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三省堂 英語ホーム > 高等学校英語 > 『三省堂高校英語教育』 > 2004年 夏号 授業実践レポート 3(1)

三省堂高校英語教育 2004年春号
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授業実践レポート 3

新課程教科書『VISTA I』を使って 発展学習―知的好奇心をかきたてるために―

三重県立白山高等学校 伊藤 毅 

習熟度別の授業:

 本校1年生では、4月にプレースメント・テストを実施し各クラスをC(Challenge)クラスとS(Standard)クラスに分けた習熟度別授業を行っています。2学期に入ると個々の生徒の学習の定着度からクラス分けを再考して、C⇔Sの交代も行います。生徒の人数配分はSクラスを少なく(10名前後に)し、基礎的事項の復習や定着をはかるようにしています。2年生も同様に習熟度別授業で、両学年とも定期考査はC・S統一した試験問題を使用しています。また、語彙を自学習とし週1回の割合で単語テストも行っています。

 少人数形式の利点は特筆するまでもありませんが、とにかく個々の生徒の学習状況がよくわかります。とは言っても、こちらが期待するような英語でのinteractionはまだまだ乏しいですが、人数が少ないと必然的に自分の考えを発言する機会が増え、communicationに対しての積極的な態度がでてくるようになります。

 「VISTA English SeriesT」は今年度初めて採用した教科書で、英文の分量や扱っているトピックなど、本校の1年生にとっては親しみやすい内容であるという点から採用しました。

生徒のようす:

 本校の生徒は全体的にけっして向学心旺盛とは言えず、中学校段階まで学習に対して苦手意識が強かった生徒も多くいます。なかでも英語や数学などの座学の授業では時間中の集中力や興味関心を維持させることに指導者側は多大なエネルギーを使います。まず取り組む姿勢や意欲を喚起してからでないと、なかなか学習内容の理解や定着が難しい実態があります。1年生のなかにはアルファベットの文字指導が必要な生徒もいて、新学期当初は補習で『ビーコン英和辞典』(三省堂)の「中学英語の復習ワーク・英和辞典の引き方ワーク」を使ったりしながら学習の遅れを補いました。そのため、授業が軌道に乗るのは例年1学期の半ばを過ぎてからになってしまいます。

 多くの生徒にとって英語学習(外国語学習)に対しての自発的な動機づけが乏しいため、詰め込み式の授業パターンに陥ると、とたんに「やっぱり英語って難しいなぁ」という意識が台頭してしまい、学習から逃れる悪循環になるようです。とにかく「興味関心の喚起・持続」と「学習の習慣づけ・定着」がキーワードになるわけですが、両者のバランスをつねに意識しながら授業に臨んでいます。「興味関心」に関しては、とにかく難しい内容での導入は不適で、いかに彼らの日常生活の中に関連を見つけるかがポイント。メディアで大々的に報道されているようなニュースでも、生徒個人の生活とどう結びついているのかが理解できないと対岸の火事になってしまいます。「学習の習慣・定着」については、「教材はよりシンプルなものがいい」というのが現時点の判断です。何冊にもわたる教材を使用するよりも、少ない教材で使用する方法を工夫するほうが、生徒の反応がいいことが最近わかってきました。最初から多大な情報を与えるより、シンプルなトピックを掘り下げていく中で情報を肉付けしていくやり方のほうが、生徒の混乱は少ないようです。例えば、環境問題を扱ったLesson 6 Trees, Rivers and the Seaは「環境保護」をテーマにした内容で、森林・河川・海洋は密接に結びついていることを、テレビのニュース番組で放送しているようなスタイルでレポーターが報告しています。このLessonの授業は本校の地理的条件を利用したものになりました。本校は三重県中部、雲出川という一級河川の中流域にあたり、上流の地域ではスギやヒノキを中心とした林業が盛ん、下流には大きな三角州が広がりその先は伊勢湾です。生徒にとって森・川・海の自然環境のリンクを、自分たちの住んでいる地域におきかえて理解することが容易だったわけです。また、内容の理解や説明でたいへん役に立ったのがTeacher's ManualAの題材資料編。「興味・関心」をさらに広げて生徒の知的好奇心をかきたてる資料がわかりやすく載っているので、各Lessonでも多用し重宝しています。このLessonでもそれを頒布用にして、魚が集まる海岸線の環境を説明したところ好評でした。以前NHKの番組で放送された、日本近海のニシン漁獲量の変化は森林の乱伐に一因があったという話題にもふれ、スーパーで売られている「数の子」が実際どこで獲れているものかを確認してくる宿題を出したりしました。生徒にしてみれば、「ムズカシイ英語」を勉強しているという呪縛から解放され、あるテーマにそって探求していく際に、英語がひとつのツールとして機能している感覚で取り組むことができたように思います。

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