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| A先生: | たまには授業で詩でも読んでみたいのですが,なかなか時間がとれなくて…。 | 
| B先生: | そう,私も詩は好きだから,何とかして生徒に詩の美しさを味わわせたいと思っているのですが,何しろ日々の喧騒の中ではなかなかその気分になれなくて…。 | 
| C先生: | 詩や歌もいいけれど,教える自分自身が好きになれないと,たとえ教科書にあっても素通りしてしまうよね。それに,確かに時間もないし…。 | 
このように,いろいろな意見が出ましたが,結論的には「時間がない」ので,そこまで手が回らないとのことでした。そこで,私は一席ぶたせていただきました。
| 私 : | 週3時間の授業の中で,さらに行事で授業がつぶれたりして,先生方に余裕がないのはよく分かるけれど,そうやってもんもんと授業を続けていても,やっぱり余裕はうまれません。ここで思い切って,たまには方向転換してみたらいかがですか。 | 
| 先生方: | ??? | 
| 私 : |  皆さんは「不定詞の用法などを口をすっぱくして教えても,生徒がなかなか覚えてくれない。どうしよう」などとストレスがたまるほど考え込んではいませんか? たまには「今日は不定詞の勉強や動名詞の勉強はやめよう!」「文法だのなんだのは置いといて,今日はこれをやってみよう!」と,例えば,NEW 
              CROWN 2の付録(p.104)にある「詩」をポンと生徒の前に出してみてはいかがでしょうか。 
               What are heavy?  このほかにもMother Gooseなどを出してみるのもいいでしょう。英語の詩は,日本語の詩とリズムやライムが異なっているので,何回も声に出して暗誦できるくらいに指導すれば,英語に特有の語感や音感の基本が身につくと思われます。  | 
			
| A先生: | しかし,生徒はそれだけで満足するでしょうか? | 
| 私 : | 多分満足しないと思います。 | 
| B先生: | とすると,あとは? | 
| 私 : |  私は,このあと生徒たちに言いました。「さて,今度は君たちが自分で英語の詩をつくるんだ」。生徒は,「ええっ,詩なんて書けねえよ」「難しいよ」「無理だよ」などと言っていましたが,「イラストをつけてもいいよ」などと言いながら,用紙を配りました。「少し無理かな」とも思いましたが,わずか20分くらいで書いた生徒もいました。p.105にあるような手引きを参考にしてもいいですが,私は自由に書かせました。生徒の作品を見てみると,実にすばらしい詩を創作しているのですね。われわれ教師が思いもつかぬ感性を生徒は持っているのです。私が墨田区の両国中で教えたときの2年生の作品がいくつか手元に残っていましたので,それをご覧に入れましょう。(いずれも原文のままです。) 
               Spring Sky Music And I  今はもう30代半ばになっている,当時の生徒たちの作品ですが,どうでしょう。なかなか読ませる詩でしょう? まだまだたくさんありますが,ふだん授業であまり目立たない子が,はっと思わせるような詩を創作したりするのです。もちろん,それがきっかけになって英語を好きになった生徒もいましたし,‘Music 
				  And I’を書いた生徒は,音大卒業後にイタリアに留学し,今は歌姫として活躍中です。  | 
			
| 先生方: | うーん,なかなかやるもんですね。でもうちの生徒はどうですかね。 | 
| 私 : | いや,やってみれば,はっとするような詩を書く生徒は必ずいるものです。ただ,彼らはつくるきっかけも機会もないだけの話なんです。先生方の「やってみよう」という意気込みさえあればできます。生徒たちの新鮮で鋭敏な感性を引き出し,それに気づかせてあげるのは,われわれ教師の大きな役目ではないでしょうか。不定詞や動名詞を教えることも,もちろん大切です。しかし,時には定番の「復習―導入―展開―整理」という型を破って生徒たちの琴線に触れる授業を目指してみることも必要でしょう。極端なことを言えば,不定詞や動名詞は塾でも教えてくれるかもしれない。しかし,「詩」を教えることは,日々生徒と生活をともにしている学校の先生だからこそできるのです。 | 
| 先生方: | 改めて言われてみると,その通りですね。とにかくやってみたいと思います。 | 
| 私 : | きっといい結果が出ますよ。期待しています。 | 
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