その通りです。さて、今回は現在完了の「完了」について考えてみましょう。「完了」を導入するとき、私は教科書の内容に入る前に、日本語で次のように話します(その前のwarm-up & reviewは英語で行い、クラスを英語モードにしてあります)。 
            
              
                | 教師: | 
                さて、ここからちょっと日本語を使います。君たち、今週の教室の掃除当番はだれ? 手を上げて。 | 
               
              
                | 生徒: | 
                (5、6人が手を挙げる) | 
               
              
                | 教師: | 
                では、掃除が終わったらだれが先生に報告しますか? | 
               
              
                | 生徒: | 
                (だれだ、お前だ、と言っているうちに1人が手を挙げる) | 
               
              
                | 教師: | 
                先生に何と言って報告しますか。ちょっと言ってみて。 | 
               
              
                | 生徒: | 
                「教室の掃除が終わりました。」と言います。 | 
               
              
                | 教師: | 
                そうですね。この「掃除が終わりました」ということをもっと詳しく言い換えてみると、「15分ぐらい前から始めた掃除が今、終わりました」または「たった今、終わったところです」という意味ですね。この「〜し終えたところ」または「〜し終わったところ」、「ちょうど〜したところ」という意味の英文を今から習います。 | 
               
             
            
             上記のやり取りをしてから、次のように板書します。もちろん、1回きりの説明だけでなく、生徒のほとんどが「なるほど!」と納得するまで説明します。この理解が、現在完了の「完了」を身につける基本になるからです。 
              
             そこで、下のような図をもう1度板書します。 
              
             「過去」と書いた部分を「15分前」とすれば、「15分前から始まった掃除が今終わった」ということが理解できます。そこであらためて,justを加えた例文を板書します。 
              
            
               ほぼ全員にこの例文を発音させてから、教科書20ページのPOINTの英文を書いた模造紙を黒板に貼り付けます(板書でもいいのですが、生徒の目を引くために模造紙的なものがいいでしょう)。 
              
            
               この基本文も全員に覚えさせます。私は、何を忘れてもいいけどこの基本文だけは絶対に覚えようと生徒を激励します。 
             少し長くなりましたが、これが私が用いた導入法です。現在完了というと難しく感じますが、普段自分たちが日本語で使っている意味を表すものだとわかると、英文法の拒絶反応も見せなくなると思います。 
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