ねてまとめてあるもので、これ一冊だけでも充分授業は展開できる新兵器と言えるかもしれない。
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