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三省堂高校英語教育 2003年春号
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特集 「新指導要領実施に向けて」
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新指導要領のライティング指導

2.新指導要領の精神を生かした特徴的な指導

 それでは新指導要領を生かしつつ、ライティング指導を具体的かつ特徴的に行うにはどうすればよいのだろうか。われわれは現在編集中の新しい教科書『EXCEED English Writing』において、以下のようなことの実現を目指している。

〈基礎・基本の徹底〉
 正しい英文を流暢に書くには基礎・基本の徹底が重要であることは言うまでもない。とくに英文を正しく書くには、文型・文法を体系的に学習することが必要であるし、これが最終的には新指導要領の提言する実践力になる。母語を正しく流暢に書く場合にも明示的な文型・文法の知識が必要なことから、外国語についてはなおさらである。そこで本教科書では3つの Part 構成のうち、PartTを文のしくみである文型・文法事項の習熟にあて、例えば「SV、SVC」、「現在進行形、過去進行形」といった文型・文法事項の理解と運用練習を通して、1つの英文を正しく書く能力の育成を図っている。

〈まとまりのある文章を書く〉
 1つの英文が書けるようになれば、次に、英文を並べてまとまりのある文章を書くことが求められる。そこで PartUでは談話のレベルを扱う。まとまりのある文章を書かせるには、新指導要領が提言するように、その文章が用いられる場面や目的の設定が必要となる。そこでここではまず、例えば「手紙」という場面を用いて「カナダのホストファミリーに到着予定を知らせる」という目的を実現するための文章を書かせるというように、場面や目的に応じた表現方法の練習を行う。さらには、例えば、「手順・方法の表現」や「理由の表現」などの機能に関わる練習を通して、文と文との結束性(Cohesion)や意味の一貫性(Coherence)を保つ上で必要な能力の育成も図っている。

 このような意味のまとまりは段落(Paragraph)と呼ばれるが、この Part では段落という用語を用いることはあえてしていない。気づいてみると1つの段落が書けていたというようになることを目指している。まず、まとまりのある文章を何とか書けるようになることが肝要と考えるからである。

〈文章の構成と内容の確認〉
 まず構成であるが、段落を構成する要素は一般に、「主題文」、「支持文」、「まとめ文」である。また主題文を受けた「支持文」には「例示」、「理由」、「比較」、「分類」などの展開のしかたがある。さらに、段落が複数になると本格的な文章になるが、その場合の各段落の位置づけは一般に、「導入(Introduction)」、「本体(Body)」、「結論(Conclusion)」となる。

 次に内容であるが、決められたテーマで何かを書くときは、構想の立てかたが決め手となる。つまりアイディアをうまく出さなければならないのだが、そのためには簡単なメモをとると整理しやすくなる。メモのとりかたには、詳しく覚えていることや書きたいことを挙げていく「列挙型」や、テーマや語句から思いつくことを連想しながらクモの巣状に広げていき、その中から選んで文章を作成する「クモの巣型」などがある。

 よりよい文章を書くには、書いた文章をもう一度見直す必要がある。段落の構成や、文と文とのつながり、文法、単語の選択やつづり、句読法などの項目について点検を行い、訂正や推敲を重ねてこそ文章に磨きがかかることになる。

 文章の構成と内容に関わるこれらの知識は、本格的な文章を書く上で重要な事項であるので PartVで扱っている。しかし、ここではこれらの知識を与えるにとどめ、実際に書かせることはしていない。今後の発展的項目と考えるからである。

〈意味あるメッセージの重要性〉
 ことばはメッセージである。高校生にとって意味あるメッセージ、すなわち興味や気づきがあるメッセージを読んだり書いたりすることは人間としての成長に欠かせないものである。高校生が意味ある英文を書けるようになるためには、モデルとなる例文そのものに意味あるメッセージがなければならないし、生徒が書くプロセスも、意味あるメッセージが書けるように構成されていなければならない。本教科書では PartTとUの例文や練習問題に、ことば、異文化理解、人間教育に関するメッセージ性の高い内容を盛り込み、聞いたり読んだりする活動を通して生徒に考えさせ、生徒が自分の実体に合ったメッセージが書けるように仕掛けている。

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