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第18回と第19回の2回にわたり,渡邉時夫先生に,『英語ノート』(文部科学省)と他教材との併用についてまとめていただきます。 ※このコラムについてのご意見・ご感想をお受けいたしております。 渡邉時夫 (清泉女学院大学) 1. はじめに前回(第17回)は,『英語ノート』(文部科学省)の活用実態調査のアンケート結果に基づき,『英語ノート 1』についてのコメントをさせていただきました。今回は,『英語ノート』を基本とし,さらに深めるために,あるいは中学校の英語科により有効に接続させるために,他の教材との併用を考えてみたいと思います。 補助教材をそろえるとなると,費用面で問題になるかもしれませんが,例えば,学校の費用で必要な冊数をそろえ,子どもたちに貸与し,同じ教材を毎年繰り返し使用する,という方法も考えられます。事実,この方法を採用している学校も少なくありません。 2. 『英語ノート』と他教材との併用のすすめ―『KIDS CROWN』筆者がおすすめする補助教材は,『KIDS CROWN』(三省堂)シリーズです。 『KIDS CROWN』シリーズには,学年に応じて,低学年(1・2年生)用のプライマリーコース,中学年(3・4年生)用のスタンダードコース,そして高学年(5・6年生)用のアドバンストコースの3コースが用意されており,それぞれのコースには掛け図とCDがセットになっている指導書が用意されています(プライマリーコース以外は,児童用のテキストがあります)。詳しくは,以下の案内ページをご覧ください。 今回は,『英語ノート 1』の補助教材として,シリーズの1つの『KIDS CROWN スタンダードコース』を使用する場合の利用法とその効果について,考えてみたいと思います。 (1) 英語の歌について 『KIDS CROWN スタンダードコース』で取り上げている英語の歌
いずれの歌も,長年にわたって様々な地域や学校で実験・実践して評判のよかった歌なので,子どもたちだけでなく,先生方にも満足いただけるものと思います。 また,The Mulberry Bush,Pease Porridge Hot,Hokey Pokeyは,有名なマザーグースから選んでありますので,リズムだけでも楽しく,チャンツとしても十分に役立つと思います。 (2) インプット量について 「コミュニケーションの素地」を養うには,「英語を繰り返し聞いて意味を理解」してから「発話する」という手順を踏むことが大切だと思います。そのため子どもたちには新しい英文や単語を聞く機会を増やしてあげることが大切です。 しかし,ALTが十分に配置されていない区市町村もあります。そのようなところでは,英語にはあまり自信のないHRTや外国語活動担当者は,音声教材(CDなど)の英語に頼ることになるでしょう。 言語材料はスパイラルに導入されることが望ましいです。次々と新しい英文や単語を導入しても,1回だけの使用では,英語に親しむことができないと思います。たとえ新しい英文が多くても,場面を変えてスパイラルに何度も繰り返し扱うのであればいいと思います。 『英語ノート』で扱われている英語の言語材料と『KIDS CROWN』のそれとが似通っていれば,レッスンによっては,『KIDS CROWN』で導入したあとに『英語ノート』を扱うことにしたら,望ましい指導ができるのではないかと思われます。インプット量が増えるだけでなく指導法の点でも効果が期待できます。 そのひとつの具体例として,『英語ノート 1』のLesson 4の導入に,『KIDS CROWN スタンダードコース』のUnit 5(What do you like?)を使ってみましょう。 このUnitでは,スーパーマーケットをコミュニケーションの場面として選んであります。子どもたちが日常的に触れるたくさんの食べ物が並べてあります。また,河童,白雪姫,金太郎,ドラキュラなど馴染みのあるキャラクターがお客として登場しています。 「タッチング・ゲーム」,「リスニングクイズ」,「スリーヒントゲーム」,「だれとだれが話しているかな」など,TPR(Total Physical Response Approach:全身反応教授法)を活用し,バラエティに富んだゲーム的な活動を取り入れることによって,楽しみながら新しい単語や英文に親しむように工夫されています。 このように『KIDS CROWN スタンダードコース』の一部を「導入」とし,『英語ノート 1』のLesson 4を「展開」として授業をすすめると,listen ⇒ think ⇒ understand ⇒ listen ⇒ talkという指導過程を踏むことになり,英語を楽しみながら「コミュニケーションの素地」を築いていくことができると思います。 (3) 音声の質について 3. おわりに『英語ノート』だけを使用している場合と,『KIDS CROWN』を併用する場合との効果の違いが次第にお分かりいただけたと思います。『英語ノート』は教科書ではありませんので,1冊すべてを教える必要はありません。補助教材と併せて有効に活用する事をおすすめいたします。 次回は,ゲームの扱い,ことばや文化についての理解,指導法などについて,『KIDS CROWN』との併用による効果的な授業方法について述べてみたいと思います。 ![]() ![]() |
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