1. はじめに私は小学校の教師ですが、大学時代に英語の教員免許を取得し、英会話スクールに通い、TOEFLや英検準一級を受けるなど、英語に関して何らかの勉強をしていました。それは、国際化が進む中、英語が当然必要となると考えたからです。また、文部科学省のREX計画により、アメリカの公立小学校に派遣され、2年間バイリンガル教育に携わった経験もあるため、小学校の教師の中では英語に関する意識は以前から高かったと思います。 現在も少なからず英語の学習を続けています。ただ、学校では日々の業務、家庭では家事に追われ、自分の勉強に当てる時間はほとんどありません。また、小学校の教師は英語を教えることが主な仕事ではないので、他教科に関する研修がたくさんある中、英語の学習に時間を割くことは、大変努力のいることだと思います。そこで、私は時間をかけない勉強方法をとっています。それは、英語で考える習慣をつけるということです。以下、具体的に紹介します。 2. 私のブラッシュアップ法a) 英語で考える習慣をつける私は、家庭生活や学校生活に関するあらゆることをできるだけ英語で考えるように心がけています。常に「これは英語で何と言うのだろう」と考えています。考えてもわからないときは、必ず電子辞書で調べたり、職場にいるネイティブスピーカーに尋ねたりしてその場で解決します。そのため、片時も電子辞書を手放したことはありません。 学校では、児童への語りかけをできるだけ英語で行っています。もちろん、児童が意味を予想できる範囲でのことですが、常に英語で考え英語を発話することは私自身の英語の訓練になります。小学校では、学級担任は一日中児童と一緒にいますので、授業のみでなく、掃除、給食などあらゆる場面で、英語表現を使うわけです。その一部を紹介します。 (給食) (掃除) (朝の健康観察) (その他) 授業についても、内容は国語・算数にはじまり、体育・家庭科など8教科にわたりますので、かなりの広範囲の英語に触れることになります。例えば小学5年生の学習内容では以下のような単語が出てきます。日本人にはあまりなじみのない英語かもしれませんが、ネイティブスピーカーなら小学生でも知っている単語であると思うと当然知っておきたい英語です。 (Mathematics) (Science) b) 余暇を英語で楽しむ時間をかけない勉強法の2つ目は、余暇を英語で楽しむことです。私は、アメリカのテレビドラマが大好きなので、ケーブルテレビで最新のドラマを楽しんでいます。バラエティー番組やCNN newsも時々見ます。これらを英語で見て、ネイティブらしい英語表現を聞いたり、アメリカ人のものの考え方等を学んだりしています。 c) 自分の力を測るこつこつと勉強する時間は取れませんが、時々自分の力を測るために問題集を解くことがあります。TOEFLや英語検定の問題集を解き、以前に比べ英語力が低下していないかをチェックします。また,年に一度ですが、新聞に載る大学入試のセンター試験問題や国立大学の二次試験問題を解きます。 3. おわりに私が英語の学習を続けるのは、英語を使って、世界の人々と会話することや、本やインターネットから海外の情報を得ることが楽しくて仕方がないからです。私が英語を楽しむことで、担任している学級の子どもたちへも影響を与えています。子どもたちは英語での受け答えが日常となり、英語に対する抵抗がなくなっています。 また、もっと英語を知りたいという思いから、たくさんのことを質問しに来ます。これからも英語の学習を続けていきたいと思っています。 上原 明子 (かんばる あきこ)
大野城市立大野南小学校教諭。平成5〜7年、文部省の派遣で米国フォックスミル小学校にてイマージョン教育に携わる。福岡県教育センター専門研修員として、教員向けの研修をすすめるとともに、小学校における英語活動に関する手引き書を作成。学校現場に戻ったのちも、担任だからこそできる英語活動のあり方を研究・実践。文部科学省「小学校英語活動研修講座」、「ALT来日直後研修会」の講師を勤める。
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