3.教科書のつくり
PartTは3つの UNIT から構成され、各 UNIT は8課ずつから成る。各課の文頭にある「例文」で文型・文法事項を導入し、それに関する各種の練習問題を通して基礎・基本の徹底に力を注ぐことができる。各課のテーマの内容は
UNIT ごとに大きなまとまりがあり、UNIT 1 の「自分・趣味」に関する内容から UNIT 2 の「学校・地域」に関する内容へ、そして
UNIT 3 の「社会・世界」へと、自分の身の回りから周辺へと話題を広げていく手法をとっている。これは生徒が自己表現する上で少しでも書きやすいようにとの配慮に他ならない。また、各
UNIT の末尾にはそれぞれ REVIEW を設け、各 UNIT で扱った文型・文法事項の復習ができるようになっている。
PartUは2つの UNIT から構成され、各 UNIT は8課ずつから成る。生徒に書きやすさと臨場感を与えるため、各課に書くための場面と目的を設定し、まず、それぞれに必要な表現や語彙などを書かせる練習問題を設けている。次に、それらの表現や語彙を用いて自己表現などのまとまりのある文章を書かせる設問が配置されている。また、UNIT
1 には「電話の伝言を書く」、「話のメモを書く」といった2つの「LISTEN & WRITE」を、UNIT 2 には「新聞記事の概要を書く」、「ホームページ上の記事の概要を書く」といった2つの「READ
& WRITE」を配置し、cross-skills の重点化を図っている。
PartTとUの各課には写真を添えている。各課のテーマに生徒が親しみを感じ、言いたいことを具体的に発信できるようになるためには、イメージを描けることが大切である。写真はその補助手段として大いに役に立つし、生徒の興味も喚起する。さらに、PartTとUの各課を通して、生徒が言語活動をやりやすいように学習のプロセスを配置している。例えば、「例文」ではすべて日本語をキューにして英語が書けるようになっているが、これらの「例文」はすべて暗記・暗誦したり、活用したりするためのものである。「例文」のあと、教科書の練習問題の順序に沿って学習を進めていけば、英語の苦手な生徒でも英語が何とか書けるように配列されている。
PartVは5つの課から成り、文章の構成と内容、さらには構想の立てかたや訂正・推敲のしかたに関わるやや高度な知識を、文や色別の図などを用いてわかりやすく説明している。将来英語のエッセイを書く上で大いに役に立つ。
総じて、新指導要領の精神を生かしつつ、文型・文法事項の易から難への配列、一文からまとまった文章へのライティング過程、メッセージ性の高い表現内容、写真や図の活用など、特徴的なつくりにより、ユーザー(教師・生徒)にとって親切であると同時に、教育現場のどのような「使用」にも耐えうる教科書を目指している。
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