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三省堂 英語ホーム > 高等学校英語 > 『三省堂高校英語教育』 > 2004年 夏号 2004年度センター試験の分析と対応(2)

三省堂高校英語教育 2004年春号
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2004年度センター試験の「分析と対応」

東京学芸大学教育学部附属高等学校 渡辺 聡

4. 昨年度と変化のあった点

(1)語の定義問題が減少した。(第2問A)
 とはいえ、日頃から英英辞典を使い、和英辞典からはわかりにくい英語でのニュアンスの違い、また日本語では区別がなくても英語では異なる語がある類義語の違いには日頃から注意を促したい。

(2)文法問題が増加した。(第2問A)
 上記(1)の代わりに文法問題が増加した。動詞の形が問われることが多いが、形容詞、接続詞や代名詞も問題となっているので、基本的な文法事項は再度確認させたい。

(3)長文問題の総語数が増加した。
 ただし、それによって難易度が上がったわけではない。

5. 新傾向の点

(1)代名詞(it)の指す内容を問う問題ができた。(第5問C)

※画像をクリックすると拡大します。

6. 日頃の学習で大切なこと

(1)毎日の授業を大切にすること。
 昨年もこの欄で述べさせていただいたが、1時間1時間の学校での授業にしっかりと取り組むことが、基本的な英語の能力を問われるセンター試験では何よりも大切である。予習をして授業に臨み、授業内で疑問を解決し、文章を正確に読み取る力を育てる。そしてインプットした英語を今度は書いたり話したりしてアウトプットし、自分のものとする。狭い視野で考えることなく、英語という言語を広く理解しようとする態度の育成に力を注ぎたい。基本的な事項を繰り返し繰り返し授業で学習するうち、センター試験に対応できる能力は十分につくはずである。

(2)ネイティブの英語を聞き、音読をすること。
 リスニング能力の向上の基礎となるのは、自分でも声に出して読んでみる音読にある。OCはもちろん、英語Tや英語Uの教科書であってもモデルの発音を聞き、生徒が自分の耳で聞き取った音をまねて声に出して読むことが大切である。読むためには内容を理解する必要が出てくるし、音に集中すれば字づらからではわからない英語特有の音の仕組みも体験的にわかってくる。無理に暗記をするという意識ではなく、何回も何回も繰り返して読み込んでゆけば、なによりも、英語に対する興味、関心が必ずや増すはずである。

(3)あらゆる事項を総合的に関連づけること。
 センター試験といえども英語という語学を基にしているものであるから、単に単語や熟語を一つでも多く覚えれば点数が取れるというものでは決してない。いわゆる文法問題も単発のものとして扱うのではなく、教科書の中で該当する箇所が出てきたときに改めて確認したり、社会問題がテーマの教材の場合には関連する報道を取り上げたり(日本語でもよいから)生徒同士で議論させてみると、英語はただ単なる暗記科目であるという意識から脱却できるであろう。

7. 最後に

 センター試験は高校で学ぶべき基本的事項が身についているかを試すものである。その場限りの丸暗記的な、単発的な勉強方法ではなく、日頃の地道な努力を積み重ねてきた生徒が大いに報われる問題となっている。このような生徒をいかに育てていくか、簡単そうで実際は難しいが、とても大切なことであると思われる。

 また、コミュニケーション能力の重視と言われて久しいが、これからの時代を見据えると、英語という言語を媒介にしていかに国際的に通用する人間を作り上げるかがポイントとなろう。そのため、英語と接する際に表面的なことがらだけを追うのではなく、論説文では行間を読んだり、小説では登場人物の心情を深く察知したりする能力を育成することも大切になるであろう。

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