2時間か3時間かけて一応この課を終えたとします。でも,やはり何となく不安が残るようでしたら,私は次の方法でモンゴルに対する興味・関心を深め,それを持続させ,「書く」という言語活動を通じて英語の理解を一層深めさせたいと思います。
まず初めに,モンゴルについて少し調べさせます。もちろん日本語でいいわけですが,量にして原稿用紙2,3枚程度です。その中で自分がいちばん気に入った個所を英語に直させるのです。英文は最低でも2文は,書かせるようにします。生徒は自分がいちばん好きな文なので,内容など多少難しくても気分がのれば頑張って英文を作ります。ここは一応ライティングの領域です。先生は適宜アドバイスを与え,よほどのミスがない限り生徒の文を生かします。生徒はめいめいそれを発表するわけですが,前後に日本文が入る場合もあるし,その逆もあります。要するに英文と日本文とが入り混じっている原稿を読むわけですね。そうした中で,自分で作った英文を暗誦すればスピーキングの領域の基本になりますね。それを周りの生徒が聞けばリスニング活動になります。こうしてみると一つの課で4つの技能が生かされることになります。もちろんこの4技能すべてを活動させなくてもいいわけで,先生自身の裁量でどれかに絞り重点化してもいいわけです。
この課はもともとリーディングの課ですから,もっぱら「読む」に焦点を当てて言語活動を行っていいわけですが,私の場合は内容を深めるために,あえて「書く」活動を試してみました。こうして別の角度から内容を掘り起こしたり,深めたり,広めたりしながら生徒の理解を本物にして,興味・関心を高め,それを持続させるのも,一つの方法としては面白いかもしれません。 |