



先日,T区の10年目研修のための研究授業と研究協議会に招かれました。研究授業は,やはり10年の経験を活かしただけあって,なかなかの見せる授業でした。生徒の「のり」もよく,ほぼ全員が理解できていたようでした。充実した50分でした。
さて,今回のフーンコラムでは,後半の,英語科の研究協議会でお話した内容を振り返ってみようと思います。
テーマ :生徒の「生きる力」を伸ばす教育活動
サブテーマ :[1]指導力を向上させるには [2]指導と評価の一体化について |
0.「生きる力」について

.「生きる力」とは?
.以下のような『「生きる力の」3要素』が考えられます。
(1)確かな学力(問題発見能力・問題解決能力・忍耐力等)
(2)豊かな人間性(自己を律し他を思いやる気持ち・ボランティア精神等)
(3)体力(健康な体と精神・スポーツへの関心と参加等)
1.教師の役割について
.「生きる力」を身に付けさせるためにするべき教育活動とは?
.以下のような授業へ向けての創意工夫が必要と思われます。
・生徒の興味・関心・意欲を引き出す授業
・生徒にとって分かる授業
・厳しいが楽しい授業
・豊かな人間性を育む授業
.授業力(指導力)を一層伸ばすには?
.以下のようなことを心がけるとよいでしょう。
・研究授業の積極的な体験
・計画的な授業の構築
・教師としての高い理想の追求
2.評価について

.評価をするときの基本的な考え方は?
.まず,生徒一人ひとりのための「値踏みとしての評価から支援としての評価」へ向けて,絶対評価(個人内評価)をうまく活用していきたいものです。また,生徒も評価に参加(自己評価)させることで,自己を反省し,修正し,改善する力を高めさせていきたいものです。
.指導と評価の一体化とは?
.端的には,指導の結果を評価し,その評価結果をもとにして,次の指導への「手立て」を得ることです。すなわち,教師にとっては自分の指導について何かを学び,課題を見つけ,解決の緒を探ることであり,生徒にとっては自分の学習について何かを学び,課題を見つけ,解決の緒を探ることです。
.評価の実際はどうなっている?
.まず,はじめに,情報収集をします。その過程では,観察・ポートフォリオの作成・作品提出・テストなどの手段により,かなりの情報が集まります。これらの情報から評価結果を「総括」し「通知表」に反映させていくというのが評価の実際です。
.望ましい通知表とは?
.適切な情報量の盛り込まれていることが必要です。具体的な学習活動や到達目標に即した評価結果を,個人内評価も含めて盛り込み,生徒や保護者にもよく分かるものにして,次のステップへの糧としていきたいものです。
.個人内評価は何故,必要?
.個人内評価をすることにより,まず,その先に,生徒の学び続ける姿勢が期待されます。そのことにより,「学び続ける社会」を構築し,よりよく生きようとする力,生きたいという意志,すなわち,まさに冒頭で述べた「生きる力」を育むことになるからです。

以上が大体の骨子です。今後,具体例などを含め,フーンコラムにおきましても,詳しい話ができたらと思っております。

後関 正明 (ごせき まさあき) 先生
東京都墨田区立中学校で教諭,校長を長年務める。その後,東京都滝野川女子学園中・高校で教鞭をとる。現在,NPO法人「ILEC言語教育文化研究所」常務理事。2003年より都内の私立大学で教職課程履修の学生を教えている。 |
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