昨年12月のこのコラムに「パターン・プラクティスは必要ですか」のタイトルでM先生とのQ
and Aを載せたところ,数人の先生から同じような質問を頂きました。 そこで今月はそれらのご質問にお答えしながら「パターン・プラクティス」の効用について考えてみたいと思います。 まず,(1)の質問に関してですが,その先生にお聞きしたところ,先生が中学生の時にパターン・プラクティス的な授業は受けなかったとのこと。さらに聞いてみると,グループ学習やペアワーク,ゲームなどもよくやった記憶があると言っていました。大学の教職課程では英語科教育法でパターン・プラクティス的なことは教わらなかったそうです。 ●コメント 次に,(2)と(3)の質問ですが,これらの質問は,2年の後半から3年にかけてのパターン・プラクティス活動は生徒を飽きさせるがどうしたらいいか,ということです。よく聞いてみると,この先生方は3年生にはパターン・プラクティスをほとんどやらずに授業をしているとのことでした。フラッシュカードやピクチャーカードを使って,基本文の導入をするそうですが,すぐに本文の説明に入ってしまうのです。よくあることですが,その間,生徒たちは発話する時間がほとんどない状態です。その後のグループ活動やペアワークに時間をかけても,基本がしっかり身についていなければ,効果は上がりません。生徒を飽きさせない工夫をいろいろとされているようですが,いまいち生徒がのってこないというわけです。 ●コメント 例をNEW CROWN BOOK 3,LESSON 7「A Vulture and a Child」Section 2からとりましょう。 ここはいわゆる「間接疑問」を教えるところです。基本文はI know why she is there.です。Why is she there? とI know why she is there.を対比させながら教える前に私はこの2文をまず覚えさせます。理屈の前に覚えこませるところが私のやり方です。 次に82ページの「文法のまとめ」LESSON 7・2の例文を使いながらこれも覚えさせます。それから既習のwhy,what,who,when,where,howなどを使い,いろいろな間接疑問の形を提示し,口頭練習をさせます。その時に使う例文は生徒が興味を持ちそうなものを考えます。一例をあげると,本物まがいのゴムでできた「蛙」を手の中に隠し,I know what this is. Do you know what this is? --- Yes, it’s a frog. やI know why *Ms Sato went to Ginza yesterday.などを使います。(*佐藤先生は生徒の間で人気の先生) 私は題材も考え,たまたまケニアに行った社会科の先生から現地の写真を借りて,それを生徒に見せながら,間接疑問を含む文を暗誦させました。その他,新聞,雑誌等を利用してもいいし,また,生徒に資料として集めさせると,興味を持っていろいろな記事や写真,または品物を持ってきてくれます。 このようにいろいろと工夫をして生徒の興味・関心をひきつけることによってパターン・プラクティスも(いつもとは限りませんが)割合,新鮮な活動にもっていくことができるのです。英語の授業は,「アイデア勝負」とさえ言えるかもしれません。
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