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1. 全体的な傾向今年のセンター試験にはリスニングが初めて導入されたが、筆記は出題構成・設問数・配点は昨年度と変わらず、影響はなかった。例年通り基本的な問題が多く難問はない。長文問題文の総語数も昨年度とほぼ同じである。全体として昨年度より易化し、平均点は昨年より約10点高くなった。しかし、例年同様、まぎらわしい設問選択肢がいくつかあるので油断は禁物である。 コミュニケーション能力の問題としては、 また読解力では、 長文問題の第4 問、第5 問、第6 問の総語数は昨年度とほぼ変わりない。素直で読みやすく、難易度はそれほど高くない。 2. 具体的内容分析<第1問>形式、配点ともに昨年度と変わらず。 A アクセント(4点)文脈の中で単語のアクセントを問う問題。品詞によりアクセントが異なる位置にある単語は出題されなかったが、昨年度は出題されなかった、いわゆるカタカナ英語が復活した。また、今年は全て3音節以上の語が問われている。アクセントのルール(-graph, -al, -logy のアクセントの位置)を知っていれば問題ないが、感覚で答えるのは危険である。 B 文中での単語の強勢(12点)会話(100語強)の流れと、前後の発言内容からポイントとなる語を判断する問題。下線部(1)のruined のような新情報を読み取る能力と、下線部(3)のTと前文のEverybody といった対照・対比されている事項を論理的に捉える能力が問われる。 <第2問>形式、配点ともに昨年度と変わらず。 A 文法、語法、語彙(20点)文法、イディオム、構文、語彙能力を判断する問題。動詞の形を問う問題(have +O+過去分詞〔問4〕、allow +O+ to 不定詞〔問8〕)は引き続き出題されている。また、単語自体の定義問題はなくなり、語法やコロケーションの力を併せて要求する問題(come about〔問5〕、would rather〜〔問7〕等)が目立つ。実際のコミュニケーション活動において使われる基本的な慣用表現の知識が問われる。 B 対話文完成(6点)対話文を完成させる問題。発話数が4つに増えた。空所の直後のせりふを参考に、どのような意図のせりふかを考える。全体の文脈の流れをしっかりつかんだ上で会話特有の慣用表現(Here you go.〔問1〕、It just slipped my mind.〔問2〕等)も理解しておく必要がある。 C 語句整序(12点)各文の中に必ず含まれる文法項目(help +O+動詞の原形〔問1〕、関係代名詞what〔問2〕、are not permitted + to 不定詞〔問3〕)を使って意味の通った文を作る問題。文法とともに、「〜歳以下」〔問3〕といった、日頃普通に使っているフレーズを英語でどう表現するかにも常に関心を払っていたい。 <第3問>形式、配点ともに昨年度と変わらず。本文の語数は昨年度より約50増加。 A 接続語補充(6点)文と文をつなぐ語(句)を選ぶ問題。今年は対比と追加を表す副詞句を埋める問題であった。空所の前後の文脈を把握し、順接や逆接、理由、譲歩、要約等のつながりを正しく理解し、論の展開がどのようになされているのかを正確に読み取る力が問われる。 B 文整序(10点)短いパッセージの中で文を適切な順に並べかえる問題。文章全体の流れ、特に空所の前後の文脈を理解してから解くことになる。選択肢の文中の代名詞や指示語(this shyness, this plan〔問2〕)が何を受けているか、接続を表す語句で話がどのように展開されているか(However〔問2〕)、また、冠詞や指示代名詞の使い分け(a more advanced system→The system→ a system like this〔問1〕)に気付くことが大きなポイントとなる。 C 適文補充(18点) 冒頭に示された文を段落のどちらかの場所に一つずつあてはめる問題。選択肢の文中、及び挿入箇所前後の代名詞や指示語、接続する語(句)に気をつけ、論が正しく展開するよう当てはめてゆく。 <第4問>(35点)図表読み取り読解。解答数、配点はともに昨年度と変わらず。本文の語数は昨年度より約50減少。図表を参考に、展開される論から的確な情報を得る力を問う問題。例年通り、3 〜4 項目が比較対照される説明文になっている。図表があるといっても、あくまでも本文を正確に読み取る力が基本となる。計算をして答えを導く問題は出題されていないが、図表読み取りの力は依然要求される。 <第5問>(32点)会話文読解。解答数、配点はともに昨年度と変わらず。話者の数は昨年に引き続き4人。 空所補充〔問A〕は会話表現が入る場所を問う問題。各々のせりふの意図するところは何か(同意・反意、話の転換等)を読み取る。本文を一通り読んでから取り組んだ方がよいだろう。イラストを選ぶ問題〔問B・C〕では本文の途中で選んでしまうことのないように。話の展開次第では、ある一文だけで判断すると誤った答えを導いてしまう可能性も。ひとつひとつの事項を最後まで順を追って確認していく慎重さが要求される。 内容一致問題〔問D〕では、本文を読み進めながら述べられている内容を正確につかむことが大切である。 <第6問>(45点)長文読解。解答数、配点はともに昨年度と変わらず。本文の総語数は昨年度より約30減少。物語文を読んで質問に答える問題〔問A〕と内容一致問題〔問B〕の2 種類。物語ではあるが、回想を含めた場面展開に注意する必要がある。 登場人物の細かな心情が問われる(直接的には本文には書かれていない)ので、会話や話の展開からより深い読み方ができる力を養っておく必要がある。また、正解の選択肢は本文に載っていない単語(表現)で求められる場合も多いので、基本的な類義語力も必要とされる。 3. 昨年度通りの点[1] マーク数及び配点
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