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『アキラの地雷博物館とこどもたち』 アキ・ラー編著

久埜百合・佐藤令子・永井淳子・粕谷恭子 著

本体2,000円+税 A5 208頁 978-4-385-36269-4
2006年 9月20日 発行

英語活動に関して小学校の教師が抱えている課題100について、4人の著者がポイントを押さえてアドバイス。子どもたちと英語の出会いを確かなものにする、また活動の事例集もあり、授業づくりに活用できる。

著者紹介 目次 はじめに

著者紹介

久埜 百合(くの・ゆり)

中部学院大学客員教授、小学校英語教育学会(JES)副会長、日本外国語専門学校児童英語教育専攻科講師。長年、成城学園初等学校で英語を教えると共に日本児童英語教育学会(JASTEC)理事を務めた。NHK『えいごリアン2000〜2001』運営委員。著書に『こんなふうに始めてみては? 小学校英語』(三省堂)、『KIDS CROWN』(共著・三省堂)、『SANSEIDO WORD BOOK 1・2』(共著・三省堂)、『English in Action』(ぼーぐなん)、『2000語絵じてん』(監修・アルク)、など。

佐藤 令子(さとう・れいこ)

田園調布雙葉小学校英語科講師、国士舘大学政経学部非常勤講師、日本外国語専門学校児童英語教育専攻科講師。現在、日本児童英語教育学会(JASTEC)の運営委員として活躍中。著書に『FIRST CROWN指導用セット』(共著・三省堂)、『KIDS CROWN』(共著・三省堂)、『みんなあつまれ! 小学生のえいごタイム 小学校1〜3年編』(アルク)、『歌とゲームがいっぱい えいごプレーランド』(共著・光村教育図書)、など。

永井 淳子(ながい・じゅんこ)

東横学園小学校英語科講師、日本外国語専門学校児童英語教育専攻科講師。著書に『えいごリアン』(テキスト監修・NHK出版)、『うたって遊ぼう 小学生英語の歌』(共著・小学館)、『小学校の英語 教室で使える基本表現200』(共著・三省堂)、『KIDS CROWN』(共著・三省堂)、など。

粕谷 恭子(かすや・きょうこ)

聖マリア小学校英語科講師、日本外国語専門学校児童英語教育専攻科講師。著書に『えいごリアン』(テキスト監修・NHK出版)、『うたって遊ぼう 小学生英語の歌』(共著・小学館)、『みんなあつまれ! はじめての子どもえいご』(アルク)、『小学校の英語 教室で使える基本表現200』(共著・三省堂)、『KIDS CROWN』(共著・三省堂)、など。


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『ここがポイント! 小学校英語』■目次

1章 なぜ、英語を小学校で教え始めようとするのか

1 子どもが外国語と触れ合い始めるとき
2 外国語の中でも英語が主流になるのはなぜ?
3 なぜ、小学校で外国語と触れ合わせるの?
4 子どもが二つ目のことばを身につけられるの?
5 公立小学校教育に外国語(英語)教育を導入する必要性
6 小学校で英語を始めると、将来の英語学習にどんな影響があるの?
7 小学校から中学校までの9年間の到達目標は?
8 国際理解能力・異文化対応能力を伸ばすために、どんな視点が必要でしょう?
9 国際交流を図るために

2章 小学校で英語に取り組むときにおさえておくべきこと

10 どんなところで研修できるの?
11 年間カリキュラム
12 授業の回数はどれだけ確保したらいいの?
13 クラスサイズは? 人数が多いとだめなの?
14 授業の長さは?
15 小学校では英語をだれが教えるのがいいでしょうか?
16 何年生から始めるといいの?
17 学習環境・年間総授業時間は?
18 英語を聞いたら、なぜ子どもはわかってしまうの?
19 子どもは英語の何を身につけるの?
20 どんな能力を評価すればいいの?
21 子どもの学ぶ姿をどのように観察すればいいの?
22 子どもたちの習熟の記録をつける方法は?
23 どんな英語に子どもを触れさせたらいいの?

