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三省堂 英語ホーム > 高等学校英語 > 『三省堂高校英語教育』 > 2004年 夏号 授業実践レポート 4(1)

三省堂高校英語教育 2004年春号
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授業実践レポート 4

新課程教科書『SELECT Oral Communication I』を使って 英語T+OCT=総合英語―相互乗り入れについて―

京都文教高等学校 平井正朗 

1. 雑感

 英語を教えるという点はまったく同じでも、今までなら英語Tは日本人教員によるgrammar translation method、OCTはネイティブ教員による簡単な英会話という捉え方が一般的であり、2つの別科目というイメージが強かった。しかし、実践的コミュニケーション能力育成という社会的ニーズ、さらにセンター試験におけるリスニング導入とそれに伴う「受験対策」の一環として、4技能をバランスよく指導し、英語力のみならず論理的思考力を高める方法論構築が急務となり、英語T(教材はCROWNT)とOCT(教材はSELECTT)をリンクさせることになった。本稿では英語TとOCTの「相互乗り入れ」の中からネイティブ教員が担当するOCTの授業展開とその相乗効果、並びに生徒の反応についてコメントしてみたい。

2. SELECTTと授業

 言語の使用場面を重視した、いわゆる「概念機能シラバス」による構成のSELECTTの特徴は、形式面では「段階ステップ的」な指導ができること、内容面では易から難へ移行させつつ「楽しく」指導できることである。KEY EXPRESSIONSはtarget sentenceとしてインプットしてもらう必要があるが、事前の予習を徹底し、1文につき音読10回を義務づけている。<生徒たちの声>をまとめると1年間まじめに音読し、暗記するくらいまで練習すれば、簡単な日常会話では困らなくなり、STEP英検の2次試験などで役立つそうである。授業ではコーラス・リーディングをしてから、まずPOINTSで文法事項を解説し、SOUNDSで語の強勢位置を確認する。次にシャドーウィングやディクテーションをおこないコミュニケーションへの<素地>をつくり、CHECKを活用してナチュラル・スピードに慣れるような導入を試みている。英語TとOCTをリンクさせることが基本的なコンセプトであるから、日本人教員とネイティブ教員の打ち合わせを頻繁におこない、語法・文法的側面にとどまらず、内容面についても連携を図ることにしている。WARM-UPはKEY EXPRESSIONSの音声面での定着を促し、理解度や到達度を再確認する上でも効果的であった。LISTENINGは、KEY EXPRESSIONSで培った基本表現を土台に表やイラストの中から正解を「聴き取る」練習であるが、これらは「センター対策」にもなり、テーマによってはかなり集中度を高めることができた。(Les 3, 7, 8, 9, 11など)COMMUNICATIONにおけるSPEAKINGは、KEY EXPRESSIONSをベースに、生徒自身の立場に置き換えて「発話する」練習である。置き換える語句がWORDS&PHRASESから選択できるようになっており、リスニングの「苦手意識」を助長しないような工夫がなされているため、達成感を付与することができた。INTERVIEW(13課中の6課)は、予めインタビューメモを生徒に完成させておくよう指示し、授業ではPRESENTATIONを通じて皆の前で発表させ、必ず何らかの「褒め言葉」をかけ、コミュニケーションの楽しさを味わわせてから矯正している。(もちろん、イントネーション、声の大きさ、積極的にコミュニケーションしようとする意欲があるか否かなど評価しているが…)PAIR WORK(13課中の4課)は相手の情報を引き出すやりとりであるが、ゲーム感覚で学習することもできるため一層盛り上がる。(収録されている算数ビンゴゲームはかなり集中力をもって聴かなければならない)INTERVIEWとPRESENTATIONは「積極的にコミュニケーションする態度」を涵養するだけでなく、中学での学習内容と連動することによって、スパイラルな学習効果が期待できる。Les 7の「道案内」とLes 8の「観光案内」ではピクチャーカードを用いて授業をすると疑似体験が可能になり、地元京都の文化に関する興味・関心も増したようである。また発展的なレベルでは日本文化における文化人類学的視点でのレポート提出やディベートも構想されている。ROLE PLAY(13課中の3課)では、教える側がモデルとして「演技し、生徒を引き込む」ことによってかなり授業が活性化された。生徒が女子(平成16年度より男女共学)だけなのでLes 9の「買い物」、Les 10の「食事」、Les 11の「電話」のテーマはすべて日常生活における興味・関心に直結するだけでなく、異文化理解の動機づけになったことは事実である。Challenge!! は「センター対策」としてはうってつけである。ここではネイティブの英語を聴いてその質問について英語で書き取るという練習をすると効果的である。以前なら音声を聴いて質問の応答として適切なものに○をつけるというパターンの小テスト形式であったが、最近では「聴く」だけでなく、「書く」ことによってより一層の定着を図り、4技能習熟への相乗効果が工夫されている。Les 10, 12, 13ではスキットを生徒自らが創作できるようになっているので、休暇中の課題として与え、クラスで発表する機会を設けるようなシラバスをデザイン中である。

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