一般的には、次のような手順をとりますね。現在完了の「継続」がポイントですから、黒板に横線を一本引いて、「ここが過去、こちらが現在で…」と言いながら、次の例文を書きます。
板書例 <1>
そして「過去のある時点の出来事を、現在のことと関係させて述べる」などと言って、上の2つの英文を説明しますね。でも私だったらその前に、こんなふうにやってみます。
教師:「あれ?! あそこに知らない人が、さっきから行ったり来たりしてウロウロしてるけど、何だろうな」
生徒:窓の外を一斉に見る。
教師:「さっきから、ずーっといるんだ。ほら見えるだろ」
生徒:「そんな人いないよ」と言ってワイワイガヤガヤ…。
教師:「確かにいたんだ。さっきから今までずーっと」
上のようなことを2、3回くり返し、生徒に光景を印象付けます。「ずーっとだ。ずーっとだぞ」と。この「ずーっと」が実はミソなのです。要するに「継続」のポイントです。このニュアンスを教え込んでしまえば、「過去のある時点の出来事を…」などと言って、実態の伴わない抽象的な言葉を羅列するよりも、ずっと理解されやすいのではないでしょうか。
板書例 <2>
「知らない人がウロウロ」などという例えは悪いかも知れませんが、このくらいインパクトの強い例を出さないと、難しいと思われている文法はなかなか生徒たちの頭に定着しません。インパクトを与えたところで、私たちがふだん使っている「ずーっと…している」という意味を表すのが、「現在完了形」の「継続」なんだよと説明すれば、「なーんだ、そうかぁ」と、大抵は納得してくれるわけです。
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