三省堂 英語ホーム > 高等学校英語 > 『三省堂高校英語教育』 > 2005年 夏号 授業展開例[3-1] | ||||||||||||||||
大阪市立中央高等学校 東川直樹 ●はじめに どうすれば生徒たちは、より積極的にリーディングの授業に参加してくれるのでしょうか? 生徒たちが興味・関心をもつ題材とはどのようなものでしょうか? 多くの先生方がそのような問題意識をもっておられるにちがいありません。 事実、本当に「読んでみたい」と云う気持ちになったとき、生徒たちは積極的に授業に参加してくれるようになります。生徒たちの知的好奇心をいかにして満足させ、リーディングの授業を進めるのか?『EXCEED
English Reading』を素材にして考えてみたいと思います。 ●EXCEED English Seriesについて 基本理念は大別して2つあります。一つ目はことばを「知る」「考える」「使う」ことによって、高校生が潜在的に持っていることばの感性と言語観を育むことです。2つ目はことばの学習という核を通して、高校生が自己や自文化にめざめると共に他者や他文化を受け入れ、人類の課題である平和、人権、共生に資する素養をはぐくむことです。 『EXCEED English Reading』の特徴としては次の5点を挙げることができます。
ここで、『EXCEED English Reading』の題材の特徴について、簡単に触れておきたいと思います。題材論の観点から言えることは次の2点です。 a.ことばに関する題材が多いこと 昨今、他者との摩擦回避という点からも、ことばの教育の重要性は高まるばかりです。『EXCEED English
Reading』では、ことばの諸側面に着目し、ことばそのものについて考えるきっかけを与えるような題材がいくつか取り上げられています。 さらに、若者の視点を取り入れた題材により、リーディング教科書が高校生にとってより身近なものとなり、興味・関心をひくものとなるでしょう。
●効果的な授業を進めるために 各本課本文の最初にはPre-reading Activities用の写真とBefore You Readが載せてあります。生徒たちの興味・関心をひきつけ、題材スキーマを活性化させるねらいがあります。 本課は、各課(1課を除く)すべて4セクションで構成されています。1セクションは1頁または2頁構成です。各セクションのQ&Aを活用して、授業の流れを作っていくことができます。指導書にはQ&Aの補充問題も載せてあります。 各課末にはCheck It Out(本文の内容を確かめる活動)、It's Up to You(課のテーマに関する簡単な自己表現活動)、Just Do It(文法・文型の定着をはかる活動)、Read It Aloud(本文から抽出した語句・文章で朗読の練習)、Take It In(その課に出ている文法・文型や連語・熟語の確認)があります。多角的な言語活動を通して、リーディングの基礎・基本が身につくよう工夫してあります。 また、通常の本課本文に加えてReading Plusが各レッスンの後に配置されています。これは日常生活や学校生活で「読む」必要のあるauthenticな教材を取り上げたものですが、比較文化的な題材として、生徒たちが新たな発見をし、問題意識をもって考えるきっかけになることでしょう。 本教科書では付録として、読み方のポイントを整理してあります。適宜参考にしながら、リーディング・スキルの指導を行うことができます。 先生方の中には本課本文の英文の量がやや少ないのではないかと懸念される方もおられるでしょう。本教科書では英文の量的不足を補うために各課に発展教材(教師用指導書[1]『解説と指導編』発展教材)が用意されています。とにかく少しでも多くの英文を生徒たちに読ませたいという場合は、この発展教材をフルに活用するのが効果的です。 ●EXCEED English Readingの付属教材 教師用指導書(オーラル・イントロダクション、題材資料など)、ワークブック、評価問題集、指導用CD/テープなどの教材類、映像など関連資料等を用いて、効果的な授業を行うことができます。例えば、付属のCD/テープは音読や聞き取りなど、音声面の指導に活用できます。センター試験のリスニング対策にも必ず役立つはずです。
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