●題材
理念は、題材内容や言語材料・言語活動の扱いに反映される。以下にこれらについて多少とも具体的に触れたい。
まず題材であるが、T・Uの本課の題目はこのページ下段のとおりである。題目だけでは分かりにくいかもしれないが、EXCEED
が他の教科書と比べて相対的に多く扱っているテーマおよび切り込み方は以下の4点になる。
(1)ことばに関する題材
『EXCEED T・U』とも第1課の題材は「ことばの社会性」に関するものである。一般に固いと言われているテーマをより分かりやすく提示した。冒頭から生徒の言語観を広げていただきたい。換言すれば、英語一辺倒にならないでほしいという願いでもある。Tの4課やUの9課もことばの問題である。また、見返しもご覧いただきたい。見返しにも題材がある。従来とは異なって、ことばの教育としての英語教育が取り上げて然るべき題材を取り上げている。
(2)共生・平和の思想
理念の2番目で触れた、個人間、民族間、そして人間と動植物の共生への願いが色濃く出ている。上に述べたT・Uの1課も究極的にはこのテーマであるし、Tの2、8課(8課は環境が主たるテーマであるが)、Uの5、8課などである。Tの5課、Uの4課はタイトルを見ただけでも平和教材と分かる。
(3)時代の先取り
マスコミや教育界に取り上げられたからすべてよい教材とは考えていないが、Tの3課の吉田兄弟、Uの5課の金子みすゞは、EXCEED
が取り上げたと同時あるいは直後にますます脚光を浴び始めた。時代を先取りしたと自負している。耳目を集めたという点では、Tの4課にも当てはまる。日本人名の英語表記の問題であるが、当時の国語審議会(現在の文化審議会の第3部会)がこれまでの〈名・姓〉から〈姓+名〉にすべく方針を出した。冒頭に述べた時代に耐える教材である。
(4)その他
紙幅の都合で詳述できないが、上記の他に、T・Uとも、女性を登場させていること、若者の洞察力・交流・苦悩を取り上げていること、「少数者」への配慮があることも、情勢判断や基本理念に沿った題材配置といえる。
EXCEED T |
|
EXCEED U |
Lesson
1 |
Languages in the World |
Lesson
1 |
Teaching Japanese to
Newcomers |
Lesson
2 |
Life in Alaska |
Lesson
2 |
New Rules for Themselves |
Lesson
3 |
Tsugaru-jamisen and the
Yoshida Brothers |
Lesson
3 |
Emails between Japan
and Korea |
Reading
1 |
Anne of Green Gables |
Lesson
4 |
A Model of the Atomic
Bomb Dome |
Lesson
4 |
What's in a Name? |
Reading
1 |
The Adventures of Tom
Sawyer |
Lesson
5 |
A Runner against Landmines |
Lesson
5 |
Kaneko Misuzu |
Lesson
6 |
Science in Daily Life |
Lesson
6 |
Wonders of Memory |
Lesson
7 |
Seeing Something Invisible |
Lesson
7 |
Nowhere Man |
Lesson
8 |
A Message from Forty
Years Ago |
Lesson
8 |
Aboriginal Arts in Australia |
Reading
2 |
A Pair of Shoes |
Reading
2 |
West Side Story |
|
Lesson
9 |
Media Literacy |
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