授業の始まりはどうしていますか。導入や展開部への移行はどうしていますか。
…と逆に質問しました。いろいろと話していくうちにだんだんわかってきました。つまり、授業の始まりが紋切り型なのです。「特に問題がない」のが問題の発端だったのです。それに授業の組み立てに余裕がないというか,または柔軟性がないというか,とにかく生徒の目を奪うような独創性、簡単にいえば創意工夫が足りないのですね。例えば,「初めのあいさつ」です。
T: Hello, everyone. How are you?
S: Fine, thank you. And you?
T: Fine, thank you.
これで授業が始まるのですが,実はこのあいさつの対話はここでプツンと切れてしまうのです。切れたところで,いきなり導入部に入っても生徒はなかなか英語モードに切り替わりません。やはり授業の始まりはその授業の雰囲気を教師がまず醸し出すことが大切ですね。そこが工夫のしどころなのです。例えば,Fine, thank you. And you? と生徒が一斉に言ったら,Fine, thank you.の代わりに,I’m OK, but I’m a little tired because I watched TV last night...などと続けていくと生徒たちは「何,何?」と興味を持って聞きます。生徒が「なんの番組ですか」とか「きっとアレを見たんだ」などと乗ってくればしめたもの。教師がやさしい英語で答えていくうちに教室は英語モードに切り替わります。そのためには教師はその日の授業のためのネタを探さないとだめですね。「何にしようかな」「よし,今日はこれを使って連中をびっくりさせてやろう」などと考えるのも楽しいものです。
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