3章 授業の運営に当たって配慮すべきこと

24 一回の授業の目標設定は?
25 どうやって授業プランを作ったらいいの?
26 アクティビティを考えるのにどんな視点が必要なの?
27 担任の先生はどのような役割を担っているの?
28 外国人の先生との授業
29 先生が英語を身近に感じるためにどんなことができるの?
30 英語がわからないときに先生はどうする?
31 先生が初めて英語を使って授業をするときには、どんなことを心がければいいの?
32 英語との触れ合いの場は? 教室のデザイン(その環境作り)
33 普通教室でも英語活動ができるの?
34 英語教室・国際理解教室での英語との触れ合い

4章 どのように子ども英語と出会わせるか

35 子どもたちが英語を好きになるために
36 どんな英語を使うと、子どもたちは楽しめるのでしょう?
37 英語をどうやって聞かせると、聞く力が伸びるの?
38 英語のリズムやイントネーションを身につけさせるために
39 発音の練習には、どんなことをすればいいの?
40 カタカナで発音を書いてあげたほうがいいの?
41 思わず英語が口をついて出てくるようにするには、どうすればいいの?
42 英語を言えるようにするには、どうすればいいの?
43 身の回りの文字って、どんなものがあるの?
44 文字に関心を持たせるためには、どんなことをすればいいの?
45 読む力をつけるためには、何から始めるといいの?
46 文字は音を支えるの?
47 文字をどう見せたらいいの?
48 書かせるときにはペンマンシップから始めるのがいいの?
49 子どもたちが書きたい英語とは何?
50 英語を、言えるようになることと、読めること、書けること
51 文法は必要?
52 語彙を増やすために、どんなことをするの?
53 日本語で、英語の意味を説明してあげなくてもいいの?
54 どんなふうに日本語を使ったらいいの?

5章 英語の授業を進めるための教材あれこれ

55 授業ですぐに使える教材・教具にはどのようなものがあるの?
56 視聴覚教材の使い方
57 IT機器活用の授業
58 マザーグースって何?
59 歌にはどんな効用があるの?
60 絵本にはどんな効用があるの?
61 絵本の選び方
62 絵辞典にはどんなものがあるの? どう使えばいいの?
63 絵辞典を使ってどんなゲームができるの?
64 カードゲームにはどんなものがあるの?
65 授業で扱う素材にはどんなものがあるの? それをどのように調理したらいいの?
66 「国際理解」とよばれる授業で使える具体的な素材の例
67 内容重視の指導方法とは? Content-based Instruction

6章 気をつけておきたい指導技術

68 繰り返し練習は、役に立つの?
69 歌やチャンツは、なぜ大切なの? どんな効果が期待できるの?
70 早口ことばはどんな効果が期待できるの?
71 ゲーム感覚で英語の音に慣れましょう
72 子どもたちが自信を持って英語を使えるようにするためには、どんなことに気を
つければいいの?
73 文字指導の始めに子どもに気づかせたいこと
74 英語のルールを、どのように与えていけばいいの?
75 教えるのではなく、気づかせたい「英語のルール」
76 覚えさせることは大切なの?
77 練習のための練習にならないようにするには、どうしたらいいの?
78 対話のセリフを暗記させて行うスキット練習の効果は?
79 インタビューゲームをするとき、どんなことに気をつけたらいいの?
80 どんなペア・ワークがいいの?
81 Outputは急がない
82 語彙を増やすアクティビティ
83 TPRって何?
84 英語のリズム感を鍛えるアクティビティをするときに、注意することは?

