このコラム第72号(2009年11月号)で,接触節の指導について質問された先生から,再び次のようなメールをいただきました。 昨年,接触節の効果的な指導についてご教示いただき,ありがとうございました。そこでのご助言を参考にしながら授業を進めました。事後の小テストでも念入りに指導し,入試直前に模擬テストで確かめ,高校入試にも備えました。案の定,比較的レベルの高い学校の入試で,接触節の問題が出題されました。 接触節については,会話でも,初級レベルではなかなか使えませんし,入試にしても難問に属するものと思われます。週3時間という少ない授業時間で,どの程度の表現力や理解力を身につけておいたらよいのでしょうか。先生のご意見をお聞かせください。 私はメールで次のように返事をしました。 前回お答えしましたように,接触節は難しい文構造です。しかしながら,これから高校で英語を学び,さらには,人によって大学生や社会人になりより多くの英語と接するようになる場合には,どうしてもクリアしなければならない文法項目です。これから,英語特有の構造,難解な英文と数多く遭遇していくわけですから,そこまでを視野に入れ,中学校英語程度の,基本的な後置修飾を含む文くらいは慣れ親しみ,理解させておく必要があります。 また,目前の高校入試対策につきましても,当然のことながら,基本はしっかり押さえておかなくてはなりません。特に,比較的レベルの高い学校では,接触節や関係代名詞などの,後置修飾を含んだ文に関する出題が実に多くあります。次のような,いくつかのバラエティーをもった問題をつくり,慣れさせておくとよいでしょう。 ■空所補充問題 ■並べかえ問題 ■英作文 先ほども言いましたように,接触節は難しい文構造なので,生徒全員が表現できるようになるとは限りません。しかし,だからと言って,この文法項目を避けて通るのではなく,将来のために,1年生の頃から学習している後置修飾の一種なんだということを,「易→難」の順で,教科書にしたがい復習しながら,慣れ親しませておく必要はあると思います。 ちなみにNEW CROWNでは,接触節に触れるまでに,後置修飾を次のような順序で学習します(同様のことは,NEW CROWN BOOK 3のp.89「説明を加えるときのいろいろな言い方」にもまとめられています) BOOK 1 ■前置詞による後置修飾 2(主語位置の名詞句) BOOK 2 BOOK 3 ■接触節 このような形で例文をできるだけたくさん示し,生徒に理解させることは,時間を余計に割いても行う価値のあることだと思います。教科書本文や入試問題に出た英文をどのように活用するか,言語活動でどう料理するかは先生の工夫次第です。いずれにしても,できるだけ多くの生徒が接触節を理解し,慣れ親しむことができるように,多くの英文に触れさせてください。先生の頑張りに期待しています。 後関 正明 (ごせき まさあき) 先生
東京都墨田区立中学校で教諭,校長を長年務める。その後,東京都滝野川女子学園中・高校で教鞭をとる。現在,NPO法人「ILEC言語教育文化研究所」常務理事。2003年より國學院大学で教職課程履修の学生を教えている。 ご質問がございましたらニュークラウン指導相談ダイヤル(03-3230-9235 受付時間 月・火・木曜日 10:00 〜 16:00)へどうぞ。 メールの場合は「問い合わせフォーム」へ |
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