7章 子どもが思わず英語を使ってしまうアクティビティの数々

85 色・数・形
86 動物
87 職業
88 食べ物
89 町の中
90 文字遊び
91 漢字遊び
92 ごっこ遊び
93 歌・ライム
94 早口ことば
95 なぞなぞ
96 ジグソーパズル
97 地図帳遊び
98 身近な教材を使ったアクティビティ
99 先生が教室で使う英語の、つなぎことば集
100 Teacher Talk


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<はじめに>

●この本ができるまで

 1992年に大阪市内(同学区)の2公立小学校と1公立中学校とが研究開発校の指定を受けて始まった英語を取り入れた実験的授業が、100を超える学校に受け継がれて、小学校への英語導入の是非についての研究が行われてきました。十数年を経た今、英語が5・6年生では必修化されるのか、小学校教育課程全体の中でどのように位置付けられるのか、気にかかる状況が続いています。

 2006年度に入った現在、公立小学校での英語の授業実践が報告されることが多くなったような気がします。でも慎重論が消えたとは思えません。小学校教員としてまさか英語を教えるとは思われなかった先生方が授業作りに知恵を絞っておられ、高学年だけでなく、低学年から導入し、指導方法を検討されているところもあります。地域によっては特区として、あるいは2005年度から始まった地域サポート事業の指定を受けて、今までの枠を取り外して授業時間や英語の指導者を確保するなど、新しい試みも行われています。

 私たち4人は、私立小学校で10年以上、深く子どもたちと関わって英語を教えてきましたが、最近では、公立小学校の英語の授業を参観したり、実際に飛び込みの授業をさせていただくことが多くなりました。またその都度、先生方とも膝を交えてお話をし、先生方が抱えておいでになる問題についてご一緒に考えることもできるようになりました。

 このような得がたい経験を通して、私たち自身の授業を振り返り、小学校英語とは、何を目指すものなのか、どういう手法が子どもたちと英語との出会いを確かなものしていくことができるのか、問い直すことができました。まだまだ疑問に思うこと、改善したいこと、たくさんあります。きっと気がついていない部分もあるかと思います。これからも子どもの学びの姿を直視して、私たちこそ学んでいかなければいけないのだ、と思わせられる毎日です。

 こうした私たちの試行錯誤の中で考え続けてきていることをまとめてみたい、という思いを、特に4人が関わった『KIDS CROWN プライマリーコース』(三省堂)の完成直後から強く持つようになりました。現場で、私たちと同じように授業のあり方について試行錯誤を続けておいでになる先生方に私たちの考えをお伝えしてみたい、というのが発端で、この本の執筆に取り掛かりました。

 小学校で英語を扱う授業をするに当たっては、100では納まらないくらいさまざまなことを考慮して、指導計画を練り、1回ごとの授業の内容を決め、教材や教具を用意し、指導手順を整えていきます。一応の授業が済んで記録をつけますが、次の年に同じ内容の授業をするときに、全くその通りの授業プランを繰り返す、ということは決してありません。去年とは別のグループですから、学習者である子どもたちの変容に合わせ、社会の動きにも合わせて、常に授業内容を検討し、指導技術を磨いていかなければならない、と思います。授業は、まさに一期一会、同じ日の同じ学年の授業でも、クラスが違えば何かが必ず違う授業になります。

 執筆を開始するために第一にしたことは、どういう視点で問題点をあげ、それに対して答えを出していくか、ということの4人の間での確認でした。今自分たちがやっている「子どもに英語と出会わせる」仕事について考えていることを、どういう切り口で読者にお伝えしたらいいのか、私たちはどのように子どもたちと向かい合っているのか、そんな思いをそれぞれのことばで語ってみよう、ということになりました。

 幸いなことに、私たち4人は、各自の私立小学校での指導経験の他に、少なくとも月に2回は時間をかけて勉強会を持ち、日本外国語専門学校という学校で児童英語教育を専攻している学生に数コマずつ担当して教え、公立小学校を訪ねて先生方と学び合う機会を持ち、お互いの考え方を分かち合う機会に恵まれています。同行の志として励まし合い、直面する問題を話し合い、指導技術を分かち合ってきました。それが、今回の本の中で実を結んだといえるでしょう。

●小学校教育における英語教育の位置付け

 この本を作ろうという話が持ち上がった頃、小学校英語の公立小学校における位置付けについては執筆の途中で文部科学省からの答えが出るかもしれない、と予測しておりました。その答えを待って、中学校進学前までにつけておきたい英語力、指導目標の設定、指導内容の選択、小学校6年間そして中学校に続く9年間に及ぶカリキュラムの編成、学年ごとの年間計画、週当たり授業時数、1回の授業の時間量、指導者の問題などについて具体的に私たちの経験に照らして書こう、という計画がありました。しかし、3月の5・6年生で必修化にする、という専門部会の報告のあとも、明確な答えは出ていません。したがって、具体的な提案をすることはできませんでした。多くの先生がおおよその見当をつけて年間計画を練り、授業技術を学び合い、新学期の指導計画を作成し、授業を始められたことと想像しています。

●この本を役立てていただくために

 まず、4人でどんな問題点があるか出していき、100ほどの項目をリスト・アップしてから、それを大きなテーマに括っていきました。

 最初の『1章 なぜ、英語を小学校で教え始めようとするのか』で、私たちが今まで十数年以上子どもたちに英語を教える機会を与えられて、子どもたちに英語を教えることの意味を考えてきたことをまとめました。多くの言語の中から、あえて英語を選んで、しかも中学校からは必ず英語を学ぶことになる子どもたちに、その前に英語を教える理由は何か、40年前から、反対意見はあった中で、なお、子どもたちのためになるのだ、と信じて英語を教えるエネルギーをくれたのはだれか、他ならぬ子どもたちではないか、という思いをいろいろな角度から書いてみました。

 そして、『2章 小学校で英語に取り組むときにおさえておくべきこと』では、ことばを身につけ、使ってみる、という子どもなりのプロセスを滞りなく進めていくために準備すべきこと、それに対して子どもはどんな「英語を身につけようとする力」を持っているのか、私たちが観察したことをお伝えしようとしました。

 次に、『3章 授業の運営に当たって配慮すべきこと』では、授業をする環境の整備、授業を作っていくときに用意すべき素材について、私たちの経験を通して書きました。環境作りで大切な要素の一つには、指導者の問題もありました。教師の言語観、教育観が問われていると思わせられた部分でもあります。

 続く『4章 どのように子どもを英語と出会わせるか』では、「こうやって教えて!」、「こんなことがわかるとおもしろいよ!」、と無言のうちに子どもたちから教えられたことの、基本となる考え方をご紹介しました。英語が使われている場に子どもたちを導いて、「聞く」力を伸ばし、わからないと思ったことが聞き続けることでわかるような気がするように仕向け、自分でも子どもなりの未熟で不完全な言い方でも心から言いたいことを英語で口に出してみると相手がわかってくれる、相手の言おうとしていることもわかろうとすると次第にわかってくる、このような経験を積み重ねることで、英語を使う勇気が生まれてくる、そのような授業作りについて書いてみました。学習経験が豊かにさえなれば、自然に「聞く」・「話す」・「読む」・「書く」力も湧いてくる、それを辛抱強く待つ指導の大切さにも言及しました。

 『5章 英語の授業を進めるための教材あれこれ』では、細部に及ぶ指導技術の前に、授業の素材や教材など、授業を支える教具や機器について身近なものをまとめました。そして、毎日の授業で一番気になる指導のテクニックについて『6章 気をつけておきたい指導技術』で、17項目をあげて書いてみました。これは、お読みくださる先生方からのご質問やご意見を伺えば、もっと項目が増えていく部分だったかもしれません。今後機会があれば、ご一緒に考えを広げ、そして深めていきたいと思います。

 そして、最後に『7章 子どもたちが思わず英語を使ってしまうアクティビティの数々』として授業の事例を集めて、皆様の授業作りに活用していただこうと思いました。私たちがそれぞれの授業で試みて、40人の子どもたちと楽しく英語を使うことができた実践済みのものの中から、まず手始めに取り上げていただけるものを選んでみました。

 幸か不幸か、私たちのクラスのサイズは、40人かそれに近いサイズです。公立小学校の条件と違うところは、外国人講師あるいは日本人講師のサポートがなく、一人の日本人教師だけがクラスを管理し、授業を進めることです。英語で活動するときに、英語教室のような少人数の活動とは違い、たくさんの子どもたちを一度に普通教室で動かして英語で表現することに慣れさせるものばかりです。これからの小学校英語教育の環境を考えると、担任の先生方が授業を進める場合も増えてくると考えられますので、先生方のクラスでもお役に立てるのではないかと思います。

 多くの公立小学校で授業を参観させていただいて考えさせられることがあります。それは、授業を「ゲーム」という形態にする手法が普及していて、子どもどうしの英語のやり取りをさせるために、ついつい「英語で言えるように」繰り返しの練習を多くしておられることです。子どもたちが多少未熟でも英語で言えるようになった頃を見計らって、教室を歩き回って友だちと出会い、ジャンケンをして質問する人を決めて英語のやり取りをします。その活動の間、子どもたちは、子どもどうしの発話を聞いており、せっかく担任の先生や英語に堪能な先生方がおられても、子どもたちの声が大きくて、その方たちが話されている英語を聞くことができないまま時間がたってしまうのです。子どもたちの不完全な英語をチェックすることは難しく、ただゲームが進行していきます。これを「慣れ親しむ」こととしていいのか、小学校英語の効果を問う英語教育研究者は、これをどう評価するのか、という疑問が湧いてきます。そして、何よりも「ゲームだけでなくてもいいんだよ」と言ってくる高学年の子どもたちの顔が浮かんできます。

 この事例集を教室で実践していただいて、私たちが意図した「アクティビティ」と、いわゆる「ゲーム」とを比べていただきたいと思います。

 この本は、最初のページから最後のページまで、順序よく読んでいただかなくても大丈夫です。項目別にお好きなところから読み始めて、また次の必要な項目に目を移していただいて、私たちが考えていることと先生方のご意見とが噛み合うものかチェックしてください。多くの小学校で実践されている指導内容や、授業での展開の仕方など、少し違うなぁ、と思われるところもあるだろうと思います。そんなところから、指導技術などについて議論が始まることを期待しています。

●小学校英語のカリキュラムをどう考えたらよいか

 カリキュラムについては、現段階で各学校の置かれた環境でさまざまな英語教育あるいは英語活動が行われていますから、小学校6年間のカリキュラムとか小中連携のカリキュラムを具体的に提案することは避けました。今後数年の間に、小学校で行う英語を扱う授業の指導目標が大方の了承を得られる状況になったときに、改めてカリキュラムの編成をしてみたいと思っています。そのときには、小学校6年間の英語という視野ではなく、中学校までの義務教育の中での英語の位置付けが明確にされていることを願います。

 文字指導についても、1992年に小学校に英語を導入する是非を問う実験的な授業が始まったときとはだいぶ状況が変化しています。情報教育の普及につれて、子どもたちはキーボード上でローマ字入力をすることに慣れ、アルファベットを全く知らない子どもはいなくなりました。そして、高学年で中学校の英語教科書を使う地域さえある現段階では、アルファベット文字を全く見せないで授業をする、という考え方は不自然にも思われます。

 どういう手順で文字に親しませるのか、きちんとした考え方を持たずに文字を導入してしまうと、思わぬ弊害も生まれます。「書く」ことの前に、英語を「読んでもらうこと」の楽しさを経験させ、聞きながら文字を眼で追うことに慣れ、「拾い読み」にチャレンジさせて、「文字遊び」をたくさん取り入れ、楽しい中にも文字との出会いが新たな情報をもたらしてくれることを気づかせたいと考えています。

 これも、小学校での英語指導目標が明示されたときに、子どもの文字への好奇心をかき立てるような指導方法を具体的にご紹介して、もっと学びやすい英語の学習環境を作ることができるようにしたいと思います。

 この原稿を書いている今も、小学校の先生方や教育委員会の先生方が日夜小学校英語の指導内容や指導方法について腐心しておられると思います。そして、心躍らせて進学してくる子どもたちを受け入れて、小学校英語の次のステップの指導を続けられる中学校の先生方も、言語材料導入の新しい方法について想を練っておいででしょう。小中連携がクローズ・アップされてきた今、子どもたちがわくわくしながら英語とのつき合いを続けられるように、そして英語を使いながら世界に友だちの輪を広げていくことができるように、心から願っております。

2006年6月  久埜百合


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